
「議論が平行線をたどる」意見などが折り合わないままでいる様子を表す時に使う。平行線は同一平面上にある2本あるいはそれ以上の相互に平行な直線をいう。平行状態は物理や数学や算数の範疇だけでなく人と人、国と国の関係でもしばしば発生する。現にウクライナ情勢がらみでG8がG7に戻るか、専門家は世界は冷戦終結以降の最悪の緊張状態にある。素人は推移を傍観するしか方法を知らないが、平和な地球に治まってほしい。
話し合いや揉め事などが、お互いの歩み寄りがなくこの交わらないと決めつけられられている平行状態を、交わらせる方法が見つかった。それを編み出したのは広島県の小学4年生の男子。その方法は「平行線 少しかたむけ 仲直り」。これは10日ほど前に発表された「第3回 数学・算数川柳&俳句&短歌」コンクールの川柳の部の大賞作品。問題解決の糸口ここにあり、それを新鮮に感じたのはなぜだろうか。
しかし平行でないのに平行だと偽り大惨事を招いたJRの事例もある。あの重量とあの速度で走る鉄路の異常状態を、正常と報告するというその心情が全く理解できない。大賞の川柳の通り傾けば争いは仲直りできるか、鉄路は離れていき列車は線路を飛び出す。その先は目を覆う事故に至る。人の世とは違い線路はどこまでも並行でなければならない。
前記のコンクールの短歌大賞は「十一の 数字の羅列は 覚えてる 覚えているけど ボタンが押せない」。これは携帯電話の番号をなかなか押せない恋心を詠んだという。押さなければ平行どころか「点」で終わってしまう。「5と7という素数で構成される芸術表現を通じて、数の世界に関心を持ってもらおう」という主催者の意を組んでまず平行線を引き、それを傾けてゴールしてほしい。俳句の大賞は「大寒や 窓の水滴 平行線」、これも小学4年生、4年生恐るべし。