
公園を歩いていて、10日ほど前には見かけなかった桜の古木の手当に目がとまった。その桜は幹の大きな空洞をさらしている。その幹にコモがまかれ、黒の麻紐でしっかり縛られている。また、倒れないように支えがしてある。
この桜、人なら相当の高齢に当たる。そこに訳わ知らないが手当が施され、冷たい風に耐えれるようにされている。見ていて何かホットしながら、人の世もなんとかならないか、そんな思いが浮かんだ。
昨年の流行語大賞のひとつになった「無縁社会」は衝撃だった。無縁社会、ひと口でいえば「単身世帯が増えて、人と人との 関係が希薄となりつつある現代社会の一面」という。その単身所帯の前に高齢者が付くと切実感が増す。
「所在不明高齢者」もそうだった。家庭崩壊だ、地縁血縁という絆が失われた、など聞きなれた言葉でそうした因果のひとつが語られている。地縁血縁がどうして失われることとなったのか、解決策はどうなのか、都度それへの対応は示されるが、根本的な解決にいたっていない。
明日の最低気温はマイナス5度、最高は1度という予報。冬は寒いほうがよいというが、人の世は温かであってと願う。
(写真:手当がされた桜の古木)