
陽気がよくなり人出に負けじと虫らも出始める。それを先取りするのが防虫品。玄関に虫を寄せつけないという、どこにでもいるおばさんCMが盛んに流される。ということはおばさん効果、いや失礼、薬効があるということか。なんでも半年以上も効くという宣伝に惹かれる人もあるとか。CM観察記より。
偶然だが、我が家のバラの花びらの奥に頭を突っ込んだミツバチが1匹いるのを見つけた。眺めていても動かない、花びらの奥に入りすぎ挟まれているようにも見えるので少し花びらを動かした。すると横向きに変わり頭が見えた。生きている。なおも見ていると、何事もなかったように飛び去った。ただ花の奥へ入りすぎ動けなくなった、という観察記にしておこう。
巣作りの候補地探しだろうか、アシナガバチもやってくる。人に発見されにくいところが彼らの好む場所、それだけに巣作りの初めは気づかずにいる。毎年、何個かの巣を取り除いている。殺虫剤を惜しげもなく散布した後でもぎ取る。もぎ取ってからしばらくの間はハチが帰ってくる。ハチにしてみればそれまでの労苦を一瞬にして失う、人に例えれば胸がしめつけられるほどのつらいことだろう。そう理解しながらも身の安全のため取り除きは止められない。ハチは攻撃のとき髪や目の黒を狙う、と観察記に走り書きしている。
ヘビほどには思わぬが、あまり気持ちよくて恰好いいとは思わないトカゲ。それでも下級サラリーマンの心持をこれほど理解してくれる生き物は他にいないのではと思う。「問い詰められて責任を部下にかぶせて逃れる」ことをトカゲの尻尾切りという。苦い経験は上司観察記に記録されている。
そんなトカゲ、日ごろは人目につくとさっと穴に隠れる。ところが庭で見つけた1匹。右の前足で地面に穴を掘るしぐさ、そこへ頭を押し付ける。その2つを何度も繰り返す。実に真剣なしぐさで近寄っても警戒の様子はない。何が起きるか数分見続けていたが、何事もなかったように植え込みへゆっくりと立ち去った。その跡を観察してみたが、特段のことはない。さては餌となる虫が地中にいたがあきらめた、という観察記としておこう。生き物万歳の季節到来だ。