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図書館の書架の間で生徒の母親と思える人の会話が聞こえる。静かな図書館で、と思ったが話の内容に「母親の気遣い」を知った。「娘は2022の1月は高校3年、大学受験で成人式どころではない、準備している着物が着れるかどうか」、そんな会話だった。民法の年齢20歳をもって成年とする決まりが、2022年1月1日から18歳に下がる。母親の心配は分かる。
成人の日が1月15日に決まったのは、この日が小正月であり、かつて元服の儀が小正月に行われていたことによるといわれている。しかし、ハッピーマンデーで1月第2日曜に変わった。それは、今年の成人式対象者の生まれた2000年から、偶然気づいたが、なんと制度も二十歳になり大人になった。
高校卒業後の進学が6~7割というご時世、入試制度が変わらない限り進学希望の生徒は成人式どころではないことはよく分かる。準備された晴れ着が着れないかもしれない、親の心配通りおそらく着れないだろう。男の側も同じで同期が集い記念写真を撮るという光景はもとより、成人式参列者が激減してしまわないか心配になる。
成人式の日は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」というのが法の趣旨。折込に入っていた成人式のスナッ写真の向こうの親御さんの笑顔を思いながら、図書館で聞いた会話を思い出した。共通一次試験の時期を避ければ次のチャンスは夏の盆のころではなかろうか。振袖ならぬ浴衣姿の成人式かも、呉服店の対策はいかにと聞きたい。