
「点火~」の合図で十数人の年男年女が、積み上げられた正月飾りの下方に点火棒をかざす。待っていた新年の喜びを噴き出すようにとんどが一気に燃え上がる。点火者の最高齢は84歳と案内があった。
自治会主催のとんどは「町内会」の催しで派手さは全くない。それでも回覧板で知らされた時間になると正月飾りなどを手にして集まる。積み上げられた正月飾りの周りは急ごしらえの新年の賀詞交換会のように賑わう。
町内にある高齢者施設から今年も見学に見えている。その中の2人が介添えを受けながら点火された。懐かしい思いをされ良かったと拍手をした。介添えの若い人の安全に気を配った親身な動きがさわやかだった。
年末には子供会のしめ縄作りもあった。その時の飾りも燃やされただろう。お接待はぜんざい。とんどを見ながら、風除けの設けられたテントの下で熱いそれをいただいた。お神酒は何年か前よりなくなっている。
ようやく新年の催しが終わった。今年の運気を示すかのように燃え上がったとんどにあやかって良い年になって欲しい、そんな会話をしながら接待をいただいた。
(写真:今年の勢いを願うかのような炎)