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根付いたら 水やり我慢 2008年04月23日 いきいきセカンドステージ
【寺町 知正さん】
家庭菜園では、野菜の水やりについて誤解している人がいる。典型はこれから始まる夏野菜の世話の仕方。ひんぱんに水を与えると、葉や茎が伸びて勢い良さそうな姿になる。肥料が多いとさらに太る。しかし、このように育った作物は、根が広く張らず病弱だ。畑の野菜は水を控えてこそ、丈夫でおいしい野菜になる。
夏野菜の苗の植え付けは、温かい環境にするのが活着を良くする秘訣(ひ・けつ)。私の場合、前日の昼に、畑にたっぷりと水やりをしておく。水を1回でたくさん注いでも、多くが土のすき間から下に抜けるので、数分でよいから時間を空け、数回に分けて水をかける。
植える直前の植穴への水は、土の温度を下げてしまうから要注意。植える当日の朝は、苗のポットごと30分ほど水につけてから、数時間放置して鉢土を安定させ、気温の上がった昼間に苗を植える。植えたら根と土を密着させるためにコップ1~2杯の水を株元にさっとかける。
いったん植えたら、わずかにしおれるくらいまで、水やりを我慢する。作物の根は、土に水分が少ないと水を求めて活発に伸びる。最初は貧弱だが、いずれ、水ぶくれした株を追い越すことを信じて欲しい。
露地栽培では活着後、よほどの晴天続きは別にして、目立ってしおれなければ水やりはしない。苗を植える前後は注意深く接し、根が着いたらあとはどっしりと構える。栽培は子育てにも似ているし、野菜の姿は世話をする人の性格を映し出している。 |