みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

聴覚フィードバック

2017年07月22日 | 音楽
それからもう一つのキーワードが「聴覚フィードバック」
多少、脚色してますが、こんな話でした。
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「聴覚フィードバック」は、人が話す時の声の音、歌う時の音程を瞬時に捉え、次の音をコントロールする仕組み。
しかし、記憶に騙されやすい現象がある。
人間の耳は、機械の耳とは違って、音を聞く時、完全に聴き取れなくても、前後の状況や記憶によって、補って意味を理解する能力が備わっている。
でも、その能力が、逆に、仇になってしまい、客観的に音を聴くことを妨げてしまう。
実際は、喋れてなくても、歌えてなくても、脳内のテンプレートにあるとおりに、喋れた、歌えたと錯覚しやすい。

このことは、楽器の演奏にも当てはまる。
弾けてなくても、弾いている最中は(脳が、都合よく、補ってくれるので)、弾けていると錯覚する。
(駄目駄目でも、それなりに気持ちよく練習できるのは、このためだ!
 だけど、もちろん、後で録音を聴くと愕然とするのだけど・・・。)

音楽家の耳に求められるのは、この記憶に騙されやすい、やっかいな聴覚の補正現象を意識的に排除して、客観的に音を正しく聴ける能力。

(NHKラジオ 人生を変える「声」の力 より)
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録音して聴くと、なぜ、自分は、こんなに下手なんだ!と常々感じていたけれど、この話を聞いて、ガッテンがいったのでした。
演奏中の音を客観的に聴く能力は、我々がなんとなく「音感」の一言で片づけているうちの、一つの能力ですね。
音大では、当たり前で教わる内容な気もするけれど・・・。

声でも、演奏でも、聴覚フィードバックがない状態で、音を聴く、簡単な方法は、録音して聴くことなので、なるべく録音して、自分の演奏を客観的に聴くのは、やはり、とても大切なことだと、再認識したのでした。

以上、聴覚フィードバック、おしまい。
(声の講座の連作シリーズもおしまい)
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2 コメント

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Unknown (さちこ)
2017-07-23 07:39:04
おはようございます。


>人間の耳は、機械の耳とは違って、音を聞く時、完全に聴き取れなくても、前後の状況や記憶によって、補って意味を理解する能力が備わっている。

そうそう。
録音して聞くほど怖いものはないですね・・・。

さて、「家守綺譚」気になったので手にとりました。

不思議?ありえない?
いやいやそのような感じではなくて、全く違和感がなくてそこが面白いというか怖いというか。
ですので、ねるまえにだけ読んだりと日常生活に支障にならないように少々セーブしてました?


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Unknown (そらみみ)
2017-07-23 22:24:35
おおっ、家守奇譚、行かれたんだ!
気に入られたようで、何よりです。
あの独特の世界、入り込んでしまったら、逃れられないかも・・・。

個人的に、綿貫征四郎は、男の中の男ですね。
余韻のある文章も素晴らしいし…。
あの楽しみに初めて、触れられるのは、羨ましいです。

もう何回も読み返していて、最初の時のことは、覚えていないけれど、
少しずつ、読み進んだような・・・。
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