「科学研究失速、との記事」の続き。
はてな 現役工学系教授からみた日本の大学の惨状 23 Mar 2017
「そして、意外と大事な要因がモチベーションだ。別に論文が出なくなってもクビになるわけでも給料が減るわけでもなく、他の教授に何か言われることもない」
論文を書いても昇進するわけでもない。
「だけど、今ではその生産性の低い学生(留学生含む)を手厚く面倒みながら、自分は事務書類に追われ、試験監督したり、クラス連絡会とかオリエンテーションとか企画して、引きこもりで出てこない学生の両親に電話相談したり、大学説明会、オープンキャンパス、市民講座とかに駆り出され、はては高校訪問などの営業までやらされているのだから、まあ専門能力の無駄遣いかな、もったいないよねとは思う」
しかしその学生を育てるのは、学校であるからには重要任務なので:
蔑ろにはできないんだが、モチベーションの問題としてはアリ。なんぼ外部研究費を頂いても(所詮文系だから大した額ではないとはいえ)、論文を書いても、共著で同僚の業績を積み増しても、上層部様に「君には期待してませんから」とか言われますとねえ。
それはともかく、その他の雑事というのが非常に多いのも同意。帝大ならどうだろうなあ…と思いつつ、学生が本当に授業に出ているのか教室を巡回してチェックし、不在のようならご連絡を…とかねえ。
ということで、私のいまの職場はまだしも気楽なのだとは思われる点もないではない。。
研究せず、日々の講義をこなしたあとは同僚とおしゃべりして「あー研究費も時間もないし、研究しろって言われてもなー残念だなー」とか言っていられるらしいので(流石にそれはヒラ連中ではあるが)。
たとえば新潟大は大変なようで:
そこで「どうせ専門性も低いし、たかだか作文でお遊びしかしてない」とか思われてるらしい文系がどう思うかだ。うちあたりだと、”互いのリスペクト”なる資源をそもそも割り当てていただけない身分の様子であって、なんというか「理系である」という属性に安住するひとたちはそのまま眠ったままいらっしゃって構わんのですかとか思う今日この頃。
私は死にたくないので業績出す。
業績出したいなら、僕に聞けば? 僕に協力してくれ、とか言えば? アイディアは出してるんだけどな。
…まあ、さすが新潟大の先生クラスなら、ウチみたいなことはないだろうけど。
中略。
所謂L大学として模様替えしろと、いうことなのか。
まあ、こんななか、「如何にカネを儲けるかですよ」と言われた身としては、現行ルール内部でとはいえ、カネは稼げるようになっておいたわけでもあり。
要は、「カネがもうかる分野に所属している、カネをもうけられない人」と、「カネがもうからない分野に所属している、カネをもうけている人」と、どっちに生存可能性があるかなーと。分野はいまさら(ろくろく)変えられないので、カネもうけできるスキルは持っておく、くらいしか対策ないなーという作戦である。
そうなのである:「人文学研究でも最低文献購入費と旅費は必須」。私が、この研究者番号がついてくる職を捨てないのは、これがないと研究費の応募に非常な難がでるからなのだ。
ブラック企業を辞めて「ホワイト企業に転職したかすみ」まとめ 「定時に帰っていいんだ!」「有休も取っていいの?」 2017年02月27日 更新
「昨年10月から今年2月にかけて相次いでツイッターに投稿された、結城鹿介さん(@shikanos)作の一コママンガ「ホワイト企業に転職したかすみ」シリーズ」
あるあるすぎる。
講義をしていて席を外しているだけなのに、「お前に連絡がつかなかった(何をしていたんだ)」と数日後に別件で嫌味を言われるとか。一ヵ月半前に上層部からでてきた指示を下々に回すのを忘れていた上司から「ということでこの書類、締め切り明日までですので報告宜しく」と日曜深夜に指示が下されるとか。
土日については、完全週休二日制の建前だから出勤表は休みになってる。が、それでもなお学生の教育のためとかの理由で出てくる者はいるわけで、そういう人は賞賛されるんだ。なお僕が部活に付き合っていたりしてもしていない扱いになる。もちろん授業研究とかやるのはよいことなので、やればやったで評価されるらしい。なお公開授業とか。僕がやってもやっていない扱いになる。以下略。
そんなこんなで、なんでこんな風になるかという理由は1) 私が絶望的な無能である、2) 私が非常な非社会的・非社交的人物である、とかいう可能性が考えられよう。3) 私が人格障害等、精神異常ステータス持ちである(そのため人と話せない)という可能性もある。
…うんまあ、こうしたことについては自由な解釈に開かれていると思うので、内心で思う分についてはそれでいいんじゃないだろうか。内心で思う分については。
…僕が忙しそうにしていると、「なんで忙しいんです?」「研究すること、あるんですか?」なんて言われたことがあり…。
うん、仕事したらどうかなあ、って思いますね。
はてな 現役工学系教授からみた日本の大学の惨状 23 Mar 2017
「そして、意外と大事な要因がモチベーションだ。別に論文が出なくなってもクビになるわけでも給料が減るわけでもなく、他の教授に何か言われることもない」
論文を書いても昇進するわけでもない。
「だけど、今ではその生産性の低い学生(留学生含む)を手厚く面倒みながら、自分は事務書類に追われ、試験監督したり、クラス連絡会とかオリエンテーションとか企画して、引きこもりで出てこない学生の両親に電話相談したり、大学説明会、オープンキャンパス、市民講座とかに駆り出され、はては高校訪問などの営業までやらされているのだから、まあ専門能力の無駄遣いかな、もったいないよねとは思う」
しかしその学生を育てるのは、学校であるからには重要任務なので:
おっしゃる通りだし、相当前から日程が決まっているものなのでそれで研究に影響が出るとか騒がれてもねえ……と。 https://t.co/QeFXgdWcfp
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年3月24日
蔑ろにはできないんだが、モチベーションの問題としてはアリ。なんぼ外部研究費を頂いても(所詮文系だから大した額ではないとはいえ)、論文を書いても、共著で同僚の業績を積み増しても、上層部様に「君には期待してませんから」とか言われますとねえ。
それはともかく、その他の雑事というのが非常に多いのも同意。帝大ならどうだろうなあ…と思いつつ、学生が本当に授業に出ているのか教室を巡回してチェックし、不在のようならご連絡を…とかねえ。
そしてこれは私に限ったことではなく、少なからぬ同僚の教員の人たちがそうした状態にある(ように私にはみえる)。 https://t.co/CJtdGQA5GN
— 立花幸司 Koji Tachibana (@tachibanakoji) 2017年2月8日
ということで、私のいまの職場はまだしも気楽なのだとは思われる点もないではない。。
研究せず、日々の講義をこなしたあとは同僚とおしゃべりして「あー研究費も時間もないし、研究しろって言われてもなー残念だなー」とか言っていられるらしいので(流石にそれはヒラ連中ではあるが)。
たとえば新潟大は大変なようで:
このままいくと、5年後には学科がまるまるひとつなくなる。しかもどこを減らすか決めるのは理論上は学系だが、実際に首を切る相手を決めるのは学部の「自主」。ある先生は「互いにプロで、リスペクトしあっている仲間。上は手を汚さないで仲間同士に闘わせるのですか」と怨嗟の声をひな壇にぶつけた。
— Hemmi Tatsuo (@camomille0206) 2017年2月9日
そこで「どうせ専門性も低いし、たかだか作文でお遊びしかしてない」とか思われてるらしい文系がどう思うかだ。うちあたりだと、”互いのリスペクト”なる資源をそもそも割り当てていただけない身分の様子であって、なんというか「理系である」という属性に安住するひとたちはそのまま眠ったままいらっしゃって構わんのですかとか思う今日この頃。
私は死にたくないので業績出す。
業績出したいなら、僕に聞けば? 僕に協力してくれ、とか言えば? アイディアは出してるんだけどな。
…まあ、さすが新潟大の先生クラスなら、ウチみたいなことはないだろうけど。
>6RTs 新潟は日本海側で人口が最大の都市であり、新潟大学は名門校なのに、どうしてこんなことが起きるのか不思議で仕方がない。平たく言えばカネがないの一言に尽きるのだろうが、5年後には学科を1つ潰さなければならないというのは尋常なことじゃない。
— intolerance (@Royal_Wedding) 2017年2月9日
続
中略。
現時点で見通せるのは、早晩新潟大学が総合大学としての存立基盤を失うということ。どう考えても地方活性化という政権の政策に反している。…まあ、政策の一貫性、相互の無矛盾ということには意を払わない政権だから仕方がない。打てる手が全く思いつかない。申し訳ない。どっとはらい。
— intolerance (@Royal_Wedding) 2017年2月9日
終
所謂L大学として模様替えしろと、いうことなのか。
まあ、こんななか、「如何にカネを儲けるかですよ」と言われた身としては、現行ルール内部でとはいえ、カネは稼げるようになっておいたわけでもあり。
要は、「カネがもうかる分野に所属している、カネをもうけられない人」と、「カネがもうからない分野に所属している、カネをもうけている人」と、どっちに生存可能性があるかなーと。分野はいまさら(ろくろく)変えられないので、カネもうけできるスキルは持っておく、くらいしか対策ないなーという作戦である。
とてもおもしろい。人文学研究でも最低文献購入費と旅費は必須、という指摘は重要で、ここで都会-地方の格差が出ると思う。
— キリュー (@quiriu_pino) 2017年3月13日
【第1編:博士課程に進めなかった”哲学”研究者。「森鴎外」「西周」の故郷・津和野へ行く【『地方』×『研究者』】 https://t.co/aznbEGvf6s】
そうなのである:「人文学研究でも最低文献購入費と旅費は必須」。私が、この研究者番号がついてくる職を捨てないのは、これがないと研究費の応募に非常な難がでるからなのだ。
ブラック企業を辞めて「ホワイト企業に転職したかすみ」まとめ 「定時に帰っていいんだ!」「有休も取っていいの?」 2017年02月27日 更新
「昨年10月から今年2月にかけて相次いでツイッターに投稿された、結城鹿介さん(@shikanos)作の一コママンガ「ホワイト企業に転職したかすみ」シリーズ」
あるあるすぎる。
講義をしていて席を外しているだけなのに、「お前に連絡がつかなかった(何をしていたんだ)」と数日後に別件で嫌味を言われるとか。一ヵ月半前に上層部からでてきた指示を下々に回すのを忘れていた上司から「ということでこの書類、締め切り明日までですので報告宜しく」と日曜深夜に指示が下されるとか。
土日については、完全週休二日制の建前だから出勤表は休みになってる。が、それでもなお学生の教育のためとかの理由で出てくる者はいるわけで、そういう人は賞賛されるんだ。なお僕が部活に付き合っていたりしてもしていない扱いになる。もちろん授業研究とかやるのはよいことなので、やればやったで評価されるらしい。なお公開授業とか。僕がやってもやっていない扱いになる。以下略。
そんなこんなで、なんでこんな風になるかという理由は1) 私が絶望的な無能である、2) 私が非常な非社会的・非社交的人物である、とかいう可能性が考えられよう。3) 私が人格障害等、精神異常ステータス持ちである(そのため人と話せない)という可能性もある。
…うんまあ、こうしたことについては自由な解釈に開かれていると思うので、内心で思う分についてはそれでいいんじゃないだろうか。内心で思う分については。
…僕が忙しそうにしていると、「なんで忙しいんです?」「研究すること、あるんですか?」なんて言われたことがあり…。
人の仕事を増やすことで、仕事をした気になられては困るんだよなあ。
— Masahiro Yamada (@myamadakg) 2017年3月3日
うん、仕事したらどうかなあ、って思いますね。
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