今年ほど多くの山の動物たちが人里へ現れたのは珍しい、そんなことが話題、いや大きなニュースになった。そう、出るだけでなく人に害を加えたことも記憶に新しい。イノシシ、熊、鹿、猿タヌキなど多彩だった。
野山の動物は人里で餌を口にするとそれを求めて出没を始めるという。そういわれ初めて長い月日が過ぎた。開発や荒れにまかせた野山には動物たちの餌が少ないという。そこへ今年の猛暑が輪をかけ、人里へ頻繁に姿を現した。散歩には身体の前後へ熊よけの鈴をつけて歩いた、そんなブログもあった。
吉香公園に「ネコの餌やりがイノシシの餌付けとなりイノシシ被害が多発」に続けて「餌やりは絶対にしないでほしい」という掲示板が立っている。ネコの餌に近寄るイノシシの写真が添えられている。百聞は一見にしかず、と分かりやすい。
公園を猛進するイノシシを見たことがある。一言でいえば「ものすごい」。ネコの餌やりも見た。公園の広場にたむろするノラさんが、車の音が聞こえ始めると駐車場の一角に集い始め、ドアが開くのを待っている。
ネコに寄せる優しさが新しい被害を起こしている。この公園の菖蒲園にはイノシシ被害を防ぐため柵が設けられた。動物への優しさは大切だろうが、まず、ネコを飼う人は最後まで育てることを望みたい、掲示板を見ながらそんなことを思った。
(写真:ネコの餌付けをしないでという掲示板)