
高齢者の運転免許証返納が増えていると報道されている。高齢者の運転にかかわる諸々がそうさせている、ということはよく理解している。それだけに毎日の運転では気を使っている。
免許証返納された方はその後の外出などの便はどうされているのだろう。公共交通機関のそれが便利な都市部では、多少の不便はあっても凌げるだろう。多少の歩行が加わるということは身体に良いかもしれない。
地方の都市で高齢者のそうした変わりをしてくれるのは家々の軒をめぐうように走るバス。市では高齢者に優待乗車証が交付されており、何かの折に使っている。先日、はじめて高齢者へ配慮した低床バスに出会った。
名の通り乗車ステップの高さは縁石ほど。お年寄りに優しい作りだ。車内の低床部分は一部で、残りの席はそうでないバスと同じ。車の構造から無理からぬことだろう。低床部分の席に腰をおろす。驚いた。窓の下部が頭の高さ。景色を見るころは出来ない。ちょっと陰気だ。
低床席から見ると運転席が異様に高い。家の階段2、3段分くらいある。座っている席の高さでの運転は不可能なことはわかる。運転手、最近はドライバーさんと呼ぶということだが、それとは違い操縦者の後ろ姿に思える。
降車。優待乗車証を見せ既定の運賃100円を運賃箱へ入れる。「有難うございました」とドライバーさんの声が背中に。いつか選んで利用するかもしれない低床バス、その第一印象は悪くなかった。
(写真:異様に高く見えた低床バスの運転席)