岐阜県の裏金プール金問題。私たちもその頃、オンブズ的活動をしていました。当時の資料のうちインターネットにアップしていないものを中心に整理していきます。今日は、情報誌、いわゆるブラックジャーナルと岐阜県の歴史的な癒着の問題。
文末には、訴状や支出の課別一覧、購読したとされる社の一覧などもリンクしています。
一つの課で年間100万円を越えたり、同一誌に対して何十万円も支出したというのは、どう考えても、信じられない。
多いのは、もともと煙たい課として割と一致しています。
(次は、イベント実行委員会と裏金問題や知事選挙と県庁のことなどに触れていきます)
◆第一次訴訟 情報誌購読料支出金返還請求
1997年11月14日、私たちが県に対して、御嵩町長襲撃事件に関係して、情報誌購読の悪影響の問題を提起し、購読や支出の中止を求めました。
同年12月には、県議会自民クラブの年間300万円の購読料支払が表面化しました(新聞報道)。
そこで、関係文書の公開請求したところ、情報誌30誌の購読料として、95、96年度に県庁内52課で317万5千円を支出していることが判明。
県は住民訴訟の弁論を前に、98年6月1日、「51出版社に、『購読のあり方を見直す』と文書で通知した(5月21日付け)」ことを公表せざるを得ませんでした(これ以後は購読を凍結していた)。
第2回目期日では、原告・被告・裁判所の話し合いで、「被告が書面で『今後は購読料を支出しないこと』を明言すれば、原告は訴訟を取下げる」との基本的合意が成立。しかし後日、県から「中止の明言はしない」との回答だったので、訴訟が続きました。
第3の(四)の1では、 「九五年十一月、請求人らが県に対して、情報誌購読の悪影響を提起、中止を求めたことの報道記事等をみて、総務部在籍の県職員とする者から『実際の県の購読料支出は、それより一桁多い。出先機関でも多い。ウラ金から出す。県が行う事業で、地域でトラブルなどがあると、県に有利になるような記事を書くよう依頼するものも、幾つかある』との告発があった。」と述べました。
(「九五年十一月」は「九六年十一月」の誤記)
第3の(四)の4及び5では、 「岐阜県の購読料の認識は、『ウラ金から出す分』と『手続を経て公式に支出される分』と、実体的に区別が無いような状態であると考えるのが、合理的である。であるからこそ、適当に各課から支出しているような状態を演出するものとして、本件支出手続きが偽装された、というべきである。
実際の支出からみれば、『公文書として記録された支出』は氷山の一角というべきである。
5 以上、ウラ金支出の実態解明なしには、情報誌購読料支出の全容は明らかとならない。 と主張しておきました。
訴状添付の支出の一覧表
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)
◆第二次訴訟情報誌紙賛助協賛金等返還請求
「県の本庁内の全ての支出」を公開請求したところ、第一次訴訟分よりはるかに多い支出額が明らかになりました。
しかも、各課の多額の購読料が、「報償費」名目で賛助金、協賛金、助成金などとして堂々と支出され、しかも「1課だけで一社に対して年間70万円」を支払っている例年間支出総額の約3分の1に当たる294万円が特定の一社だけに集中している例など、極めて不自然で癒着した構造が読み取れます。
提出命令で明らかになった出版物名や支出金の集計結果等から、県の裏金づくりの一つの窓口だったと考えられる「情報誌紙」も明確になりました。
◆ 被告は、個人としての梶原知事と出納長のほか、支出額の多かった課の課長31名。 返還請求額合計は1845万6520円。
情報誌購読料返還訴訟で文書提出命令!
◆ 県が各種情報誌に購読料や協賛金などを支出していたことで5年間、地裁で争ってきた訴訟で、私たちの求めに応じて、裁判所が03年6月30日に出版物名や出版物社名等を明らかにするように、県に命じました。 民事訴訟法は「公文書」を命令の対象となる文書として規定していなかったことなどから、裁判において文書提出命令が認められることはごく稀でしたが、01年6月27日に法改正され、状況が変わりました(「《政府提案理由》民事訴訟における証拠収集手続の一層の充実を図るため、公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書に係る文書提出命令について、文書提出義務があるものとする」)。
第2回目の文書提出命令申し立て 2001年12月6日
2001年12月1日より、公文書も提出命令の対象となったので認められました。
この命令を受けて、岐阜県が全領収書とともに出版社リスト・購読明細票を提出し、状況が急転しました。
秘密にされ続けていた、出版社のリストも出来上がってきました。
私たちは、このうちのいくつかは裏金づくりだとみています。
もちろん、額のおおいところも裏金にまっているものもあり得ます。
● 被告らが1千万円返還、との和解成立!
◆出版物提出命令決定と調査嘱託の採用
8月から9月、私たちは「出版社に対しての出版物の提出命令」や「出版社への県との関係等についての調査嘱託」を申立、10月に裁判所はこれを認めました。
そこまで来て、ある日、裁判所から和解の可能性の打診がありました。
県は裁判所から「一部は違法な支出である」との指摘などを受け、私たちは「まだ、数年かかるとの見込み」との中で、双方和解に応じました。
《和解調書の要点》
「被告らは連帯して、04年1月30日までに、岐阜県に1000万円返還する」「今後は、本庁、現地機関含めて、県は購読審査会が必要と認めたもの以外は一切購読しない」
※なお、県が現在、良しとしているのは、「3社のみ」とのことです。
次の文書データ
○ 第一次訴訟の訴状 1998年3月 5日提訴
○ 第二次訴訟の訴状 1998年9月28日提訴
○ 両方の訴訟の概要説明
○ 提出命令の経過
○ 命令を受けて、岐阜県が全領収書とともに出版社リスト・購読明細票を提出
○ 出版社のリスト
○ 和解するための原告の意見
○ 上記で例示した秘書課の支出の実態
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○ 和解したことの報告
これらは、 情報誌購読料返還訴訟のまとめのページ でリンクしておきました。
被告らが岐阜県に返還するとなった「和解金1000万円」は誰が払ったのでしょう??
このときの被告ら個人の弁護士費用は誰が払ったのでしょう??
被告岐阜県のの弁護士費用は誰が払ったのでしょう??
◆全国でも決別を!
この決着で、自治体職員たちは安心して仕事がしやすくなることでしょう。
日弁連は、行政に圧力をかける出版社等の問題の調査結果を公表しました。県内では、この訴訟で、県が実質的に購読を止め、同年に市長会も止めることを合意。一部の市町村と議員の間では、まだ継続しているようです。あとは自覚と決断!!。
・・・・・・・・・・・・・関連訴訟・・・・・・・・・・・・
●情報誌紙関係不正支出関連公文書公開拒否処分取消訴訟 県側上告棄却・最高裁決定!
原告の全面勝訴が確定
2005年6月16日、最高裁第三小法廷より、標記事件に関して、県知事及び教育委員会の上告を棄却するとの14日付け決定が郵送されてきました。
地裁では「領収書等に押された事業者の従業員の印影」以外は全てを公開するように、ということでほぼ全ての部分で勝訴しました。
高裁では、完全に全面勝訴になり、県側が上告していたものです。
なお、この支出金に関する情報公開訴訟の説明のページ ◆ 訴訟の概要説明
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