
パステル画同好会で活躍中の知人から「時間があれば見に来てください」という絵画展の案内が届いた。これまでにも何度か拝見している。展示の作品は明るい画風で、パステルの特徴なのか、色に油絵のようにどっしりとした重厚感はない。かといって作品が軽いわけではない。人物も風景も生物も生き生きとしており、赤子の作品には話しかけたくなる。作品は抽象的だったりデフォルメされていないので、描かれているものが直に伝わり、飽きないで鑑賞できる。
県立美術館を年に何度か訪れていた。それが遠のいて何年にもなるが、行きたい気持ちは持ち続けている。後ろから押されながらの鑑賞を終えた時は「多くの人と芸術作品への思いを共有できた」と喜ぶ。ゆっくりと思うがままの時間で鑑賞した時は「満足満足」と喜ぶ。その程度の鑑賞眼しか持ち合わせていない。
だから「作者はこの絵、この写真に、斯く斯くしかじかの想いをこめている」「世界平和を願った表現」などという解説を読んだり説明を聞いても、何が描かれ何が撮られているのかいっこうに分からない作品に出合うことがある。その理解力の無さとその悔しさを何度も味わった。
最近は絵を描くことはなくなった。高校のころは乗り物や動物などを描いて入園前の子どもを喜ばせたことはある。。小学校のころは指導を受けながらよく描いた。その中で一番の思い出は6年の時、放課後、1週間くらい吉香公園に通い錦雲閣を描いたこと。その絵は図画の先生の「預かるから」という話は記憶しているがその後のことは知らない。60年前の錦雲閣、どこかに紛れ込んでいるものなら出てきて欲しい。