2013年04月20日 毎日新聞「はがき随筆」掲載
父は退職直前に急逝。病身の母は、心待ちしていたその日を失ったことでより体調を悪くした。
間もなく私は結婚。嫁姑の小さな不和はあったが、「嫁にみとってもらう」が母の口癖に。その願いどおりに旅立ったのは、同居から二十余年たっていた。
棺の中の顔を見ながら、病状の急変で幾度も早退したことを思い出し、「この年までよく生きてくれた」と話しかけた。
私は間もなく母の享年73歳になる。過去帳を開きつつ「本当はもっと生きて、したいこともあっただろう」。自分の充実した今の生活実感から、そう感じる。
生きていれば100歳。
父は退職直前に急逝。病身の母は、心待ちしていたその日を失ったことでより体調を悪くした。
間もなく私は結婚。嫁姑の小さな不和はあったが、「嫁にみとってもらう」が母の口癖に。その願いどおりに旅立ったのは、同居から二十余年たっていた。
棺の中の顔を見ながら、病状の急変で幾度も早退したことを思い出し、「この年までよく生きてくれた」と話しかけた。
私は間もなく母の享年73歳になる。過去帳を開きつつ「本当はもっと生きて、したいこともあっただろう」。自分の充実した今の生活実感から、そう感じる。
生きていれば100歳。
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