
今日は、土中に冬ごもりしていた爬虫類、両生類、昆虫類などが冬眠からさめ、穴から地上に出てくるという啓蟄の日、「仲春の月 蟄中咸(かん)動き 戸を啓きて始めて出づ」とある。松の木に巻かれたコモで越冬した虫たちはコモ外しされ驚いているだろう。本格的に虫が穴から出始めるのは最低気温が5度以上といわれるから、今は土中で準備運動中だろう。
前線の影響で小雪にみぞれ様の雨、雲が切れると春の日差しと、目まぐるしく空模様の変わる今年の啓蟄。異常気象の続く昨今、春から夏にかけてのとてつも無い気象の前兆でなければいいがと気遣う。
若者が一歩踏み出すための初めてのスッテプになる公立高校入試の日。私等のころはアチーブメントテストと称していた。これは1949(昭和24)年以降の高校入試で使用され始めたという。いつから「高校入試」に変わったのだろう。アチーブメントテストの意味は「学力検査の一形態。学習到達度を客観的に検査・測定する」と載っている。なら、今の表現の方が目的がはっきりしていて分りやすい。
中学校を卒業し15歳以上は労働力人口としてカウントされる。大方が高校進学する現状では実態にそぐわないが、日本を担う責任ある最初のスッテプに立つ。高校入試がすべてではないだろうが、この難関を越える力が将来を決めるひとつでもある。そういう意味で、啓蟄の日の入試は、独力で穴から出る初めての試し。良い結果をまとう。