『ポンコツな君が好きだ』。
AKBグループにおいて「ポンコツ」と言えば島崎遥香の代名詞だったが、彼女が卒業してもう6年経った。NGT48のシングル曲タイトルにその言葉を使ってもいいのだろう。むしろ色々あったNGT48というチームを自虐的に「ポンコツ」と呼び、逆説的に「ポンコツな君が好きだ」「守ってあげたくなる」というコンセプトで1曲仕上げた秋元康のプロデュース力はさすがだ。
そんな穿った見方をしなくても、楽曲としてよくまとまった、楽しい曲に出来上がっていると思う。
曲調もアップテンポでアイドルらしい。一風変わった相手を好きになるシリーズでは『逆転王子様』『ドリアン少年』『あばたもえくぼはふくはうち』『ゴルゴンゾーラ』などと同系統だ。
しかし、部活動のマネージャーで合宿の日を1週間間違うとは、ポンコツと言うより不注意、怠慢の類だろう。それでも大して落ち込むことなくケロリとしている彼女の大らかさが好きだと歌っているが、好きなら何でも許せるという境地なのだろう。しかし、「言われたことを言われたとおりにやる」普通の人よりも「自由」で「器が大きい」とまで言っているのは、櫻坂46的なプロテストソング要素まで狙っているのか?
それはさすがに考えすぎか。そもそも体制に反抗したいのなら、部活のマネージャーなどはやらないだろう。
『私が一番言いたかったこと』。
荻野由佳の卒業ソングのようだ。卒業ソングを与えられ送り出されるのは、相応の貢献が認められている証拠なのだろう。
色んな騒動があって、その後はコロナの影響を受け、満足できる活動ができたのか、そして納得できる日々だったのか、思い残すことや後悔はないのか、それは彼女自身にしかわからない。
楽曲としては、ソロパートもなく淡々としているが、しんみりとした気分になる、卒業ソングらしい良い曲だ。
『僕らのトチオンガー』。
「トチオンガー」とは何?と疑問に思ったが、新潟のご当地ヒーローらしい。番組の主題歌か何かだろう。
サビの「トチオンガーが・・・」の「トチ」が弱起になっているので聞き取りにくいのは、主題歌としてどうなのだろうか?
『情熱の電源』。
カップリング曲ではこの曲が一番気に入った。
歌詞はわかりやすい。廃棄された冷蔵庫の中で腐ってしまった誰かの夢。自分は腐らせることなく、いつまでも夢や情熱を持ち続けていたい。そういう歌詞だ。
秋元康が、ある時は「心のロッカー」と呼び、ある時は「一番好きだったはずの小説」と呼び、ある時は「出しっぱなしの水道」と呼ぶもの。彼は一貫して若いアイドルたちにそれを歌わせてきた。
年を取って気が付けばいつの間にか劣化したり失われてしまっているもの。でも完全に消え去っているわけではない。心の奥底に眠っていて、何かの拍子にふと蘇ることもあるのだ。そのことをこの曲では「忘却は思い出のサーモスタット」と表現している。そして、完全に消え去ってしまわないためには、電源だけは繋いでおかなければならない。日頃は動いていないようでも、密かに充電をしておく必要がある。秋元康にとって若いアイドルに詞を書くという行為がその充電に当たるのかもしれない。それでは彼が書いた楽曲を聴き、こうして拙い文章を書くことが私にとって充電になっているのかどうか、それは半信半疑である。
この曲では、最後に「青春のエネルギー」とあまりに直接的な言葉で答えを書いている。私には蛇足に思えるが、この一言で腑に落ちる若者も多いのだろう。
AKBグループにおいて「ポンコツ」と言えば島崎遥香の代名詞だったが、彼女が卒業してもう6年経った。NGT48のシングル曲タイトルにその言葉を使ってもいいのだろう。むしろ色々あったNGT48というチームを自虐的に「ポンコツ」と呼び、逆説的に「ポンコツな君が好きだ」「守ってあげたくなる」というコンセプトで1曲仕上げた秋元康のプロデュース力はさすがだ。
そんな穿った見方をしなくても、楽曲としてよくまとまった、楽しい曲に出来上がっていると思う。
曲調もアップテンポでアイドルらしい。一風変わった相手を好きになるシリーズでは『逆転王子様』『ドリアン少年』『あばたもえくぼはふくはうち』『ゴルゴンゾーラ』などと同系統だ。
しかし、部活動のマネージャーで合宿の日を1週間間違うとは、ポンコツと言うより不注意、怠慢の類だろう。それでも大して落ち込むことなくケロリとしている彼女の大らかさが好きだと歌っているが、好きなら何でも許せるという境地なのだろう。しかし、「言われたことを言われたとおりにやる」普通の人よりも「自由」で「器が大きい」とまで言っているのは、櫻坂46的なプロテストソング要素まで狙っているのか?
それはさすがに考えすぎか。そもそも体制に反抗したいのなら、部活のマネージャーなどはやらないだろう。
『私が一番言いたかったこと』。
荻野由佳の卒業ソングのようだ。卒業ソングを与えられ送り出されるのは、相応の貢献が認められている証拠なのだろう。
色んな騒動があって、その後はコロナの影響を受け、満足できる活動ができたのか、そして納得できる日々だったのか、思い残すことや後悔はないのか、それは彼女自身にしかわからない。
楽曲としては、ソロパートもなく淡々としているが、しんみりとした気分になる、卒業ソングらしい良い曲だ。
『僕らのトチオンガー』。
「トチオンガー」とは何?と疑問に思ったが、新潟のご当地ヒーローらしい。番組の主題歌か何かだろう。
サビの「トチオンガーが・・・」の「トチ」が弱起になっているので聞き取りにくいのは、主題歌としてどうなのだろうか?
『情熱の電源』。
カップリング曲ではこの曲が一番気に入った。
歌詞はわかりやすい。廃棄された冷蔵庫の中で腐ってしまった誰かの夢。自分は腐らせることなく、いつまでも夢や情熱を持ち続けていたい。そういう歌詞だ。
秋元康が、ある時は「心のロッカー」と呼び、ある時は「一番好きだったはずの小説」と呼び、ある時は「出しっぱなしの水道」と呼ぶもの。彼は一貫して若いアイドルたちにそれを歌わせてきた。
年を取って気が付けばいつの間にか劣化したり失われてしまっているもの。でも完全に消え去っているわけではない。心の奥底に眠っていて、何かの拍子にふと蘇ることもあるのだ。そのことをこの曲では「忘却は思い出のサーモスタット」と表現している。そして、完全に消え去ってしまわないためには、電源だけは繋いでおかなければならない。日頃は動いていないようでも、密かに充電をしておく必要がある。秋元康にとって若いアイドルに詞を書くという行為がその充電に当たるのかもしれない。それでは彼が書いた楽曲を聴き、こうして拙い文章を書くことが私にとって充電になっているのかどうか、それは半信半疑である。
この曲では、最後に「青春のエネルギー」とあまりに直接的な言葉で答えを書いている。私には蛇足に思えるが、この一言で腑に落ちる若者も多いのだろう。