メモだけしておく。
前提条件
・ケニア領内でアルシャバブ(ないしそれと連携するギャング団)が誘拐事件を連発
・観光地で観光客を殺傷→観光業に打撃
・ケニア人援助団体ドライバーも誘拐
・50万人クラスの大難民キャンプの援助団体員を誘拐
→ついに介入
@AKR__310 佐藤章 「ケニア軍がソマリアへ越境攻撃。ただし標的は相手国の政府軍じゃなく非政府の武装勢力。パターンとしてはイスラエルがレバノンのヒズブッラーにミサイル攻撃をしたのと相似しているけど、レバノンとは違いソマリアには正統政府が不在。国際政治の上ではきわめてレアな現象が進行中です。」(2011/10/16)
こうした見解もあり得るだろう。例え話はあくまで例え話で,そのもの自体を表すものではないので,同意は取り付け難いが―
―寧ろ相似する事例としては,トルコ・イラクを思い出すべきだろう。
つまりイラクがさんざっぱらどーしよーもない状況だった時,クルド民兵がトルコに越境攻撃をしこたま享受したことがあった。で,トルコがついにブチ切れて,戦闘機投入して本気の空爆を叩きこんだ。
つまり,
・中央政府の統制が利かない(当時のイラク,現在のソマリア,ヒズボラランド)
地域にはびこったmilitants連中が
・隣に位置する,かなり装備のいい国軍を本気で怒らせる(当時のトルコ,現在のケニア,当時のイスラエル)
ことは共通するが,
・当のmilitantsたちが当該地域を実効支配しているとは言い難い(イラクのクルド地域は,まずは聖域として存在したのだろうし,現在のソマリア南部はモザイク状態)
・当のmilitantsたちの能力・装備(あのですな,ヒズボラはあのイスラエル軍を凌ぎ切ったんですよ? アルシャバブに,ケニア軍を押しとどめるだけの塹壕網を構築する政治的経済的実力があると誰が信じられます?)
・当のmilitantsたちの戦術的可能性(イラクでは山岳を隠れ蓑にしたわけだ。ソマリアではJuba地域の河川・ブッシュ・沼沢地を利用するだろうかと思う―自然障害に頼る[であろう]点,寧ろ相似)。
私は,ひとには軍オタとか言われるが,実は兵器の形式番号もスペックもろくろくしらない。だが,新聞報道等々から察するに,ヒズボラとアルシャバブとでは,絶望的な能力差―装備もそうだが,訓練も,組織力も,政治的能力も―があるかと思われる。
端的に言って,敵軍が攻めてきていまさら(弾よけだろうが)あわてて民間人を徴兵する阿呆では話にならない。
いやこれが東部戦線最初期ならわかるんですが。国力では絶対負けないってくらいの差があれば,『銃は二人で一丁。弾は一人当たりクリップひとつだ』で特攻させてでも時間稼ぎするのはアリでしょうけど,
それ,ソ連ですら戦後の経済に重大な影響を及ぼしたはずですよね。で,ソマリアでいまソレやったらどうなるですって(にこにこ)?
なにはともあれ,ケニアとしては,自国民をさらわれてるし,友好国の市民を多数誘拐されてるし,しかもその内容が身体障害を抱えたおばあちゃんとか老後の夫婦(※夫は殺害された)とか,はては医療ボランティアだとかでは,国際的にも一定の理解を得られるんじゃないかなーという感じだろうか。
よし書類は明日だ。
前提条件
・ケニア領内でアルシャバブ(ないしそれと連携するギャング団)が誘拐事件を連発
・観光地で観光客を殺傷→観光業に打撃
・ケニア人援助団体ドライバーも誘拐
・50万人クラスの大難民キャンプの援助団体員を誘拐
→ついに介入
@AKR__310 佐藤章 「ケニア軍がソマリアへ越境攻撃。ただし標的は相手国の政府軍じゃなく非政府の武装勢力。パターンとしてはイスラエルがレバノンのヒズブッラーにミサイル攻撃をしたのと相似しているけど、レバノンとは違いソマリアには正統政府が不在。国際政治の上ではきわめてレアな現象が進行中です。」(2011/10/16)
こうした見解もあり得るだろう。例え話はあくまで例え話で,そのもの自体を表すものではないので,同意は取り付け難いが―
―寧ろ相似する事例としては,トルコ・イラクを思い出すべきだろう。
つまりイラクがさんざっぱらどーしよーもない状況だった時,クルド民兵がトルコに越境攻撃をしこたま享受したことがあった。で,トルコがついにブチ切れて,戦闘機投入して本気の空爆を叩きこんだ。
つまり,
・中央政府の統制が利かない(当時のイラク,現在のソマリア,ヒズボラランド)
地域にはびこったmilitants連中が
・隣に位置する,かなり装備のいい国軍を本気で怒らせる(当時のトルコ,現在のケニア,当時のイスラエル)
ことは共通するが,
・当のmilitantsたちが当該地域を実効支配しているとは言い難い(イラクのクルド地域は,まずは聖域として存在したのだろうし,現在のソマリア南部はモザイク状態)
・当のmilitantsたちの能力・装備(あのですな,ヒズボラはあのイスラエル軍を凌ぎ切ったんですよ? アルシャバブに,ケニア軍を押しとどめるだけの塹壕網を構築する政治的経済的実力があると誰が信じられます?)
・当のmilitantsたちの戦術的可能性(イラクでは山岳を隠れ蓑にしたわけだ。ソマリアではJuba地域の河川・ブッシュ・沼沢地を利用するだろうかと思う―自然障害に頼る[であろう]点,寧ろ相似)。
私は,ひとには軍オタとか言われるが,実は兵器の形式番号もスペックもろくろくしらない。だが,新聞報道等々から察するに,ヒズボラとアルシャバブとでは,絶望的な能力差―装備もそうだが,訓練も,組織力も,政治的能力も―があるかと思われる。
端的に言って,敵軍が攻めてきていまさら(弾よけだろうが)あわてて民間人を徴兵する阿呆では話にならない。
いやこれが東部戦線最初期ならわかるんですが。国力では絶対負けないってくらいの差があれば,『銃は二人で一丁。弾は一人当たりクリップひとつだ』で特攻させてでも時間稼ぎするのはアリでしょうけど,
それ,ソ連ですら戦後の経済に重大な影響を及ぼしたはずですよね。で,ソマリアでいまソレやったらどうなるですって(にこにこ)?
なにはともあれ,ケニアとしては,自国民をさらわれてるし,友好国の市民を多数誘拐されてるし,しかもその内容が身体障害を抱えたおばあちゃんとか老後の夫婦(※夫は殺害された)とか,はては医療ボランティアだとかでは,国際的にも一定の理解を得られるんじゃないかなーという感じだろうか。
よし書類は明日だ。
しかし兵力がよし間に合ったとしても,Kismayo陥落までいっちゃうのは,国際的同意が得られまいね。
とはいえ,al Shabaabが世間様的意味での「落とし所」を理解するかどうかわからない(理解したくても行動に移すのは思想上困難と思われる)。
傀儡国家樹立も国際的意味でアウト。
となると,実は辺境地帯の親政府派と話をつけた後で(当然何らかの話は付けているはず)あって,「密接な協力」をしてあげる―程度か。
さてどうなるか。
現地親政府勢力は,(恐らくはケニア軍のpresenceをあてこみつつ)さらなる作戦展開を希望している。
政府側としては,威勢のいい言葉を言いたいところかと思われるが―ロジが間に合うのかどうか。ケニア軍から援助を貰うのだろうか。郡司的にはともかく,兵站的な援助に感謝する,とか言ってるし。
そうして(親)政府勢力が「独力で」Kismayoを解放できちゃえば―という,なんか『そうなったらいいな』的絵図はみえる気がしますけどねー。
ケニア国家としては,理屈上,ケニア国民に危害を加える存在をこそ許容できないはずでしょう。Ross氏のコメントを参照。
ケニアは,ケニア国民を護る存在だと,メッセージを出したつもりのはずです。いや今日,私はケニア発のニュースを見てないけど。
ケニア国民的には,これは,ケニア国民からさえ身代金をかっぱごうとする業突く張りどもを打撃する作戦と見えるかと思います。
―『イギリス人やフランス人ならわかるよ,誰か大金出してくれるはずさ,向こうの政府か誰かが! けど,ケニア人なんだぞ! 一族から全財産集めたとしても,一体どれくらいになるか,想像つきそうなもんじゃないか!』
市民感情としてはそーなるんじゃないかな。
だから,国家的にも,国民的にも,「ケニア人ドライバー誘拐」の件は割と意味深いことなんじゃないかなと思う。