HKT48の新曲『ビーサンはなぜなくなるのか?』の感想は既に記事にした。
その後もずっと聴いているが、飽きないし、いい曲だと思う。前の記事で、メロディーが今一つで、一度聴いたら忘れないようなキャッチーなメロディーとまでは言えないと書いたが、だからこそ飽きが来ないとも言える。サビのつんのめるようなメロディーは、はやる心を表しているように聴こえてきた。
『向日葵の水彩画』。
遠い日の淡い初恋を思い出しているノスタルジックな歌だ。
「僕」はその彼女と付き合うどころか、告白さえしていなかった。遠くで見ていただけだ。唯一の思い出が、彼女のスケッチブックが風にめくられた時に偶然見えた描きかけの向日葵の水彩画だった。そのことを今も思い出し、彼女が現在幸せであればいいと願っているというような歌だ。なんて寂しくて、未練がましくて、そして共感できる心情だろう。
「初恋は叶わないなんて信じられない」という歌詞もあるが、その説はアイドルの世界では定説になっている。初恋が簡単に叶うようでは、大半の歌が成り立たなくなってしまう。この歌もそうだ。
メロディーはゆったりとした地味なメロディーだ。どうでもいいことだが、サビの「ひまわりの」という部分のメロディーが、表題曲のサビの「ビーサンで」という部分とよく似ているので、2曲続けて聴くと何だか妙な感覚に陥る。
『充分、しあわせ』。
告白しようか、やめとこうか、迷っている少年の歌だ。
冒頭のサビで「断られたら全てを失って立ち直れない」と言っているので、まず断られるイメージから入っている。その時点で既に負けているような気がする。
それでも、2番では「YESと言われたらハートが爆発して最高の幸せ」という成功のイメージも捨てきれていない。2つのシナリオの間で揺れ動き、結局行動に移せない。これこそが片思いの最高の愉悦だろう。
「空と海には境界があるので、鳥も魚も迷わずに自分の場所にいる」とは面白い表現だ。彼女が鳥なら自分は魚だと諦めきれればいいのだろう。一方で「この世にはあやふやなことがあるけど、そのままにしていた方がいいのかもしれない」ともつぶやく。それもまた一つの選択だ。その場合、永遠に片想いを抱き締めて生きていくこともできるのだから。それも充分しあわせだ。
『悲しみの浄化装置』。
研究生である最上奈那華のソロ曲だ。どんなメンバーなのか調べてみたら、21歳、矢吹奈子と同じ年だ。AKBグループ全体の研究生の中でも最年長らしい。彼女にどういう経緯でソロ曲が与えられたのかは分からなかったが、抜擢に応える素晴らしい歌唱だと思う。
何より声が特徴的だ。いわゆるアニメ声とは違うが、輪郭がくっきりしていて、歌詞も聞き取りやすい。熱唱というのでもなく、無機質でもない。声を活かすことを最優先に、落ち着いた歌唱に徹しているようだ。
曲の内容は、いわゆる応援ソング。失敗したり、落ち込んだり、疲れたり、凹んだときには思い切って泣けばいい。大人の涙は浄化装置、泣くことでリセットしてまた歩き出せばいい。そんな内容だ。まあよくある歌詞だが、応援などというものは普遍的な行為なのだから、よくある歌詞でいいのだろう。
2番では「大人になると泣くことはサーモスタット」とも歌っていて、「サーモスタット」は『情熱の電源』でも使われていた秋元康の最近のお気に入りワードなのだろう。以前はこういう使い回しは好きになれなかったが、最近は寛容になって使い方のバリエーションを楽しめるようになってきた。
その後もずっと聴いているが、飽きないし、いい曲だと思う。前の記事で、メロディーが今一つで、一度聴いたら忘れないようなキャッチーなメロディーとまでは言えないと書いたが、だからこそ飽きが来ないとも言える。サビのつんのめるようなメロディーは、はやる心を表しているように聴こえてきた。
『向日葵の水彩画』。
遠い日の淡い初恋を思い出しているノスタルジックな歌だ。
「僕」はその彼女と付き合うどころか、告白さえしていなかった。遠くで見ていただけだ。唯一の思い出が、彼女のスケッチブックが風にめくられた時に偶然見えた描きかけの向日葵の水彩画だった。そのことを今も思い出し、彼女が現在幸せであればいいと願っているというような歌だ。なんて寂しくて、未練がましくて、そして共感できる心情だろう。
「初恋は叶わないなんて信じられない」という歌詞もあるが、その説はアイドルの世界では定説になっている。初恋が簡単に叶うようでは、大半の歌が成り立たなくなってしまう。この歌もそうだ。
メロディーはゆったりとした地味なメロディーだ。どうでもいいことだが、サビの「ひまわりの」という部分のメロディーが、表題曲のサビの「ビーサンで」という部分とよく似ているので、2曲続けて聴くと何だか妙な感覚に陥る。
『充分、しあわせ』。
告白しようか、やめとこうか、迷っている少年の歌だ。
冒頭のサビで「断られたら全てを失って立ち直れない」と言っているので、まず断られるイメージから入っている。その時点で既に負けているような気がする。
それでも、2番では「YESと言われたらハートが爆発して最高の幸せ」という成功のイメージも捨てきれていない。2つのシナリオの間で揺れ動き、結局行動に移せない。これこそが片思いの最高の愉悦だろう。
「空と海には境界があるので、鳥も魚も迷わずに自分の場所にいる」とは面白い表現だ。彼女が鳥なら自分は魚だと諦めきれればいいのだろう。一方で「この世にはあやふやなことがあるけど、そのままにしていた方がいいのかもしれない」ともつぶやく。それもまた一つの選択だ。その場合、永遠に片想いを抱き締めて生きていくこともできるのだから。それも充分しあわせだ。
『悲しみの浄化装置』。
研究生である最上奈那華のソロ曲だ。どんなメンバーなのか調べてみたら、21歳、矢吹奈子と同じ年だ。AKBグループ全体の研究生の中でも最年長らしい。彼女にどういう経緯でソロ曲が与えられたのかは分からなかったが、抜擢に応える素晴らしい歌唱だと思う。
何より声が特徴的だ。いわゆるアニメ声とは違うが、輪郭がくっきりしていて、歌詞も聞き取りやすい。熱唱というのでもなく、無機質でもない。声を活かすことを最優先に、落ち着いた歌唱に徹しているようだ。
曲の内容は、いわゆる応援ソング。失敗したり、落ち込んだり、疲れたり、凹んだときには思い切って泣けばいい。大人の涙は浄化装置、泣くことでリセットしてまた歩き出せばいい。そんな内容だ。まあよくある歌詞だが、応援などというものは普遍的な行為なのだから、よくある歌詞でいいのだろう。
2番では「大人になると泣くことはサーモスタット」とも歌っていて、「サーモスタット」は『情熱の電源』でも使われていた秋元康の最近のお気に入りワードなのだろう。以前はこういう使い回しは好きになれなかったが、最近は寛容になって使い方のバリエーションを楽しめるようになってきた。