はい,最近の記事でソマリア反政府派に対する嫌味口を書きましたが,その根拠となる記事です。
Garowe Online Somalia: Call to attack Uganda peacekeepers divides insurgency Nov 28, 2007 - 9:05:09 PM
モガディシュ,ソマリア発,11月28日の記事,ソースはガローウェ・オンライン。エチオピア及びその支持を受けるソマリア暫定政府に対抗する反乱組織内部に亀裂が起こりつつある。
11月初頭,多くの攻撃の実行者たるアル・シャバブの指導者,Adan Hashi Ayroは指揮下の戦士らに,モガディシュに派遣されたアフリカ連合の兵をも攻撃対象とするよう言った。
その呼びかけの結果は,二日後のAU軍バラックへの迫撃砲攻撃に帰結した。この際,攻撃者のうち一名がウガンダ兵に殺害された。
Ayroの,対平和維持軍攻撃の呼びかけは,しかしアル・シャバブ指導部内に深い亀裂を呼び込んだと,VOAのレポートは言う。
信頼すべき情報源へのインタビューで,ガローウェ・オンラインはアル・シャバブと氏族民兵―モガディシュで支配的なハウィエ氏族の―との間に亀裂があるという示唆を得た。
ハウィエ氏族はダロッド氏族主導の国民政府に強く反発するが,これはエチオピアの支持を受ける。彼らは,エチオピア軍を,ソマリア人民―特にモガディシュの―に対する戦争犯罪者,侵略者と見做す。
ハウィエとダロッドはソマリアの二大氏族であって,1980年代以来政治的軍事的に衝突しており,これは1991年の中央政府瓦解に繋がった。
他方アル・シャバブは,これは先年打破されたイスラム法廷連合の武装部門と見做されるのだが,イスラム思想を押し出し,全ての外国軍に反対し,これには国際的平和維持軍をも含む。またソマリア全土に亙るイスラム国家成立を目指す。
―以上,適宜補いしつつ,ざっと訳しました。訳し落としがあっても怒らず指摘してくださると嬉しい。
つまりですね。反政府派にとって,エチオピアは共通の敵なんです。ですけど,アル・シャバブは,「ウガンダ人も殺せ!」と主張する。ハウィエは,そこまではちょっと…という意見の様子。
ハウィエはダロッド優勢の現暫定政府がお嫌い。その点,アル・シャバブも同様なんですが,しかしだからといってアル・シャバブの考えるような大ソマリア・イスラム共和国まで,即座に要求しようとは思わない,のでしょう。
だってそれだとオガデンを要求せざるを得ないわけで。
エチオピアと全面対立ですよねそれ。
大なる損害を被って回収したとして,そのオガデンに主に住むのはダロッドだったりするのですねこれがまた(☆1)。
暫定政府と,それを支持する限りのエチオピア軍を敵とする間はよかった。ハウィエもソマリア・イスラム勢力も共同できた。
ですけど,その先の夢のため,アル・シャバブが実行を一歩進めたところ,相互の見解の違いが鮮やかに現れてしまった。
しかもAU軍を敵とする,ということは,形としては全アフリカを敵に回すことになりもする。
対ウガンダ軍攻撃指令は,現在までのアル・シャバブの,最大の過失と私には見えます。
☆1:つまり,ダロッド主導のソマリア暫定政府は,エチオピアのオガデンにおける「対テロリスト作戦」を認める,或いは認めざるを得ない状況ってことですわね。その暫定政府から脱した人の中には,寧ろアイディードのように,ハウィエの人が居たりする―。
深入りするともう,何がなんだか判りませんよ。
Garowe Online Somalia: Call to attack Uganda peacekeepers divides insurgency Nov 28, 2007 - 9:05:09 PM
モガディシュ,ソマリア発,11月28日の記事,ソースはガローウェ・オンライン。エチオピア及びその支持を受けるソマリア暫定政府に対抗する反乱組織内部に亀裂が起こりつつある。
11月初頭,多くの攻撃の実行者たるアル・シャバブの指導者,Adan Hashi Ayroは指揮下の戦士らに,モガディシュに派遣されたアフリカ連合の兵をも攻撃対象とするよう言った。
その呼びかけの結果は,二日後のAU軍バラックへの迫撃砲攻撃に帰結した。この際,攻撃者のうち一名がウガンダ兵に殺害された。
Ayroの,対平和維持軍攻撃の呼びかけは,しかしアル・シャバブ指導部内に深い亀裂を呼び込んだと,VOAのレポートは言う。
信頼すべき情報源へのインタビューで,ガローウェ・オンラインはアル・シャバブと氏族民兵―モガディシュで支配的なハウィエ氏族の―との間に亀裂があるという示唆を得た。
ハウィエ氏族はダロッド氏族主導の国民政府に強く反発するが,これはエチオピアの支持を受ける。彼らは,エチオピア軍を,ソマリア人民―特にモガディシュの―に対する戦争犯罪者,侵略者と見做す。
ハウィエとダロッドはソマリアの二大氏族であって,1980年代以来政治的軍事的に衝突しており,これは1991年の中央政府瓦解に繋がった。
他方アル・シャバブは,これは先年打破されたイスラム法廷連合の武装部門と見做されるのだが,イスラム思想を押し出し,全ての外国軍に反対し,これには国際的平和維持軍をも含む。またソマリア全土に亙るイスラム国家成立を目指す。
―以上,適宜補いしつつ,ざっと訳しました。訳し落としがあっても怒らず指摘してくださると嬉しい。
つまりですね。反政府派にとって,エチオピアは共通の敵なんです。ですけど,アル・シャバブは,「ウガンダ人も殺せ!」と主張する。ハウィエは,そこまではちょっと…という意見の様子。
ハウィエはダロッド優勢の現暫定政府がお嫌い。その点,アル・シャバブも同様なんですが,しかしだからといってアル・シャバブの考えるような大ソマリア・イスラム共和国まで,即座に要求しようとは思わない,のでしょう。
だってそれだとオガデンを要求せざるを得ないわけで。
エチオピアと全面対立ですよねそれ。
大なる損害を被って回収したとして,そのオガデンに主に住むのはダロッドだったりするのですねこれがまた(☆1)。
暫定政府と,それを支持する限りのエチオピア軍を敵とする間はよかった。ハウィエもソマリア・イスラム勢力も共同できた。
ですけど,その先の夢のため,アル・シャバブが実行を一歩進めたところ,相互の見解の違いが鮮やかに現れてしまった。
しかもAU軍を敵とする,ということは,形としては全アフリカを敵に回すことになりもする。
対ウガンダ軍攻撃指令は,現在までのアル・シャバブの,最大の過失と私には見えます。
☆1:つまり,ダロッド主導のソマリア暫定政府は,エチオピアのオガデンにおける「対テロリスト作戦」を認める,或いは認めざるを得ない状況ってことですわね。その暫定政府から脱した人の中には,寧ろアイディードのように,ハウィエの人が居たりする―。
深入りするともう,何がなんだか判りませんよ。
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