関連:「社会学者候補生のアレ発言:まずはCiniiとKAKENだ(2018-11-19)」
学者相手であればですな
「「で、最近はなにをおやりですか?」
「最近のご論文は?」」
というのが挨拶でしょうな。尤も,もはや文筆家としてそこそこ食っていけるコースに入ったもののようで,まあつまり学者扱いをもはや要しないのですよ,このひと。
関連:「誰か止めてあげて:社会学者候補生のアレ発言(2018-11-19)」
結論的には,「新しい倫理規則」によって過去の行状を裁きまくるというルールの下でなら日本が韓国に勝てるはずがない,といったところか。まあそれはそれで理屈はたつが,同様に韓国はベトナムに絶対勝てないことにもなるが,そこを逃げちゃダメよね,韓国は。いえまあ,さしあたり日本政府をしばく作文を書けば商売になるひとにその論点の追究を直接求めはしませんが。
それやって激怒されて(結局)つぶされた国がありましてね,ビルマ・コンバウン朝ですが。
Yahoo!News 日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる 2019 8/17(土) 7:49 古谷有希子
「8月15日は日本では終戦忌念日として認識されているが、韓国では光復節、つまり独立記念日である」とまあ,しょっぱなから「終戦忌念日」というかなり特殊な用語法を使用するあたり,既にこの段階で「お察しください」といったところ。
つらつら述べるが「端的に言って、韓国の人々にとって、民主化前と後では国家自体が全く異なる存在なのである」ともってくる。うんまあ韓国の人々にとってはそんな革命的な出来事だったでしょうけど,他の国にもそう認知されているかどうかは別問題である。たとえばミャンマーは,民主選挙以来,国際的な取り扱いが変わりましたけど―けれど法的に別の国になったということはないですし,そして最近はアウンサンスーチー(ラスボス形態)のもと,もとの権威主義的・独裁的な傾向を強めてもいますわね。
「それは多くの日本人が、大日本帝国と戦後の日本を全く異なる存在として認識している感覚とも似ている。あるいは、徳川幕府下の日本と明治以降の日本くらい違うと言ってもいいかもしれない」
政権担当者が,革命によってがらっとかわりましたな,明治維新。
「このことを理解していれば、なぜ現在の韓国政府が日韓基本条約締結以降、日韓政府の間の共通認識となってきた請求権協定に対して、それを覆すような態度を取るようになったのかも理解しやすい」
うん,譬え話としてはたいへん分りやすい。だからこそ,(雑にいえば)なにもかも,思いつくままに変更しようという態度を丸出しにしているわけでもある。
「喩えるなら、日米修好通商条約が現在のアメリカと日本の間では全く無効であるのと似たようなものである」
うん,譬え話としてはまあよい。中学校2年生相当の歴史の知識で反駁される内容だが,まあたとえ話なのだ。たとえ話であるが故の限界は一応認めておこう。しかし
「国民によって選ばれ、国民を代表する政府が取り交わした条約でないものが、現在の民主国家としての韓国の人々にとって受け入れられないのも、感情としては当然といえるだろう」
残念ながら,そーゆー感情だけで動く世界ではないんですわ,というのが,少なくともこれまでの常識である。
基本的には世界の国々は,そーゆー条約だの借款だの,革命前の政権から引き継ぐんですわ。あえて引き継がない選択をする場合には―秘密条約を暴露するとか―,大変な余波を覚悟する必要があります。ふつー世界史で学ばんか,これ。
「そして、民主主義国家である以上、社会・市民の変化が司法・行政・立法府に反映されるのも当然である。
民主化運動を経て、民主主義に基づいた市民社会への歩みを進めたことで、歴史問題に対して歴史修正主義的態度を改めてこなかった日本に具体的な変化を求めるようになった結果、日本側から見れば「対日関係を悪化させる態度」を取るようになったのである」
そして世界的なポリティカル・コレクトネスの流れにもそって,現代的水準による裁きのやり直しをもとめていくという。だから旧来の世界観と当然,衝突を起こすし,当然,勝利すべきは倫理的に正しく民主的に正しい側なのだ!という理屈だというのは私も理解する。
「それまでも歴史問題で軋轢のあった日韓両国だが、それが両国関係に深刻な影響を与えるようになったのは2000年代に入ってからである。
具体的には、韓国政府が個人請求権は消滅していないとの認識を示すようになったのが、2005年の廬武鉉政権下であった。
韓国の態度の変化には、前述した韓国社会の民主化のほかに、1)日本の重要性の低下、2)日本の政府要人の度重なる歴史修正主義的発言・態度、という二つの側面が影響している」
ここで1)の論点を出すのはマズイ。それで済むなら,「韓国が弱体だったときに日本に強要された条約」が正義に反するのと同様,「日本が弱体になったから要求する」というのも正義に反する。「よわっちいやつにはなにやってもいい,というのはダメだ!」と主張するいっぽうで,「おまえ(日本),よわっちくなったから,正義のこぶしでぶんなぐってやるわ」というのを,どうやって正当化するのか。
でまあ,その正義を保証するのは,どうも「人権」なのである。
文在寅について「人権派弁護士、市民運動家というバックグラウンドを持ち、それを前面に押し出してリベラル・左派大統領として選ばれた以上、人権問題としての従軍慰安婦問題や徴用工問題において「正しい発言」「正しい態度」を取らないわけにはいかない」とかいてある。李明博や朴槿恵のような(不正行為にまみれた―と評価する)保守・右派政治家と異なる,「ただしい」政治家として位置付けてある。
正義,勝つべし!という世界観を堂々と表している。その基礎的評価軸は「人権派」であるところにある。
「しかも、三権分立の制度下において、司法の決定を行政が覆すことは不可能である。
司法が個人請求権を認めた以上、政府はその決定に従うほかない」
とまあ,韓国の国内事情に外国政府が従うべきだという理屈を,世界に共通の人権概念,で架橋する…のだろう。好意的に解釈すれば,おそらくそうなる。そしておそらく,韓国政府の期待するところも類似の線におさまるだろう。
「時代は移り、世界の中での韓国の地位が上がる一方で日本の地位が下がり、両国は対等に向き合うべき相手となった」
なので「保護はやめますよ?」というのが昨今の政府レベルの方針のご様子。
「韓国側に何も問題が無いとは言わないが、国民をスカッとさせるのが外交政策としてまかり通るなら、それは民族主義に踊らされたポピュリズムにすぎない」
…ここらへんはねえ…「国民をスカッとさせるのが外交政策としてまかり通るなら」という条件節が,いったいどこの国のどの政策にあてはまるのか,という観察・評価をすべきところよねえ。
ということで、この学者希望者については
ということでよろしいかと。
なお、地味にこういうこともあるようで
まー、いろいろ腹に据えかねたのだろうなあと。
…もはや一般にかなーり行き渡ってしまった感のある方向性であって、「ねじをまきもどす」のは大変ですよ、これ…。私は国際協調派なので、融和を価値高いものと扱いますが、この立場からも昨今の韓国政府は低評価ですからねー…。
学者相手であればですな
「「で、最近はなにをおやりですか?」
「最近のご論文は?」」
というのが挨拶でしょうな。尤も,もはや文筆家としてそこそこ食っていけるコースに入ったもののようで,まあつまり学者扱いをもはや要しないのですよ,このひと。
関連:「誰か止めてあげて:社会学者候補生のアレ発言(2018-11-19)」
日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる(古谷有希子) - Y!ニュース https://t.co/pPjl2eRAPb?????????(;´д`) pic.twitter.com/u7sE77y2Pk
— トイレスタンプ香りジェル (@Conscript1942) 2019年8月19日
結論的には,「新しい倫理規則」によって過去の行状を裁きまくるというルールの下でなら日本が韓国に勝てるはずがない,といったところか。まあそれはそれで理屈はたつが,同様に韓国はベトナムに絶対勝てないことにもなるが,そこを逃げちゃダメよね,韓国は。いえまあ,さしあたり日本政府をしばく作文を書けば商売になるひとにその論点の追究を直接求めはしませんが。
https://t.co/SIsWPaNxEiいやほんとにこれ驚天動地の文章で、韓国を擁護する中で「体制が変われば外交条約無効は当たり前」という例で日米修好通商条約を挙げているのですけど、日本でインテリでございますと大手を振っている「社会学者」の知識って中学受験してる小学五年生未満なんだよな。
— トイレスタンプ香りジェル (@Conscript1942) 2019年8月21日
それやって激怒されて(結局)つぶされた国がありましてね,ビルマ・コンバウン朝ですが。
Yahoo!News 日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる 2019 8/17(土) 7:49 古谷有希子
「8月15日は日本では終戦忌念日として認識されているが、韓国では光復節、つまり独立記念日である」とまあ,しょっぱなから「終戦忌念日」というかなり特殊な用語法を使用するあたり,既にこの段階で「お察しください」といったところ。
つらつら述べるが「端的に言って、韓国の人々にとって、民主化前と後では国家自体が全く異なる存在なのである」ともってくる。うんまあ韓国の人々にとってはそんな革命的な出来事だったでしょうけど,他の国にもそう認知されているかどうかは別問題である。たとえばミャンマーは,民主選挙以来,国際的な取り扱いが変わりましたけど―けれど法的に別の国になったということはないですし,そして最近はアウンサンスーチー(ラスボス形態)のもと,もとの権威主義的・独裁的な傾向を強めてもいますわね。
「それは多くの日本人が、大日本帝国と戦後の日本を全く異なる存在として認識している感覚とも似ている。あるいは、徳川幕府下の日本と明治以降の日本くらい違うと言ってもいいかもしれない」
政権担当者が,革命によってがらっとかわりましたな,明治維新。
「このことを理解していれば、なぜ現在の韓国政府が日韓基本条約締結以降、日韓政府の間の共通認識となってきた請求権協定に対して、それを覆すような態度を取るようになったのかも理解しやすい」
うん,譬え話としてはたいへん分りやすい。だからこそ,(雑にいえば)なにもかも,思いつくままに変更しようという態度を丸出しにしているわけでもある。
「喩えるなら、日米修好通商条約が現在のアメリカと日本の間では全く無効であるのと似たようなものである」
うん,譬え話としてはまあよい。中学校2年生相当の歴史の知識で反駁される内容だが,まあたとえ話なのだ。たとえ話であるが故の限界は一応認めておこう。しかし
「国民によって選ばれ、国民を代表する政府が取り交わした条約でないものが、現在の民主国家としての韓国の人々にとって受け入れられないのも、感情としては当然といえるだろう」
残念ながら,そーゆー感情だけで動く世界ではないんですわ,というのが,少なくともこれまでの常識である。
基本的には世界の国々は,そーゆー条約だの借款だの,革命前の政権から引き継ぐんですわ。あえて引き継がない選択をする場合には―秘密条約を暴露するとか―,大変な余波を覚悟する必要があります。ふつー世界史で学ばんか,これ。
「そして、民主主義国家である以上、社会・市民の変化が司法・行政・立法府に反映されるのも当然である。
民主化運動を経て、民主主義に基づいた市民社会への歩みを進めたことで、歴史問題に対して歴史修正主義的態度を改めてこなかった日本に具体的な変化を求めるようになった結果、日本側から見れば「対日関係を悪化させる態度」を取るようになったのである」
そして世界的なポリティカル・コレクトネスの流れにもそって,現代的水準による裁きのやり直しをもとめていくという。だから旧来の世界観と当然,衝突を起こすし,当然,勝利すべきは倫理的に正しく民主的に正しい側なのだ!という理屈だというのは私も理解する。
「それまでも歴史問題で軋轢のあった日韓両国だが、それが両国関係に深刻な影響を与えるようになったのは2000年代に入ってからである。
具体的には、韓国政府が個人請求権は消滅していないとの認識を示すようになったのが、2005年の廬武鉉政権下であった。
韓国の態度の変化には、前述した韓国社会の民主化のほかに、1)日本の重要性の低下、2)日本の政府要人の度重なる歴史修正主義的発言・態度、という二つの側面が影響している」
ここで1)の論点を出すのはマズイ。それで済むなら,「韓国が弱体だったときに日本に強要された条約」が正義に反するのと同様,「日本が弱体になったから要求する」というのも正義に反する。「よわっちいやつにはなにやってもいい,というのはダメだ!」と主張するいっぽうで,「おまえ(日本),よわっちくなったから,正義のこぶしでぶんなぐってやるわ」というのを,どうやって正当化するのか。
でまあ,その正義を保証するのは,どうも「人権」なのである。
文在寅について「人権派弁護士、市民運動家というバックグラウンドを持ち、それを前面に押し出してリベラル・左派大統領として選ばれた以上、人権問題としての従軍慰安婦問題や徴用工問題において「正しい発言」「正しい態度」を取らないわけにはいかない」とかいてある。李明博や朴槿恵のような(不正行為にまみれた―と評価する)保守・右派政治家と異なる,「ただしい」政治家として位置付けてある。
正義,勝つべし!という世界観を堂々と表している。その基礎的評価軸は「人権派」であるところにある。
「しかも、三権分立の制度下において、司法の決定を行政が覆すことは不可能である。
司法が個人請求権を認めた以上、政府はその決定に従うほかない」
とまあ,韓国の国内事情に外国政府が従うべきだという理屈を,世界に共通の人権概念,で架橋する…のだろう。好意的に解釈すれば,おそらくそうなる。そしておそらく,韓国政府の期待するところも類似の線におさまるだろう。
「時代は移り、世界の中での韓国の地位が上がる一方で日本の地位が下がり、両国は対等に向き合うべき相手となった」
なので「保護はやめますよ?」というのが昨今の政府レベルの方針のご様子。
「韓国側に何も問題が無いとは言わないが、国民をスカッとさせるのが外交政策としてまかり通るなら、それは民族主義に踊らされたポピュリズムにすぎない」
…ここらへんはねえ…「国民をスカッとさせるのが外交政策としてまかり通るなら」という条件節が,いったいどこの国のどの政策にあてはまるのか,という観察・評価をすべきところよねえ。
こういう淡々としているけど客観的でわかりやすいまとめ記事は助かる。これまでの流れがわかりやすい。/なぜ韓国は「ホワイト国」から外されるのか(時系列まとめ) https://t.co/qHWf7Tiqrw
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2019年7月17日
ということで、この学者希望者については
何も新しい話ではなく、ただの韓国の主張を、よくわからない肩書で権威付け?して、書いてるだけ。こんなコピペみたいなものでお金もらえるの?羨ましい。#古谷有希子
— 砂桜 (@never_forgive_g) 2019年8月17日
ということでよろしいかと。
なお、地味にこういうこともあるようで
個人の職業上の経験からも韓国と政府間で論理的な議論をするのは難しいと感じる。昔、韓国が加入を希望する国際協定について先方からの面談要請を受けたところ、加盟条件を満たしているか否かの審査が必要と告げると、兄弟国だか
— Ryo Takagi (@ysoleilbleu) 2019年8月2日
ら無条件で日本は韓国を支持してくれの一点張りで対話にならなかった。
まー、いろいろ腹に据えかねたのだろうなあと。
…もはや一般にかなーり行き渡ってしまった感のある方向性であって、「ねじをまきもどす」のは大変ですよ、これ…。私は国際協調派なので、融和を価値高いものと扱いますが、この立場からも昨今の韓国政府は低評価ですからねー…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます