
未明から降り続く雨は夕方までに市内で40~60ミリに達した。この時期の雨のことを桜雨とか花の雨という。それに誘われたかのように錦帯橋畔の桜の開花が宣言された。開花予測では24日と27日の二通りがあった。その中間に開花とは自然も憎い計らいをする。錦帯橋一帯のソメイヨシノは3000本という。満開は4月の4日ころというが、週末からの天気は芳しくないのが気になる。
日曜日には一輪も見えなかった中央公民館駐車場の桜、今日はちらほらと咲いている。道路の向かいにある小学校の校舎周りの桜、1分くらい咲いている木もあれば咲き始めも見られるが、元気に開花している。いよいよ春到来だ。
桜開花のころになると、新聞紙面を人名と肩書が黒々と占める。教員を含む自治体職員の人事異動内容。現役のころは掲載内容を詳細に見つめ、関係先の異動内容を把握し、必要な対応をしたものだ。退職してからはさっと見る程度に変わった。載った人の多くは桜を楽しむ暇はないだろうと思う。いや、紙面に載る人らはステップアップの異動慣れかもしれない。
役所の敷地にある桜は「異動桜」と呼ぶそうだ。異動の公表と桜の開花がほぼ同じころに当たるとことからつ付いたという。異動内容は咲くのか散るのか、その分岐に立ち会う桜は、見かけよりも苦しい胸の内をしているのだろう。それでも見る人には不快な思いをさせない。苦楽を知り尽くし桜だからこそ、花の美しさを満喫させてくれるのかもしれない。