空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

キスマユ方面でアルシャバブが勢力拡大の試み

2009-04-22 20:57:19 | ソマリア関連
「彼は,全部を手に入れることができなかったからといって,手に入った半分もすべて拒否しようとは思わなかった。そんなことをしたら,マサチューセッツに,永遠に舵なしで海をただよえと宣告するようなものだったろうマサチューセッツは,これまで十分長い間,ただよってきたのだ。ここでいくらかでも安全が回復されなかったら,どんな魂の病が生まれないとも限らないではないか」(マリオン・L・スターキー『少女たちの魔女狩り』p162)

Garowe Online Somalia: 7 killed as clan militias fight Al Shabaab near Kismayo Apr 21, 2009

 キスマユ南西90㎞ほどにあるBulo Haji townの氏族民兵にキスマユのアルシャバブが月曜夜から火曜朝にかけて攻撃を行い,7名の死亡が報ぜられる。何れが現地を支配しているかは,この記事では報告がない。攻撃の理由は,アルシャバブが現地の支配権を獲得しようとしてのものと考えられる。

Garowe Online Somalia: Another Islamic Courts commander killed in Mogadishu Apr 21, 2009

 イスラム法廷側の部隊指揮者の死が報ぜられる。Sheikh Mohamed Mohamud "Agoweyne"は2006年のイスラミスト運動昂揚期に指導的な役割を果たしたと述べられていますが,彼は火曜日,椅子に座っているところを2名の若者によって殺害されたという。
 ピストルで殺害,そのまま逃亡というのは暗殺の基本パターン。
 犯行声明は出ていないながら,アルシャバブとの抗争の一環であろうというのが一般の見方かと思われる。

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1 コメント

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Unknown (teiresias)
2009-04-22 21:18:08
Shabelle Media Network "Fighting between Islamist factions kill four people
Posted: 4/21/2009 9:58:00 PM "(http://www.shabelle.net/News/ViewNews.asp?NewsID=5864)によればキスマユから40kmほど西方にあるAbdalla Birole村でイスラミスト間の戦闘があったと地元族長Hassan HafowがS.M.N.に語る。問題のグループはMu’askar RaskamboniとMuaskar Anole.Anole側がBulo Hajiなる村からやってきたのだ―というのですが。

 その2グループは「イスラム党」を形成するものではなかったか,などと疑問がわきます。もし族長氏の報告が正しければ,「イスラム党」の枠組みの不確かさの傍証のひとつとなります。また,単に対立先の村を悪く言おうとしたなどの理由で,心証悪い組織名を冠することもあろうかとも思われないでもない。ともあれ,「イスラム党」の同志たちが戦い合っただなんて報告は,反政府イスラミストとしては好ましくない報道ではあります。

 Bulo Hajiは上掲Garowe Online記事では,この前日~当日朝にかけて現地民兵とキスマユから遠征してきたアルシャバブが戦闘したことになっています。であれば,Bulo Hajiはどの組織が保持し,Abdalla Biroleへ遠征を仕掛けたグループはなんなのでしょう。

 情報は錯綜,辻褄を簡単に合わせられるとは,ちと思いがたい。
 個人的見解を言えば,Garowe Onlineの方が一般的に信頼性が高いと思っています。それでG.O.の記事を主に見るようになったんですが。
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