空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ベネズエラ難民危機:トリニダード・トバゴに流出していって

2019-09-16 12:14:18 | Newsメモ
BBC The Displaced: When 40,000 desperate Venezuelans hit a tiny island 16 Sep 2019

Four million people have fled Venezuela, as the country continues to face economic and political crisis.

40,000 have gone to the small Caribbean islands of Trinidad and Tobago, just seven miles off the coast.

But life isn’t easy for those who arrive, and some locals have made it clear they’re not welcome.


 ベネズエラ難民はトリニダード・トバゴに流入。さしあたり4万人ほどと。いやあ、さすがに、5000平方キロていどの小国に4万人も押しかけたら、そりゃあ「…あのな、歓迎はしてないんだからな?」と念押ししたくもなろう。

 なにしろ人口130万人程度である。1/32もの人間が流入してくるのである。「これが最後だ、この4万人が、君の国に責任持ってもらおうという最後だ、今後30年はひとりたりとも依頼しないと誓う!」というなら…がんばって国民的統合に務めるかもしれないが、「大丈夫! もう400万人も流出したからね! 今後アンタんとこに行く人数も知れたもんだよ!」といわれて納得できるもんかねえ。

 …130万人! つまり日本でいえば、小~中規模の県規模。確実に福島より小さい。ということは、難民対応の法制なんてのもなかなか完備なんかできたもんじゃない(つーか未整備のようで)。ともかく登録所を作ろうとしても―そもそも人材が足りないだろう。

 つまりまあ、政令指定都市レベルで増える一方の難民・経済移民を―言葉も違うのに―相手しきれるか、と。
 国際的支援が緊急に必要なのである。

 なおトリニダード・トバゴの漁民が漁に出ると海賊に出くわすのだそうな(11分40秒から)。で、もとベネズエラ漁民が転じた海賊に囚われ、身代金を要求され、あるいはエンジンを奪われるとか。
 つまり、ベネズエラ国内の資源流通が壊滅的になったわけである―以前は海から魚をとって、それを小麦粉などと交換したものが、そのルートも細くなって、ぶっちゃけよそからエンジンを奪って違法移民船を仕立てるネタにしたほうが儲かるということに…なったわけだ。

 もしある地域が難民の面倒をみる力があるとすれば、それはその地域の経済がうまく回っていればこそであり、つまり末端の漁民がベネズエラ海賊によって生活が破綻していくなら、それはトリニダード・トバゴの経済が毛細血管から死んでいくということで、それだけ健全性が失われるわけで…。

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