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てらまち・ねっと



 裁判所の違憲判決は珍しい。
 その違憲判決が、昨年末から各地の高等裁判所で続いている。

 国会議員の選挙の違法性を争うもの。
 
 判決は、

   「憲法は投票の価値の平等も要求しており、
    現在の選挙制度は憲法の趣旨に反する」(大阪高裁)

   「過疎地域への配慮から、現在の小選挙区の定数300のうち
    まず1議席ずつ47都道府県に割り当て、
    残りを人口比で振り分ける「1人別枠方式」を
    格差の原因と認定。」 (福岡高裁那覇支部)

 
   「過疎地の議員を地域の代弁者と想定することは、
    国会議員は全国民を代表するという
    憲法の立場と相いれない」(広島高裁)

 そして、昨日12日の福岡高裁は、制度そのものを、制定当初から意見とまで断じた。
    
   「1人別枠方式は制定当初から、
    憲法が求める投票価値の平等に明らかに反する上、
    区割りは議員の存立基盤であり、
    ほかからの問題提起や司法による救済判断に
    安住することなく、自ら率先して見直しを図るべき」

 これら判決のことを整理しておいた。
 また、ヤフーの「1票の格差」データと、「違憲判決」の意味についてウィキペディアを抜粋。
   
 事実上「小選挙区」(一部は中選挙区)を採用している「都道府県」などの選挙はどうなんだろう?? と思いつつ・・・

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1票の格差とは/Yahoo! JAPAN - ニュース から


●衆議院選挙格差
議員1人当たりの有権者数(衆議院小選挙区平成19年9月)
多い選挙区
東京6区(479,424)、千葉4区(478,401)、北海道1区(470,397)

少ない選挙区
福井3区(215,941)、高知1区(215,516)、徳島1区(215,374)
                         総務省

●参議院選挙格差
議員1人当たりの有権者数(参議院選挙区平成19年9月)
多い選挙区
神奈川(1,201,631)、大阪(1,181,565)、北海道(1,160,413)

少ない選挙区
高知(327,444)、島根(301,015)、鳥取(246,103)
                      総務省

●都道府県ごとに配分した定数146と、全国を1単位とした比例区の定数96がある。
●定数配分 都道府県
8 東京
6 神奈川、埼玉、愛知、大阪

4 北海道、宮城、福島、栃木、茨城、群馬、千葉、新潟、
     長野、岐阜、静岡、京都、兵庫、広島、福岡、京都

2 上記以外の県


●大阪高裁「一票の格差2倍は違憲」 衆院選の無効確認請求は棄却
      サンケイ 2009.12.28
 「一票の格差」が最大2.3倍になった今年8月の衆院選は憲法に違反するなどとして、大阪府箕面市の60代の男性が府選挙管理委員会に選挙の無効を求めた訴訟の判決が28日、大阪高裁であった。

 成田喜達裁判長(菊池徹裁判長代読)は「憲法は投票の価値の平等も要求しており、現在の選挙制度は憲法の趣旨に反する」とした上で、「格差が2倍に達する事態は著しい不平等で違憲の評価は免れない」として、原告が居住する大阪9区の選挙は違法との判断を示した。選挙の無効確認請求は棄却した。

 9月に全国の8高裁で起こされた一斉訴訟で初めての判決。

 訴状によると、8月の衆院選の各選挙区の当日有権者数は、最多の千葉4区と最少の高知3区とで2.3倍の格差があった。大阪9区と高知3区との格差は2.05倍で、原告の男性は憲法15条などの解釈について「1人につき同じ価値の1票を保障している」とし、「選挙区割りは人口分布に基づいておらず違憲」と主張。これに対し、府選管側は「投票価値の平等は他の政策との関連で調和的に実現されるもの。区割りは国会の裁量の範囲を逸脱していない」と反論していた。

 衆院選の定数配分をめぐる訴訟では、最高裁が最大格差が約5倍となった昭和47年と4.4倍だった58年の選挙を違憲と判断。また、最大格差3.94倍の55年と3.18倍の平成2年は「憲法の選挙権の平等に反する程度に至っていた」などと判示。一方、3倍未満のケースはすべて合憲と判断されている。

●1票の格差:昨年の総選挙「違憲」と指摘 広島高裁の判決
     毎日新聞 2010年1月25日
  公職選挙法により、国政選挙の無効確認の1審は高裁が審理。最高裁の判例は、衆院選で格差が3倍を超えた場合、違憲か違憲状態とし、最大2 「1票の格差」が最大2・30倍となった昨年8月30日投開票の衆院選は、法の下の平等を定めた憲法に反するとして、広島市中区の男性弁護士が広島1区の選挙無効を求めた訴訟の判決が25日、広島高裁であった。

 広田聡裁判長は「既に合理性を失った政策目的に基づく選挙制度により格差2倍超の選挙区が相当数存在し、投票価値の平等を強く要求する憲法の観点から容認できない」とし、小選挙区全体を違憲・違法と判断。格差が2倍を下回った広島1区についても「(全体と)一体不可分」とした。ただ、選挙を無効とすれば公の利益に反するとし、請求は棄却した。

 同衆院選の1票の格差を巡る訴訟では、09年12月の大阪高裁判決に続く違憲判断。議員1人当たりの有権者数は、最小の高知3区と最大の千葉4区との間に2・30倍、広島1区とは1・47倍の格差があり、東京の弁護士グループが全国8高裁に提訴していた。

 現在の小選挙区の区割りは、定数300のうち47を各都道府県に一つずつ割り当て、残りを人口比で振り分ける「1人別枠方式」を採用。最大選挙区の人口を最小区の2倍未満にすることが原則だが、今回、有権者数が最小区の2倍以上の選挙区が45あった。

 広田裁判長は1人別枠方式が格差を助長しているとし、同方式について検討。「地域特性への配慮は投票価値の平等に優越する憲法上の要請とは考えがたいし、昨今、過疎化の問題は全国課題と認識されている」として、「同方式導入の政策目的は既に合理性を失った」と指摘。「過疎地の議員を地域の代弁者と想定することは、国会議員は全国民を代表するという憲法の立場と相いれない」とも述べた。

 その上で「国会が格差是正を怠っていたのは、裁量権の行使とは是認できず、選挙は違憲、違法」と国会の責任を強く指摘した。

 公職選挙法により、国政選挙の無効確認の1審は高裁が審理。最高裁の判例は、衆院選で格差が3倍を超えた場合、違憲か違憲状態とし、最大2.17倍だった05年衆院選について07年6月、「合憲」と判断していた。【寺岡俊】

●1票の格差:小選挙区は「違憲状態」判決…高裁那覇支部も
       毎日新聞 2010年3月9日
 「1票の格差」が最大2.30倍となった09年8月の衆院選を巡り、那覇市の男性弁護士が沖縄1区の選挙無効を求めた訴訟で、福岡高裁那覇支部は9日、小選挙区全体を違憲状態と判断したが、選挙無効の請求は棄却した。

 河辺義典裁判長は2倍超の格差について「投票価値の平等を侵害している」と指摘する一方、最高裁が定数配分や区割りを合憲と判断していたことから「国会が憲法上要求される合理的な期間内に是正しなかったとは言えない」と述べた。原告は上告する方針。

 最小の高知3区と最大の千葉4区との間で2.30倍となった09年衆院選を巡る訴訟では、09年12月の大阪高裁、10年1月の広島高裁が違憲と判断。同2月の東京高裁は「国会が是正しなかったのは裁量権の逸脱とまでは認められない」として「違憲状態」としていた。

 高裁那覇支部判決は、格差が2倍を超える定数配分や区割りが09年衆院選当時、憲法上の選挙権の平等の要求に反し、違憲状態に至っていたと指摘。過疎地域への配慮から、現在の小選挙区の定数300のうちまず1議席ずつ47都道府県に割り当て、残りを人口比で振り分ける「1人別枠方式」を格差の原因と認定した。

 1票の格差を巡る訴訟で、最高裁は格差が許容される程度を超え、憲法の要求する選挙権の平等に違反する場合を「違憲状態」とし、その状態を是正するための合理的な期間が既に経過している場合を「違憲」と判断している。那覇支部判決も最高裁の判断を踏襲した。

 公職選挙法により、国政選挙の無効確認訴訟の1審は高裁で審理される。【三森輝久】

 【ことば】1票の格差
 有権者の1票の価値を選挙区間で比べた際の差。選挙区の人口(有権者数)を議席数で割り、議員1人当たりの人口が最も少ない選挙区を基準に倍率で表す。

●昨夏衆院選1票の格差、初の「合憲」判断 東京高裁
      朝日 2010年3月11日13時43分
 昨夏の衆院選をめぐり、選挙区の人口が異なることで「一票の格差」が生じたのは憲法の平等原則に違反するとして、東京と神奈川の有権者が選挙無効を求めた訴訟の判決が11日、東京高裁であった。

 稲田龍樹裁判長は、格差が拡大していることを「憲法上好ましくない」としながらも、「著しい不平等状態だったとはいえない」と判断。区割りは合憲だったと述べ、原告側の請求を棄却した。

 格差が最大で約2.30倍だった同選挙をめぐり、合憲判断が示されたのは初めて。公職選挙法は国政選挙の無効を求める際の提訴先を高裁と定めている。同様の訴訟は全国7高裁と福岡高裁那覇支部に起こされ、これまでに大阪、広島両高裁が「違憲」、東京高裁の別の裁判部と那覇支部が「違憲状態」と判断していた。今回の原告側は、合憲判決を不服として同日、最高裁に上告した。

 この日の判決は、すべての都道府県に選挙区を一つずつ割り当てたうえで、残った選挙区を人口比で配分する「1人別枠方式」について、一票の価値に不平等が生じる大きな原因となっていると認めたうえで、「合理性に何らの問題もないとはいえない」と言及。さらに、2005年の国勢調査時点での一票の格差が、00年よりも大きく悪化していることは「憲法上好ましいものではない」と述べた。

 しかし、05年時点で格差が2倍を超えていた選挙区が48と全体の約6分の1にとどまることを踏まえ、「区割りが憲法に違反するものだったとはいえない」と結論づけた


     ◇
 判決を受け、原告側代理人らが記者会見を開いた。升永英俊弁護士は「信じがたい」とあきれるように話した。「今日の判決が全体を支配するとは思っていない」と語り、最高裁で逆転させることに意欲を見せた。

 久保利英明弁護士も「ほかの裁判所へも似たような主張、証拠を出しているのに、一つだけ結論が違うのは、裁判官が不勉強だからではないか」と批判した。

●1票の格差:福岡高裁「違憲」 「1人別枠」も否定--09年衆院選
      毎日新聞 2010年3月13日 
 「1票の格差」が最大2・30倍に達した09年8月の衆院選小選挙区の違憲性が争われた訴訟で、福岡高裁(森野俊彦裁判長)は12日、格差を「違憲」と判断し、1人別枠方式については「導入の必要性も合理性もなく、制定当時で違憲・違法だった」と指摘した。

 別枠方式で区割りを決めた94年時点で違憲と判断した判決は、弁護士グループが起こした一連の同種訴訟では初めて。

 原告の男性弁護士(福岡市南区)が求めていた福岡2区の選挙無効については「公共の福祉を害する」として棄却した。原告側は上告する方針。=一部地域既報

 森野裁判長は1人別枠方式の導入目的を07年の最高裁判決の少数意見を引用し、(1)過疎地域を含め国民の意見・利害を均等に反映させる(2)中選挙区からの移行による激変緩和--と説明。その上で「(1)は国会議員は全国民の代表という憲法の立場と衝突し、(2)は選出議員減少で死活問題に直面した議員らに対する延命策にすぎない」と合理性を否定した。

 さらに都道府県別に人口比例配分した場合(裁判所の試算)に格差が約1・6倍にとどまったことや、福岡2区を含む45選挙区で格差が2倍以上になった点に言及。「前回選挙から4年近く放置した国会の不作為は、その裁量の範囲を相当に認めても逸脱している」と述べた。


 「1票の格差」は有権者の1票の価値を選挙区間で比べた際の差。選挙区の人口(有権者数)を議席数で割り、議員1人当たりの人口が最も少ない選挙区を基準に倍率で表す。

 原告側は有権者数最少の高知3区の選挙権の価値を1票とすると、福岡2区は0・49票の価値しかなく、原告は憲法が定める選挙権の平等の保障に反すると訴えていた。【和田武士】

●「1票の格差」福岡高裁判決要旨 
     2010/03/12 20:49 【共同通信】
 「1票の格差」をめぐる訴訟で、福岡高裁が12日言い渡した判決の要旨は次の通り。

 【憲法の理念】
 憲法は、投票価値について「誰もが過不足なく1票を有する」を理念としており、平等を完全な形で実現することは不可能であるにしても、理念の無視は到底許されない。国会もこの点の裁量の範囲はおのずから限定される。一方、憲法は都道府県という行政区画を考慮した選挙区画定を許容していると認められるが、その結果が平等の理念を無視するものになるならば、その段階で見直すべきなのは当然だ。

 【本件選挙の検討】
 試みに人口比例原則を採用し、2008年9月現在の各都道府県の有権者数を基に、議員総定数300を割り当ててみると、都道府県別の最大格差は鳥取県の1・636で、ほかはすべて1・5未満。人口比例だけに基づく配分であれば、「誰もが過不足なく1票を有する」との理念を無視するまでに至らず、憲法も許容したといえる。

 投票価値の平等は、憲法が求める最も重要な理念であり、民主主義の要。本来の人口比例原則から逸脱する方式は、導入の必要性も合理性もない。1人別枠方式は、制定当時、既に違憲、違法だったと断ずるほかない。

 衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条1項は、各選挙区の人口の最多を最少で割った数が2以上にならないよう規定し、配慮しているが、規定の趣旨や書きぶりからみて、できる限り1対1に近づけることを目標としておらず、「誰もが過不足なく1票を有する」との理念を目指していない点で、合憲的に解釈することは困難だ。

 本件選挙での議員1人当たりの人口数の格差は、05年10月実施の国勢調査で高知3区と原告が所属する福岡2区との間で2・096。2倍を超える選挙区は48あり、憲法が求める投票価値の平等理念を大きく逸脱する。人口比例原則による配分の最大格差である約1・6とも大きな差があり、容認できないことは明らかだ。

 【合理的期間論】
 違憲判断には、国会による現実的、合理的な是正期間があったか否かを踏まえる必要があるとの「合理的期間論」がある。合憲に改める作業に着手した後、一定の猶予期間を想定し、なお放置した場合に違憲と判断すべきというものだ。最高裁判決が1人別枠方式を合憲と評価していることを視野に入れれば本件でも検討が必要となる。

 しかし、1人別枠方式は制定当初から、憲法が求める投票価値の平等に明らかに反する上、区割りは議員の存立基盤であり、ほかからの問題提起や司法による救済判断に安住することなく、自ら率先して見直しを図るべきなのに、その努力をしない点が問題。区割りに関して合理的期間論を採用すること自体疑問だ。

 最大格差が2倍以上である状態を前回選挙から4年近く放置し、選挙当日の最大格差は2・304まで達し、2倍を超える選挙区は45に上った。仮に、区割り規定が、制定当時に合憲だったとしても、その後、人口の変動などにより、違法性を帯びるようになったというべきだ。是正する姿勢をまったく見せないままに放置した国会の不作為は、裁量の範囲を逸脱している。合理的期間論を採用しても選挙は違憲というべきだ。

 【結論】
 請求は、福岡2区の選挙が違法という点で理由があるが、無効とした場合の公益の著しい障害などを考慮すると、請求を棄却し、選挙の違法を宣言するのにとどめるのが相当だ。

   違憲判決 /出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 
日本では特に、最高裁判所による判決をいう。ただし、下級裁判所も違憲審査権を行使することはできる。しかし、下級裁判所の違憲判決については必ず最高裁判所への上訴が認められる(民事訴訟法第312条・第327条・第336条、刑事訴訟法第405条第1号・第433条など)ため、確定判決としての違憲判決は原則として最高裁判所が下すこととなる。

 仮に特定の案件に関して最高裁判所への上訴がなされずに確定したとしても、その憲法的論点については、その後、他の案件にて最高裁判所が審理した際に異なった判断がなされる可能性があることから(これはいわゆる判例変更にはあたらない)、終審裁判所としての最高裁判決が特に重みがあるとされる。

最高裁判所で違憲判決を出すには、15名で構成される大法廷において最低9人が出席し、最低8人が違憲判決を支持することが必要である。


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