都議会での初の一般質問。妊娠、出産に関わる不妊など女性の悩みについて質問中に「お前が結婚しろ!」「産めないのか?」など、大変に女性として残念なヤジが飛びました。心ない野次の連続に涙目に。政策に対してのヤジは受けますが、悩んでる女性に対して言っていいとは思えないです。
― 塩村あやか(みんなの党 東京都議会議員) (@shiomura) 2014, 6月 18
とりあえず、まあ涙目にはなるよね、現場でやられたひととしては。
で、学者さん的な理屈で軽いつっこみいれるとすれば、この”涙目に”に引っかかりを覚えることがあるかなとは思う。”オンナノナミダ”でもって、言葉で説明して言葉で納得せしめるべき領域の問題を情緒の問題にすりかえてしまっている、ああなんと扇動的なやりかただろうか!と非難可能だが―
「心ない野次の連続に」
だし。連発されたら、まあ泣きたくはなるかな。
しかし、下劣な野次もコミで大喧嘩する職業でもあろうし(某政党では、とりあえず大量の一年生議員に野次のとばしかたから教育したとか聞くし)、上品なやりとりばかりではあるまい。
が、まあそれでも限度というものがあろう。
で。いくら東京都議会とはいえ、いち地方議員さんの、たったひとつのツィートに、ただの一日で14000以上のリツィートが来ている。ただのひとつのツィートの仕事としては相当なものではあるまいか。この一事でも結構な仕事であると思われ、したがって
泣かずに変革してください。@kentakeuchi2003 これで「女性活用」か。@shiomura 妊娠、出産に関わる不妊など女性の悩みについて質問中に「お前が結婚しろ!」「産めないのか?」など大変に女性として残念なヤジが飛びました。心ない野次の連続に涙目に。悩んでる女性に対し
― 遠藤 典子 Noriko Endo (@ennori) 2014, 6月 19
まあまあ、そこそこ仕事してる・機能しているじゃないですかとは思われる。
ところで、彼女は都議さんだから、基本的には都民から支持の声を調達すべきだ。だから、ツィッターでひろく「ネットの声」を動員するのは邪道ではある。場外乱闘だ。
だから、その点、彼女はルール違反をしたのだ。
が、同様に(本来の理屈なら)”場外乱闘”である不規則発言~野次に対して、別の種類の”場外乱闘”を仕掛けて、そこそこ勝ちの目を取り返した。
彼女の敵対者に”女性の敵”というレッテル付けをすることに成功した。
単に泣きくれている子だとしたらそれまでのことだが、もしさっきまで泣きくれている子だとしても、この勝ちの目を上手く拾うことができれば、それは政治家としては勝ちじゃないかな。
まあやっぱり場外乱闘なんですが。
都議会内部の言論で勝負をつけるべきところ、外部の権力を導入してくるって点で。
でもボクが彼女の立場なら、多少の(この種の)ルール違反は承知の上で、ありとあらゆる手段を使って相手を黙らせにかかるかな。
できるかどうかは彼女自身と、あとは周囲の仲間たちの頑張り次第。
一人の人がスーパーマンである必要は必ずしもない(あと、彼女は一年生議員だ。最初から完璧を求めるのはさすがにかわいそう)。しばしばひとは苦手箇所を持つだろう(度重なる侮辱発言に涙目になる程度にはメンタル弱いとか)。それを相互に補うためにも、会派を組んでいたりするんだろう(美人なネーちゃんを押し立てて、背後で暗躍する係とか用意するくらいはしておくべきだろう)。ここはチーム力の発揮の場じゃなかろうか。
割と勝てそうだけどな。
割と支持を集めることに成功できるっぽいし、あとはそのパワーを適切に当該の領域の権力の回路に接続してあげればよいわけで。
BLOGOS 東京都議会でセクハラ野次に憤怒…そして江戸川区議会改革最下位 上田令子(東京都議会議員江戸川区選出)2014年06月18日 22:4
「…長らく取組んできた動物愛護を中心とし、当選以来この日のために、準備して万難を排して臨んだ今日…。母親ほどは年は離れていないもののまさに母心で見守っていました」
「…セクハラ、パワハラ、アカハラを受けてきたお姐としても、妹のような塩ちゃんが大変傷ついることからも公私にわたって絶対に看過できるものではありません」
「…ひとりぼっちの女性の新人議員が幹部職員に怒鳴られたり、議場でつるしあげくったり、どんだけ悔し涙を流したか数え切れません。後に続く次世代議員には絶対同じ思いをさせまいと今日まで闘ってきました」
そんなわけで、塩村議員は一年生議員さんであり、どこにどんな話を持っていけばどれだけ物が動いていくかとか、どんな手続きをどのように進めればよいかとか、まあまだ学習中のはずである。初めての一般質問だって言ってるし:
「…本日は、みんなの党Tokyoの仲間である塩村あやか都議会議員の記念すべき一般質問デビューでした」
なので、彼女自身がそうそう”できるひと”とも思えない。そこで、母のように姉のように見守っていたらしい、上田議員がいろいろ代りに暗躍してくれるとよいんじゃないかと思う。彼女も都議会一回生のようだが(とりあえず日本語版Wikipedia 上田令子)、同ページによれば区議会議員二期の経験がおありだそうで。
そんなわけで関連話題:
定年後は、気に入った若手研究者に対して、メンタリングとか、外部資金獲得の支援、論文作成のディスカッション、とかのNPOをたちあげようかと思ったりしてます。文科省とか機関にたよらない草の根支援。需要、あるかしらん。@yoshiyuki_seki: @dpyNonunc
― なかのとおる (@handainakano) 2014, 6月 14
超ある。
うちのチームはセカンドオピニオンまで揃ってるけど、たぶん、そういうのが必要なひとはたくさんいると思う。
…「必要」と気付けるかどうかも「センスだよ」といわれるような気もするが。とりあえず、うちの若いののひとりはそのセンスの持ち合わせはあった模様。
なお私もまだ若手のはずである模様。なんでこうなった。
大手新聞社にも捕捉される:
朝日新聞「女性都議へヤジ、抗議1千件 自民、発言者特定せぬ意向」(http://www.asahi.com/articles/ASG6M5HK9G6MUTIL031.html)後藤遼太2014年6月19日21時41分
上掲記事には「涙をぬぐった」などとあり、”オンナノナミダ”で同調者を獲得しようというアレな方向性も見られるが、有効なのは間違いない(cf. 小保方事件)。
”コムスメをちょっくら可愛がってやった程度”で頸を取られたくない、といったところか。
では、このおじ様方に「では教育してやるか」と横合いから反撃を食らわせ、しかるのちしかと騒動をおとしどころに収める絵図面をかけるひとはいるかどうか。
2,3日が勝負どころですか。
機能が相当程度止まるよ。
今こそ危機管理の手腕の発揮どころだ。
このチャンスを誰が活かすかで、いろーいろ今後の流れが決まっていくかも。
「みんなの党の中西健治政調会長は19日の記者会見で…(中略)…都議会議長宛てに抗議文を提出する考えを示した」(引用)
それこそ「みんな」の力の発揮どころだ。
これをタネに、相手の首級をとるもよし、交渉をするなかでパイプを太くするもよし、人権教育をするもよし、そういう権力をふるう余地があるのだと知らしめ、今後の仕事をしやすくするもよし。
「みんな」側はフリーハンドだ…彼らの能力の及ぶ限りで。
さっくり一人を槍玉に挙げてさらし者にすれば、果断な処置だとむしろほめられただろうに
…そうしなかったためにあっちへこっちへ大延焼。
とりあえず、自民側都議さんたちの危機管理意識がなってなかったことがわかったところ。
「みんな」側は、さてどう攻めるのか。
うまい。