空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「国策捜査」説がわからない

2009-03-12 16:26:08 | Weblog
 ちょっとよくわからんのだが。最近の民主党小沢党首周辺の献金疑惑捜査だが,"やっぱりアメリカからの指令"だのという話を聞いた。

 先日,米軍の日本周辺の軍事展開は第七艦隊だけでよい,と小沢が放言したというが,話に拠ればクリントン(国務長官)来日時に,クリントンが小沢と会見,その真意を質したのだそうだ。

 それで,やはりアメリカに不利なことを言っていると理解,このまま小沢に政権交替させてはならない,と情勢を判断し,日本政府に小沢周辺を攻めさせ,小沢失脚を図ったという筋書きの様子。

 裏にあるのはユダヤ資本の関わる政治資金の(確保の)せめぎあい,小泉・竹中が(ry,鳩山の筋が(ry

 ということなのだそうですが,とするとあれか,

1.小沢はそうした政界裏事情を知らなかったのか

 自民党の裏の裏で教育を受けた小沢にして知らない裏の裏事情,そこにうっかり踏み込んだ発言をし,クリントンの問い質しにさえ気づかず,発言撤回もせずにいたから小沢は「国策捜査」の犠牲になったのか。いやそれ,無理だろう。
 ましてや小沢にとって見ればお師匠にあたろう,田中角栄さえその陥穽に嵌められたというわけで,小沢が裏のからくりを知らず,気づきもせず,言ったことにされたらマズイ発言をしたりしたことにされたり放置したりしは,しないだろう。

 つまり

2.小沢は裏事情を知りつつ第七艦隊発言他のマズイ発言を行い,敢えて米国の逆鱗に触れ,敢えて現在の政治的危機を自ら呼び込んだ

 ことになる。彼に何の利があるだろう? …私には,小沢が合理的判断をしているとは思えない。
 先日までは小沢・民主党圧倒的有利だったのだ。そこで敢えて政界裏の裏を知り尽くし,米国の機嫌を損ねては国策捜査を自ら呼び込むことになることを熟知しているはずの小沢が,なんで世論的支持率急落の危険を冒してまで(実際下がったようだ)米国=自民党と正面対決を選択し,またなおこの裏事情については小沢だけでなく誰もが口を閉ざしているのか。

 言って悪いことがあるのか? 自主国防路線を公言,米国と袂をわかつと宣言するからには,裏事情など幾ら暴露してもかまわないだろうに? 修好の余地を残すのか? ならば小沢はやっぱり"アメリカ人脈"に属するわけだ。

 自主国防を唱えれば,ネット酷使からの圧倒的支持を得るだろう。
 また,「自主国防」で米国と縁を切るとなれば,当然次なるパートナーとしてはロシアないし中国が浮上する。そちら好みの人々の支持も得られよう。…一国独力でってのは,現実的には不可能だろう。経済ががたがたになるがな…。

 なのに何故,あるはずの裏事情をひた隠しにするのか。裏事情を明かさないから,真実には自分は米国の国内干渉と戦っているのだと宣言しないから,小沢は単なる汚職疑惑の周辺(或いは中心)に居ざるを得ない。

 ということは

2.1. 実は小沢の今のアレは単なるパフォーマンスであって,小沢は真にはアメリカ=自民党政権の利益となるべくピエロを演じているのである

 自分自身の失脚までも可能性の中に織り込んで,現在の世界秩序の維持に,彼は身命を賭しているのである―という場合,

2.1.1 小沢は民主党を裏切っている
 または
2.1.2 民主党自体がアメリカ=自民党政権ひいては現在の世界秩序の維持のために作られた傀儡政党である
 のだろうか。または

2.2. 裏事情をこそっとリークしてはいる

 のかもだが,工作としては甘いよねぇ。効果が計れない。

 どうも―国策捜査論の序の口(民主党・小沢の人気を落すためにタイミングをはかった)はともかく,アメリカの陰謀・ユダヤ資本とまで話が膨らむと,私の頭では理解が及ばないのである。

 私としては
3. 実は小沢は単にうっかりの度が過ぎてしまっただけ
 だと思うんだが。まあ発言の訓練ができてないねというわけでもある。うん。

 こうしたわけで,私としては国際ユダヤ資本が(ryな陰謀論の蓋然性は非常に低いと考えている―ということを表明するからには,陰謀論者の目からは私は国際ユダヤ資本の陰謀を隠蔽すべく日々務める工作員ということになろう。で,工作費用とか報酬とか,いつ払っていただけるんでしょうか。
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