NHK朝ドラ『ひよっこ』に関する記事を6月4日に掲載した。
その後も毎日観ているが、9月末の最終回に向けて、いよいよ佳境に差し掛かって来た。
みね子(有村架純)の行方不明だった父(沢村一輝)は見つかったが、記憶をなくしたままで、それでも北茨城の家に帰り家族と暮らし始めた。彼がいつ、どんな形で記憶を取り戻すかが、ドラマの山場となるだろう。
一方で、彼が行方不明だった2年半の間、彼を保護して一緒に暮らしていた女優の川本世津子(菅野美穂)が、彼を失った喪失感をどう克服していくのかも描かれるに違いない。朝ドラゆえに直接的には表現されていないが、2人は男女の関係にあったはずだ。妻(木村佳乃)との対決シーンも名場面だったが、菅野の演技は昭和の女優らしさを醸し出していて素晴らしい。
みね子は東京の生活を続けているが、彼女が今後どんな人生を歩むのかも全く予想ができない。昨今の朝ドラのように実在の人物をモデルにしていないので、どんな展開もありうる。何かを成し遂げたり、誰かと結婚してめでたしめでたしとかではなく、普通の女性として日々を暮らしていく中で最終回となってもいいと思う。
主人公の周囲の人物も1人1人丁寧に描いている。乙女寮のメンバーも忘れずに時々登場するのが嬉しい。今週、私の推しメン豊子(藤野涼子)がクイズ番組に出演した回は傑作だった。あと、気になるテーマは、省吾(佐々木蔵之介)の娘の由香(島崎遥香)が家族とどう和解して家に戻るか。愛子(和久井映見)の省吾への一目ぼれは成就するのか。時子は女優として活躍できるか。三男は安部米店の婿養子になるのか。
普通の田舎娘が、日本の高度成長期を懸命に生きた姿を描いているドラマで、有村は正にハマリ役だ。普通っぽさが似合っているが、同じ普通っぽくても、田舎にいた頃の回想シーンと、2年半で年齢を重ね、都会にも少し慣れた様子が演じ分けられていて素晴らしい。
もう1つ、ドラマの裏側に流れるテーマは「父と子」だろう。
みね子と父は、珍しいくらい良い関係の父娘だ。見ていて気恥しくなるくらいだ。
その正反対で、父親に真っ向から反発するのが由香。島崎遥香の「塩」演技も似合っている。
家業のために組まれた縁談に反発し「家を捨てる」と言ったものの、みね子に拒まれ佐賀に戻った島谷(竹内涼真)は、結局現状では父親を越えられなかったということだろう。
血のつながらない父(三宅裕司)と息子(古館佑太朗)の関係は微妙だが上手くいっている。古館は、アナウンサーの父とは違って無口な役というのも面白い。
安部米店の父娘は、元々仲が悪いが、三男を婿養子にするべく結束する。
いろいろな形の「父と子」が描かれることで、昭和の理想的な家族像をノスタルジックに描くだけのドラマになっていない。
あと1か月半、目が離せない。
その後も毎日観ているが、9月末の最終回に向けて、いよいよ佳境に差し掛かって来た。
みね子(有村架純)の行方不明だった父(沢村一輝)は見つかったが、記憶をなくしたままで、それでも北茨城の家に帰り家族と暮らし始めた。彼がいつ、どんな形で記憶を取り戻すかが、ドラマの山場となるだろう。
一方で、彼が行方不明だった2年半の間、彼を保護して一緒に暮らしていた女優の川本世津子(菅野美穂)が、彼を失った喪失感をどう克服していくのかも描かれるに違いない。朝ドラゆえに直接的には表現されていないが、2人は男女の関係にあったはずだ。妻(木村佳乃)との対決シーンも名場面だったが、菅野の演技は昭和の女優らしさを醸し出していて素晴らしい。
みね子は東京の生活を続けているが、彼女が今後どんな人生を歩むのかも全く予想ができない。昨今の朝ドラのように実在の人物をモデルにしていないので、どんな展開もありうる。何かを成し遂げたり、誰かと結婚してめでたしめでたしとかではなく、普通の女性として日々を暮らしていく中で最終回となってもいいと思う。
主人公の周囲の人物も1人1人丁寧に描いている。乙女寮のメンバーも忘れずに時々登場するのが嬉しい。今週、私の推しメン豊子(藤野涼子)がクイズ番組に出演した回は傑作だった。あと、気になるテーマは、省吾(佐々木蔵之介)の娘の由香(島崎遥香)が家族とどう和解して家に戻るか。愛子(和久井映見)の省吾への一目ぼれは成就するのか。時子は女優として活躍できるか。三男は安部米店の婿養子になるのか。
普通の田舎娘が、日本の高度成長期を懸命に生きた姿を描いているドラマで、有村は正にハマリ役だ。普通っぽさが似合っているが、同じ普通っぽくても、田舎にいた頃の回想シーンと、2年半で年齢を重ね、都会にも少し慣れた様子が演じ分けられていて素晴らしい。
もう1つ、ドラマの裏側に流れるテーマは「父と子」だろう。
みね子と父は、珍しいくらい良い関係の父娘だ。見ていて気恥しくなるくらいだ。
その正反対で、父親に真っ向から反発するのが由香。島崎遥香の「塩」演技も似合っている。
家業のために組まれた縁談に反発し「家を捨てる」と言ったものの、みね子に拒まれ佐賀に戻った島谷(竹内涼真)は、結局現状では父親を越えられなかったということだろう。
血のつながらない父(三宅裕司)と息子(古館佑太朗)の関係は微妙だが上手くいっている。古館は、アナウンサーの父とは違って無口な役というのも面白い。
安部米店の父娘は、元々仲が悪いが、三男を婿養子にするべく結束する。
いろいろな形の「父と子」が描かれることで、昭和の理想的な家族像をノスタルジックに描くだけのドラマになっていない。
あと1か月半、目が離せない。