アカデミアに残るのが勝ち組って、大学関係者は辛そうな雰囲気しか感じないし一体どうやったらそういう認識になるんだ(´・ω・`)
— てらモス (@termoshtt) 2018年5月5日
領域にもより、世代にもよるが、毎月のお給料は出るし、スズメの涙程度でも基礎研究費という名目の雑費が支給され(従って時々プリンタを新調できるし、トナーは買えるし、紙も買える)、本や機材を置いておくスペースが与えられ、なにより科研費応募資格たる研究者番号の発行元の心配をする必要がなくなる。
無職・所属なしの研究者は大変である。研究者番号を発行してくれる機関をさがしてみぎひだり。せっかく採択されたのに、あと受け入れ機関がみつからないと、返上しなければならなくなるという。
本や機材を置くスペースも、所属がないと、ない。某機関で某先生の温情で空き部屋に机をおかせてもらっていた某氏は、新任准教授に追い出されたという。「引越し費用もださないんですよ、あの○○!」という知人からの、その新任准教授○○の悪口を聞かされたが、○○氏にしてみれば、明日にでも研究活動を再開したいのに、空いているはずの部屋がなぜか埋まっていたら、言いたいこともあろう。
…まあ、かなり人情に欠けるとはおもうが。
…いることは知っている・知ったわけだから、引越し代の数万くらいは包んでやってもいいとは思うが。
こうした研究状況についての難点を一気に解決してくれる魔法の杖。それが「アカポス」であるわけだ。
研究と言うなら、優秀なら科研費と言うのが降りるんじゃないのか?という疑問もあろう。そこでさらにこうである:
研究者にとってお金の位置付けはとても大事ですが、特に若手やポスドクにとって何より大事なのは生活の安定です。年間に科研費100万円持ってても、生活費が苦しかったり授業準備で大赤字では本末転倒。
— せんだい歴史学カフェ (@SendaiHisCafe) 2018年5月5日
なにしろ、科研費自体は研究機関に配分され、研究機関の監督のもと研究目的に使用するものであり、生活費にはならないからだ。
…生活費じみた用途に敢えてずらすとしたら、出張旅費に関わるところに限られる…のではないか。私はそれ以外に想像つかない。
出張旅費は、機関の規定に従い、往復のJR経費+宿泊費+「日当」(公的命令による出張なので、勤務日には発生しているお給金以外に現地での細々とした移動費・食費分として一日あたり2000円とか)が出る。
この際、宿泊費が定額で支給され、実費と差がある場合;「日当」以下で細々とした経費(昼食等)を済ませれば、その日の分の食費は公費で賄われ、かつ「黒字」になるわけである。
…あとは連立方程式の問題ですけどね。
会場に近い(高い)ホテルを選べば宿泊費で足が出る・出かねないし、そもそも学会は土日に開催されるのでどっちみちぎりぎり。できるだけ安いところを、と遠いが安いホテルを選び、会場まで延々歩いて行き、その間の水分補給もホテルの水道で汲んだ水で間に合わせ、食事は朝昼晩と各々300円以内で済ませる。その上で懇親会も欠席し、学会が終われば速やかに(ティーブレイク等もってのほかであり)帰宅。
…いやあ…院生時代ならともかく…。
…なので、定職のあるなしは決定的に重要だったりする。なら、別にアカデミックポストでなくていーじゃん、という意見はあろうが、カネのもうからない領域(※典型的にはいわゆる文系、ただし理系でも結構な領域はそーなので文理で分離するのはあまり現実的でない)だとそもそも民間研究所勤めがまずありえず、研究のためには研究者番号を要するということになり…。
…いろいろ辛いながらも、「まだしも」アカポス組みは勝ち組と称しても(さほど)過ちではないのである。
これで勝ち抜ける能力があれば、ふつーに稼いでもよかったんじゃね?という大問題はあるにせよ。
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