空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

国連報告書発表の後に何が起こるのか―ミャンマー・ラカイン問題

2018-08-28 21:36:15 | ビルマ/ミャンマー
BBC Myanmar Rohingya: What will happen next after damning UN report? 27 August 2018

Jonathan Head: The report is unusually strong; the authors do not mince their words, describing the Myanmar military in the most damning terms.

 そりゃまあ、計画的な民族浄化など展開されたら、遠慮会釈も減るだろうねえ…。…いやまあ、不穏情勢はそれだけに短く済んだといえるのかもしれないけど、『戻って来る気を失わせるような、すぐさま故郷を捨てたくなるような恐怖・暴力を効率的に配置しました』というのは、なんというか、どうやってもプラス評価しかねる…。

 …私は日本軍による南京事件を多少割り引いて考えるが、それ、これが理由だ。占領・統治をあまり考えず・考える余裕をつくらずなだれ込んで、もののついでで虐殺かましてしまったという点、あからさまに計画的なナチスのユダヤ人排除よりはまだ人間的だというので。いや人が死ぬことはかわらないし、犠牲者にしてみればどっちみち死ぬのだが―魔女裁判方式で確実に死ぬユダヤ人収容所より、運がよければ軍人だって逃げ切れる南京占領のほうがマシじゃないかなとか。

Jonathan Head: It's very unlikely Aung Sang Suu Kyi will face prosecution. The report acknowledges that the civilian government has no authority over the military in Myanmar, and that there is no evidence it knew of the military's plans to attack the Rohingya population.

 ということもあり、ノーベル平和賞受賞者が直接ジェノサイドの責任者として処罰されることはまあなさそう―なのはそのとおりだろうが、そもそも…ということもある。

関連:「ノーベル平和賞受賞者がジェノサイドの責任者として批判されるという斜め上状況(2018-08-27)」

It does accuse her of failing to use her moral authority to curb the abuses

 まあ、そのくらいしか出来なかっただろう、ということもあり、そして国内的にはそれもなかなかし兼ねる状況だっただろう、ということもあり。

A first step could be for her to back the investigators' call for the resignation of Commander in Chief Min Aung Hlaing.

 …いやー…どうでしょうねー…。軍としては、末端での不品行は認めるものの、それらは組織的ではない、という立場でしょう。にも拘らず参謀総長の辞任を…というのはどうにも不均衡だ。そんなの要求したりしたら、それこそアウンサンスーチーの政治的生命に関わる。

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