空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「市民的立場からの発言」についてとか

2011-06-17 18:00:00 | Weblog
@Tanigaki_S 谷垣禎一  多くの皆さんから温かい弔意をいただき心から御礼申し上げます。亡くしますと女房が如何に大切だったかよくわかります。皆さんもくれぐれもご家族の方を大切になさってください。今日から復帰しました。気合いを入れて全力で頑張ります。 6月16日

 ふとお店で生牡蠣(殻付き)を発見,購入して家に走り,ちょっと良い目のお酒とともに母に食べさせるくらいには家族を大事にしてみました。普段の生活はダメだ。私の周囲はつぎつぎ離婚してるしなあ。私もなあ。

@nobuko_kosuge 小菅信子 N. M. Kosuge  子供の鼻血がまた話題になっているんですけど、前にもツイートしましたが、心配なら、まず、医者に連れていってあげて。リンパ腺の腫れ具合は、素人にはわかりにくいです。手足に覚えのないアザができていないかなど、他の症状にも注意して。ほんとに危険な病気だと、子供は進行が早いので要注意です。 6月16日

 あの種の人々は,ある種「厨二病」なのではと思う。
 自分(たち)がなにもしていなくとも,世界の運命の方が自分(たち)を選び,そして物語の主人公になるっていう,そういう運命を自らに見ているのだろうと思う。
 この場合なら,

『政府・東電の虚偽説明により我々日本国民は高濃度の放射能汚染にさらされたままである! いや,よし彼らの数字の説明にさほどの虚偽がなくとも,低度の被曝でも十二分に危険なのである! 我らは注意深い視線で以てその事実,真実を見い出し,見据えている―そして立ち上がるのだ,巨悪に対して……!』

 …って感じに。

 運命に選ばれた戦士,世界の巨悪にひょんなことで気づいて立ちあがらざるを得なくなったいち民間人。アニメでおなじみな設定ですが,アニオタの立場から言わせてもらえば,それ妄想ですから。フィクションですから。ちゃんと現実を見据えてください。
 あとあなたの直観はシャアやアムロみたく「…上かっ!」「…そこだ!」「…刻が―見える…」とかなるとは限りませんから。

 ところで私も幼少時にはやたら鼻血を出す子でしたが,それはきっと原発か大気圏内核実験かのほーしゃのーのほっとすぽっと的なアレでアレになったせいなので謝罪と賠償を要求するー(嘘
 つーかあの幼少時にそれなら,そろそろ癌で死にそうですが,今そうなってもその原因は寧ろ生活習慣にあるよなあ。

Togetter 菊池誠(kikumaco)さんが「低線量の内部被曝で鼻血・下痢」というデマについて解説

 …うん。放射線のせいで鼻血だの出てるってなら,常識的にそれ超アレな状況に置かれたせいで。だから,そこらの小学校で連発するようなら,それって福島原発がチェルノブイリの数千倍(以上)レベルで大放出したためとしか考えられない(※『汚染範囲を二倍にするには放出量二倍で済むんじゃね?』とか思ってしまえた人は面積だとか体積だとかそーゆー言葉を思い出すこと)。うん,それムリ。

Togetter 放射線被曝症状のデマを拡散するジャーナリストに対する一医師の意見

 基本同意。アレなジャーナリズムによるアレな報道は大変困ったもの。

今回のデマの件にもつながるが、専門知識のないジャーナリストが勝手に症状を聴取して、勝手に「低線量被曝だ」と「診断」したことが大きな問題。診断は本来は医師の業務であり、専門知識を有する者が行うべき。このことについて私は「越権行為だ」との意見を述べた。

勝手な診断は何が問題か。「低線量被曝だ」と勝手に診断されてしまうことで、他の病気の可能性を狭めてしまう。もし本当は生命を脅かす重大な病気であったとしたなら、適切なタイミングで医療を受ける機会を奪うことになり、助かるはずだった命すら奪いかねない。

 今回の件については,全くこのお医者さんの言うとおりだと思う。
 但し,原理的な見地からは,反論の余地もある。そして,その反論は『非専門家からの告発』が価値を持ち得ること,非専門家にも発言権があることを支持することだろう。

 つまりこうだ,目の前で『明かに**の影響で**が起きた』と分かる場合,専門家でないと一切発言権がないとなると,問題摘出が遅くなる(ないし不可能になる)。敢えての発言が要求される所以である。

 例えば,今現に『明かに原発から漏洩した放射線の影響で様々なことが起こっている』としよう,えーと例えば福島の新生児の5割が先天的疾患持ちとか奇形とかで生まれてきてるとか福島県人がつぎつぎ謎の出血をしていて,それは移住者もそうなのだとかあるんだとしよう。例えば鹿児島で長崎で山口である日突然7穴から出血するような奇病が大発生し,それらがすべて・例外なく福島からの転出者なのだとしよう。これなら常識的に明らかに原発のせいだろう。それでもなお専門家にしか発言権がないとしたらどうだろう―(政府の選定した)専門家は「関係性は立証されていない」としか言わないとしよう,そうしたら?! (って自分で書いててもものすげえ設定だな。)

 ―そこに市民的発言,「常識的」見地からの告発が必要なのである,というのが,原理的な見地からの反論であるな。

 この功罪については『沈黙の春』の功罪を考えれば,まあざっとしたことは分かる。
 あの本を読んだ(そして恐らくは短絡した)人々はDDTを使用不可とした。DDTが本当に諸悪の根源であったかどうかは,さしあたりともかく置くとして,しかし結果としてより安全性の高い農薬が開発されていったわけだ。これが『沈黙の春』の功として数えることのできる,そのひとつ。
 罪としては,なんかDDTは割と「白」っぽいらしく,アレが使えなくなったせいで第三世界諸国での蚊の防除(マラリアなんかの予防)に大変な困難ができてしまったと。

 ―そう数えると,『沈黙の春』がはたして「よい」本だったかどうか,判断に迷うのである。

 ―私の判断を問われるなら,「DDTが使えていたなら失われずに済んだはずの命」の存在を意識したうえで,なお,『沈黙の春』は歴史的な任務を果たしたと言っておきたい。問題点について警鐘をならしたということで,だ。

 だから,そうした歴史的任務を意識するのであれば,ジャーナリストは専門家の壁をも恐れず発言しなければならない。勿論そのような彼らは,レ イ チ ェ ル ・ カ ー ソ ン 程 度 に は 調 査 研 究 検 討 し 終 え て い る の だ か ら,専門家はむしろ真摯に彼らの声に耳を傾けるべきなのである。

 で,調査研究怠りないジャーナリストさんはどちらに?

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