空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア:国連施設を国軍が襲撃,責任者を拉致

2007-10-17 21:26:56 | ソマリア関連
 国連はソマリアにおける食糧給付の停止を声明。ソマリア暫定政府軍兵士が国連食糧援助事務所を襲撃,責任者を拉致したことに基く:

BBC news, Africa Somali aid stopped after kidnap

 ここ暫く忙しくて,ソマリアニュースは放ってましたがこれは緊急に触れたくもなるニュースです。なにやってるんです暫定政府…。

 WFPが言うには,60名ほどの兵士らが国連施設を襲撃,責任者を拉致。Idris Osman氏の拘束に付いて説明もなし。

 この月曜日,WFPはモガディシュでモスクを通じた食糧給付を始めたのだそうです(対象は75000人ほど),地方政府の同意の下に。
 200万人への食糧給付を行う国連が活動を停止しては,今後が危ぶまれます。

 何がお気に召さなかったものか,とりあえずBBCの在ケニアAdam Mynott氏によれば,ソマリア暫定政府とWFP―ソマリアに展開する国連活動としては最大のもの―とには緊張の歴史があったのだそうです。

 とりあえず,Osman氏は大統領官邸近くの国家安全保障局NSS本部に拘束されている由。「国際法に反している」とWFPは声明で言うようです。責任者が拘束されては活動に不具合が出るのは当然ですし,第一,要員の安全確保はまずもって考慮せねばならないもの。そうしたわけで食糧給付は即時停止。止むを得ませんね。

 火曜には最近最大の戦闘がモガディシュで起こってますし(Shabelle.net Somalia: four people died in a dreadful combat overnight in the capital Mogadishu Mogadishu 17, Oct.07あたりをご参照),モガディシュの生活は大変そうです。


 …誰の命令系統だ…。「大統領官邸」なんてわざわざ言っているところからして,大統領の系統の気はしますけど…。
 というか,今現在,ほとんど全ての閣僚が大統領派のはずですからねー。石油相は首相派のように思いますが,他はどうでしょうね。

 国連の活動の限界といいましょうか,出先の政権のご機嫌次第で(という言い方は不正確で乱暴ですが)食糧援助機関がこんな目に遭うとは。世界の生々しい現実であります。

 そうして割を喰うのは一般市民ですけどね。

 主権国家に,あんまり外から口出しできないお約束(すごい大雑把な表現)はありますけど,民衆を食わせてやれなくて何が内政不干渉だとか時々思わないこともないです。いや,世界経済の割をくってその結果―なんてのは情状酌量の余地はあるでしょうけど,制度的組織的に大抑圧したり大殺戮したりするところについて。

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