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てらまち・ねっと



 千葉県の堂本知事が議会に提出していた「男女共同参画センター設置条例案」が3月24日に否決されました。現行の「県女性センター」(柏市)の事業を発展させる予定だったところ、否決で、これまで行われてきた事業も含めて継続できなくなるといいます。同条例案が否決される一方で、事業に伴う予算案は可決されており、予算があるのに執行できないいびつな状態になったとか。

 ここで出くるのが、再議といって知事や市町村長が議会に「否決した議案をもう一度審議するよう求める手続」をなぜとらないのか、ということです。 
 私は、堂本さんには、自分の選挙で推薦を受けたり推薦文をもらったりしていて、他人事とは思えません。
 他の自治体や議会に波及するかもしれませんし。

 そこで、(1)事案の経過を見た上で、(2)知事や市町村長の権限である再議請求の位置づけを確認し、(3)実際の再議の例があることを示してから、(4)いま議員や市民はどんなフォローできるか、など整理してみます。

関連リンク (条例否決でページの中身が変えられるかな? どうなるか興味津々)
   さわやかちば県民プラザ
    千葉県女性センター相談室
 
「当相談室では、女性の抱える さまざまな悩みや問題の相談を受け付けています。
◇一般相談(電話相談)毎週火~土曜日 9:30~20:00 日・祝休日 9:30~16:00
 お休みは、毎週月曜日(その日が国民の祝日に当たるときは実施し、翌日がお休みです。)のほか毎月第3水曜日です。
◇一般相談(相談員による面接相談) 電話相談と同じ時間帯(予約制)
◇こころの相談(面接相談)  毎月第3火曜日(予約制)
◇法律相談(面接相談)  毎月第4木曜日(予約制)
◇カウンセリング  毎週・水・金・土曜日(予約制)
  相談専用電話 04-7140-8605
*秘密厳守、無料です。お気軽に電話ください。 」

   施設案内

 市町との連携はどうなるの? 例えば、 鎌ヶ谷市・女性のための健康支援機関(県)

● (1)事案の経過は こちらが詳しい ⇒  TransNews Annex
 そこから、要点を下記にまとめます。
  ▲千葉:自民『財政難、要望低い』 『男女参画センター』条例案否決 /毎日・千葉版 06/03/21
 県が2月議会に提出していた「男女共同参画センター設置条例案」は20日、県議会常任委員会で否決された。同条例案否決で毎年4000件以上あった配偶者暴力などの相談事業はできなくなり、県民生活に大きな影響が出そうだ。
 県によると、「条例案」は、配偶者暴力などに悩む女性からの相談事業を強化するため、千葉市にセンターを柏、館山両市に分館を置くもの。人件費や研修費など約5900万円を予算計上している。
 同センターは現行の「県女性センター」(柏市)の事業を発展させる予定だったが、条例案が否決されたことで、これまで行われてきた事業も含めて継続できなくなった。年間4000件以上の電話相談、300件以上の定期的なカウンセリング相談は打ち切りとなる。

 ▲県の条例案を否決 知事対自民、鮮明に  2006年03月21日 朝日・千葉版
 これまで男女共同参画事業の中核を担ってきたのは柏市の女性センターで、DVや再就職などのあらゆる悩み相談を受けるほか、講座やセミナーを通じた県民の意識啓発、民間団体の交流の場として機能を果たしてきた。条例案は、この拠点を新たに千葉市に移し、柏市と館山市に分館を設け、機能を拡充するものだった。
 新年度予算案には、条例成立を前提に、これまで女性センターの運営を担ってきた財団法人への補助金を盛り込んでいない。このため、本会議で条例案が否決された場合、女性センターはなくなり、県は男女共同参画事業の拠点を失うことになる。堂本知事は「残念だ。(同様の)センターをなくした県は聞いたことがない。日本で初めての後退」と話した。

 ▲『男女参画センター』条例案否決 (東京・千葉版 2006/03/21)
 条例案は、柏市の県女性センターの機能を拡充するのが目的。・・公明の赤間正明議員が「設置を認めなければ、県内で男女共同参画の施策ができなくなってしまう。施策を継続していくのか、ここでやめてしまうのか判断が迫られている」と危機感を募らせた。

 ▲知事提案に自民ノー (読売・千葉版 2006/03/21)
 県女性センター(柏市)を廃止することになり、堂本知事が力を入れる男女共同参画推進事業は後退を余儀なくされ、新年度一般会計当初予算案は可決されたものの、関連事業費約5900万円の執行は停止されることになった。・・ 堂本知事は、柏市の県女性センターも業務停止となる事態に、「女性政策としては日本初の後退」と述べた。ただ、6月議会に改めて条例案を出し直す点については明言しなかった。

(1)の2 その後。
 ▲6月議会の対応協議へ自民県連(2006年4月5日 読売新聞)
 自民党県連は4日の緊急政調会で、・・男女共同参画センター設置関連条例案否決の余波への対策を協議することを確認した。同党県議団は関連条例案を否決。同党県連や県議の事務所には、抗議電話などが相次いでおり、党の統一見解を整理して対応することも話し合われた。

 ▲反転攻勢:’06衆院補選 自民県連、男女政策見直しの動き /千葉
 ◇補選見合い、公明に配慮 (毎日新聞 2006年4月5日)
 自民党県連が先の県議会で廃止に追い込んだ県女性センター(柏市)の復活に動き始めた。衆院千葉7区補選(11日告示、23日投開票)が迫る中、男女共同参画に熱心な公明党との溝を埋め、協力関係を強化しようとのもくろみのようだ。
補選を有利に進めたい党本部と、堂本暁子知事を追い詰めたい県連の間には思惑の違いがあり、補選告示を前にもたつきが露呈した格好だ。
 女性センター復活は4日の県連政調会で取り上げられ、補選で公明党と結ぶ政策協定の一部として議論された。・・このため、県連レベルでは協定を結ばないことにした。
 公明党は、自民党公認で立候補予定の斎藤健氏(46)の推薦を求められており、態度決定が予定される8日の拡大幹事会まで、自民党との水面下の調整が続きそうだ。

(2)地方自治法の定め 
 第176条1項では、当該普通地方公共団体の長は、「条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決について異議があるときは、・・10日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。」
3項は、「議決については、出席議員の3分の2以上の者の同意がなければならない。」としており、「一般的拒否権」といわれます。議会が前と同じ結論をだすことにあえて高いハードルを課すわけです。
 今回、10日以内に再議請求することは可能「でした」。

 これに対して、期間制限もなく過半数でよいものとして、4項の規定があります。
 第176条4項では、「議会の議決その権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、長は、理由を示してこれを再議に付(さ)なければならな。」として期限を定めず義務付けています。「特別的拒否権」といわれます。通常の過半数の多数決で可決します。

 さらに、5項では、それでも議決がおかしい場合について、「なおその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるとき」は知事は大臣に、市町村長は知事に、当該議決があった日から21日以内に、審査を申し立てることができます。
 6項は、大臣や知事は、当該議決を取り消す裁定をすることができるとしています。
 7項は、裁定に不服があるときは、議会又は長は、60日以内に、裁判所に出訴することができるとしています。


(3)-1.長野県知事は、ちょうど一年前、1項の再議を請求しました。
   長野県の様子
 県予算案減額可決 知事は再議請求 副知事人事案否決
 「知事は予算案減額について「(自身の)政策意思に反し、ひいては県民生活に支障を来す」として、古田芙士県会議長に地方自治法に基づき、審議をやり直す「再議」を請求した。」

(3)‐2.私のところでは過去に2回、4項に基づく再議請求がありました。
 ▲旧高富町では、住民から、議会の法令違反の手続に関して、同会期中に町長に   再議請求書(1999年3月19日) がだされました。この書面自体は事実を指摘した催告書とでもいいましょうか。会期中なのですぐに、町長が議会にはかり、手続を是正しました。
 なお同日、議会に 「法令遵守を求める請願」 も提出されました(私が紹介議員)。請願は採択されました。
 ことの経過は ニュース・110号

 ▲自治体合併した現・山県市では、私は、議会の違法な議決に関して 市長に再議請求書(2004年1月13日) を出しました。閉会中だったので、市長が臨時議会を召集、再議を求めました。結果は、議会が再可決。市長は知事への申し立てを真剣に検討しました。が、最終的には、議員の懲罰案件であるところ、その後まもなくの4月に議員選挙があることから、議員の身分問題を市長の決断で長引かせたくない旨(の思いらしい)などから、申し立ては見送りました。
 この経緯は ニュース・142号

(4)今回議員や市民は何がフォローできるか
 (A) 1項の再議について
 今回、千葉県知事は、1項の再議は求めませんでした。10日の期限も過ぎました。長野県知事のようにできなかったのは忸怩(じくじ)たる思いでしょう。
 ともかく、今さら、1項の再議請求の議論はやめます。
 堂本知事は政治的には少数の側です。少数でもいいから議員の強力な支援や市民の働きかけ、世論づくりが必要です(もちろん、今でも、一部の皆さんはそうされていると思います。)。

 (B) 4項の再議請求はできないのか
 今回の否決に対する社会の批判もあるし自民党内でも批判や反省もあるようです。現実に女性センターの機能や役割に支障が出てくるのですから、知事は何かする必要があります。
 4項の定めは「議会の議決その権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるとき」ですから、知事がこれは再議すべき違法な状態だと認識すればよいことです。
 今回の事態を生じさせた議会の「議決の違法」をみつけましょう。

 ▲千葉県は、4月から、 男女共同参画社会基本法 の(地方公共団体の責務)第九条「地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」などに反した状態になりました。

 ▲千葉県は、4月から、 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(通称・DV防止法) の(配偶者暴力相談支援センター)第三条「都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。」「2 一 被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること又は婦人相談員若しくは相談を行う機関を紹介すること。」 (都道府県及び市の支弁)第二十七条「都道府県は、次の各号に掲げる費用を支弁しなければならない。 一 第三条第二項の規定に基づき同項に掲げる業務を行う婦人相談所の運営に要する費用。」などに反した状態になりました。

 ▲センターという千葉県の財産の管理として、県に違法状態はないのか。
 違法又は不当な財産(土地、建物、物品など)の管理や、財産の管理を怠る事実があるときは、住民は一人でも 住民監査請求 ができます。
堂本知事を相手方(住民訴訟になれば「被告」) にするのは、逆説的ですが、こういう場合は、知事を後押しするように作用すると考えてよい場合です。
 なお、地方公共団体の財産について、具体例は違いますが、法令上の説明を分かりやすく行っているページ 財産の例は違いますが、「財産」のとらえ方の整理
 
 ▲ 行政手続法(条例)の違法状態とか行政不作為としての違法状態の発生とかも充分に考えられます。

 ▲ 4項の定めは、知事がこれら違法な状態になっていると認識したとき、これら違法状態を生じさせた条例改正案(の否決)を、知事が再議に付すことができる制度としても利用できます。否決した自民党も反省しているようだし、再議請求は面白そう。

 ▲ 少数側の堂本知事がすっと自己決断するのは難しい状況。だから、議員や住民が後押しすることが必要だし、それができる場合だと思います。

 住民監査請求にしても住民訴訟にしてもそんなに難しくはないですよ。私は、弁護士を頼まずに、本人訴訟で30数件の行政訴訟をやってきました。 このブログの行政訴訟のカテゴリー
 抗議行動や抗議電話もできます。請願や陳情もできます。
 「再議請求」発動を促すことはいくらでもできます。
 時にはもっとインパクトのある方法もいいものです。
 「市民運動」は遠慮しないこと。自分たちの自治体は自分たちで守りたい。
 
●(こんな考え方もある)行政実例・条例改正案を議会が否決したことが再議の対象となるのか
 「昭和26年10月12日付行政実例」は、「否決されたものについては、効力又は執行上の問題は生じないので『第176条第1項』の再議の対象にならない。」としています。50年も前の国の見解です・・・
 今回は、否決で効力又は執行上の問題が生じますから、あてはまりません。
 一般に国など行政の見解は、裁判所で否定されることも少なくありません。ですから、私は、自分に納得できる「見解」は利用し、おかしいと思う見解は横に伏せておいて、自分の勘と経験と資料などで理論付けするようにしています。

(関連)●直接請求による条例案の場合の長の再議
   直接請求による条例案の場合  「住民投票条例制定の直接請求においても、議会で可決された場合、市長が再議に付す可能性がある。・・総務省自治行政局は、この新たな事態を前にして再議権の行使可能としてはいるものの、確信を持ってではない。首長の再議権は一種の拒否権である。長が提出した条例案や予算案を議会が否決したとき、あるいは議員が提出し可決された条例に異議や瑕疵があると認めたとき、首長は再議権を行使できる。」

(関連)●地方の自治立法権ということ
   自治立法権   「・・・地方公共団体の長が再議に付することができるなど(地方自治法第12条、第74条、第176条)、国の法律にはない制度があります。 」

(関連)●地方自治法の規定
   地方自治法 第7章の第176条です。なんと第177条は、ある場合の再議について、もっと強権を首長に与えています。


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 ヤマイモの先端部分は、切って放置しておくと春に芽が出ます。30センチほど伸びたイモや根が出てきたイモもあります。写真は、一部です。
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

 最近は、漬けマグロのやまかけをよく作ります。
→3月25日。インドマグロの切り出しの
結構いいところが、半額の150円。測ったら約300グラム。
細かくして、ワサビと多めの出し醤油を混ぜます。
マグロの漬けの場合は、濃い目の方が味が馴染みます。
 

1時間ほどたって、ヤマイモは手っ取り早く
おろしがねですってしまいます。醤油をほんの少し。
 

3月28日。半額のマグロを見つけて、同じよう。
漬けは、一晩おいたほうが味がしみます。
左の皿は、イモのスライスを作るために、
皮ごとサッとあぶってから、皮をそいだ部分を湯がいたもの。
最近では、ヤマイモは皮を含めて、全部食べます。捨てるところがない。


ヤマイモは、揚げたりするとお餅のようになります。
そこでやってみました。
→やまかけマグロを小皿にのせてレンジでチンすると、
これが結構いけますよ。

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