空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

日本所有タンカーが海賊被害:アデン湾,ソマリア沖

2007-10-29 18:32:48 | ソマリア関連
 アデン湾で日本の会社所有のタンカーが海賊に襲撃され,乗っ取られた模様。とりあえず日本語記事を一つ:
中日新聞,日本のタンカー乗っ取り ソマリア沖 2007年10月29日 14時41分

 先週コロモの輸送船が被害に遭い,さらに日本所有タンカー―がソマリア沖で海賊の被害に遭ったということで,現在タンザニアの漁船2隻,台湾漁船1隻を含めて5隻が捕まっている計算(Reuters Somali pirates hijack Japanese ship Mon Oct 29, 2007 3:44am EDT),なんとまぁ,まさしく「海賊跳梁」と呼ぶべき事態です。

 …こんなですから私としては,インド洋での自衛隊の補給活動は支持する方向なのですよねー。所謂対テロ戦争の海上作戦は,それなりに海上の抑止力にはなるはずだ,という意味で。
 実際,米駆逐艦とソマリア海賊は交戦してますしねー(参照:デンマーク船解放さる:ソマリア,海賊問題)。その時は,結局取り逃がしたけど。

 ですからねー,『アフガン復興と関係ない活動』云々で対テロ法を攻撃する向きは,別の方向にも目を向けるべきだと思います(まずは勉強すべきだと思うけど)。その上で,やっぱり出すべきじゃない,と意見をもたれるならそれはそれで構いませんが。

 アフガン起源の麻薬が世間を騒がし,ソマリア沖では海賊が跳梁。こうした活動に対処するには,いくらなんでも一国じゃ無理でしょう(無理に一国でやる力量は,そりゃあの国にはあるでしょうけど,その場合,誰も掣肘できなくなる―『僕のやりたいことを,僕の責任で,僕の予算で,僕の人員で,僕の機材でやってるんですけど何か?』)。

 こうした自由主義システムから恩恵を受けている国々としては,『だって憲法がダメって言ってるから』なんて言って頬かむりは,なかなか難しいんじゃないかと。

 いやつまり,強盗誘拐犯がうろついてる町内で,『だって怖いのがいるのは西側で,うちの家のある東側では見ませんから』って親の会見回り当番から抜けようとする家が,町内からどー思われるかというわけですが(ソマリア海賊地図)。

 で,このたび,お宅のお子さんが危ない目に遭ったわけですが,それでも警察やご町内の皆々様に何もかもお任せですかそうですか。お弁当の差し入れとかジュースを差し入れるとか,まぁなんか出来そうなことあるような気がするんですがああ憲法ですかさっさと変えろそんなもん,

 という話になるんじゃないかなーと思う今日この頃。
 だから国内事情を汲んでもらって,差し入れだけで勘弁してもらってるという超優遇措置貰っててなおごねるのは,うーん,ちょっとなーと思われるんじゃないかなーとねー。

 追加のBBC記事(Japanese ship hijacked in Africa 29 October 2007)。ソマリア沖に展開中の国際部隊が,問題のタンカーがソマリア領海内に引き入れたところを確認した由。海賊が犯罪行為展開中だというのに,他国領海には入り込まないくらいお行儀がよい軍隊だったりするわけです。

 任務とか法律とか権限とか,いろいろ縛りがあるだろうことはわかりますが,もういいから『やっておしまいなさい助さん角さん』と思わないこともない。

 30日追加。ちらりとみた報道によると,暫定政府の許可を取り,アーレイ・バーク(日本語Wikipedia)が領海内に進入,タンカーを追跡中の由。

 感想:
 アメリカさん,同盟国に気を遣ったかな。
 というか,先日の取り逃がしによほど腹立てたということもありますかね。
 目の前であんまり舐めたマネされて,流石に『やっちまえ』モードに入ったのかな。

 しかしまぁ,たかが海賊を追うのにアーレイバークを動員とは,贅沢なものです。いやあるんだから仕方ないけど。というか,これなら沈められたほうも,ヴァルハラで自慢できるというものだろう。行ければの話だけど。もぅ,逃げるだけで涙目という可能性のほうが高いけど。

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