空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

エチオピア軍士官,ソマリア暫定政府軍兵士の投降

2008-09-11 21:56:59 | ソマリア関連
 珍しくGarowe Onlineが標記の件について報じるのでそのメモ:7 Somali soldiers, Ethiopian officer defect to insurgency Sep 7, 2008

 モガディシュ発。一群の兵士(エチオピアで訓練されたと語る)とエチオピア軍officerが反乱側に投降したという。イスラム法廷側の報道担当Abdirahim Isse Addowは,このエチオピア軍士官はキリスト教徒ではあるが,これを保護し,イスラムへ改宗するよう導くと語る。

 エチオピア軍士官とされる人物はアムハラ語で語り,エチオピアに残された家族が政権側から危害を加えられないか不安であると述べる。

 捕虜に関してこうした情報を流すのは,あまり褒められた行動ではないとは思いますが,反乱勢力としてはこうして政府側に揺さぶりをかけるのはありえる戦略でしょう。自発性に多少疑問の余地があるとはいえ,自ら離反し立ち位置を替えると宣言する点で,まだしも,と考えられもしましょう。

 …堂々,『15歳から徴兵するから』と宣言するよりはねぇ…(キスマユのアルシャバブ・諸氏族連合政権の話)。しかもこの場合,7名の指導部任命をほぼ独断で決めた事情からして,イスラミスト主導の動きと理解されるわけで…。

 チャイルドソルジャーで思い出したのでここにメモ:
BBC Ban on India child fighters urged 5 September 2008

 まー印度の話ですが。反乱側が子供に,『勿論キミには10年生まで教育を受ける権利がある。君は8年生だ。キミはしかし反乱軍に入らねばならない!』と指導,徴兵。なんとかしてこの子が脱走すると,脱走兵への罰としてこの子の母の腕を折り弟たちを殺してしまったとか。
 他方政府側も,高校中退者を自警団―警察の補助部隊に受け入れ,対反乱勢力の前線に出しているという。

 世界にはまだまだ,そんな悲しい現実があるのだという,そんなお話。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« teiresiasさんがみました | トップ | 最近見た記事メモ:12 Sep 2008 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (teiresias)
2008-09-11 23:31:48
ああ一つ論点があったかな。
正規の訓練を受けた軍人を取り込むことで,反政府勢力の質を高める可能性がでたこと。正規将校獲得というのは大きいかな(いやほら,朝鮮戦争時,韓国側の基幹は旧日本軍士官だったとかなんとか)。

少なくとも敵側(エチオピア軍―暫定政府軍)の内情を知るための重要な情報源ですねー。

ただ,このエチオピア軍士官が自由意志で義勇兵になるんだとしても,その(事実上の)前提がイスラム改宗ってのは,世間的には問題ですわねー。

勿論,ムスリムである事を媒介とした全体的な運動に成長する可能性はあるでしょうけど。
返信する

コメントを投稿

ソマリア関連」カテゴリの最新記事