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てらまち・ねっと



 東京電力福島第一原子力発電所の独立調査機関である「事故調査・検証委員会」の中間報告が公表された。
 報道は「人災をあばく」などと評している。
 つまり、原発事故は「関係者の失敗が原因」と取れてましう。
 しかし、本質は、原子力発電という技術の問題が第一義的。
 そこを薄れさせるような報告書と報道は責任が重い。

 もちろん、関係者の責任は重い。
 そうなのに、当の東電は、報告書に反論する。
 例えば、次の反論。
冷却装置の仕組みについて、社員の認識にばらつきがあったものの、電源が失われるなかで、運転状況を推定するのは困難だった。

 無責任極まりない。東電体質が見事に出ている。

 なお、報告書の終わりを読んでみた。
 【それが端的に表れているのが「原子力は安全である。」という言葉である。
 一旦原子力は安全であると言ったときから、原子力の危険な部分についてどのような危険があり、事態がどのように進行するか、
またそれにどのような対処をすればよいか、などについて考えるのが難しくなる。

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●東京新聞/ 政府の福島第一原発事故調査・検証委員会中間報告の詳報は次の通り。
  ★1~4章
  ★5~7章

●福島原発事故での日本政府の4つの過失、調査機関が中間報告(1)(2)(3)
        サーチナ・トピックス 2011/12/28(水)
東京電力福島第一原子力発電所の独立調査機関である「事故調査・検証委員会」は、26日、中間報告を発表した。政府と原子力発電所の運営会社である東京電力の事故対応に混乱があり、多く問題点があったと指摘した。28日付で中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

■<東日本大震災>福島原発 -  
 災害が想定を超えたことは「理由にならない」

  507ページに及ぶ報告書のなかで、独立調査機関は、政府と原発運営会社・東京電力を原発事故の防止という大局観に欠けており、原発事故や自然災害が同時に発生することを予見せず、事前措置を怠ったと言及している。

  東京電力に対しては、事前の内部調査で放射能漏れの理由として「津波の規模が想定外だった」ことを挙げているが、今回の報告書では「(政府と運営会社は)原発事故の防止面で大きな問題があった」として、津波の規模が想定外だったことは、「状況を制御できなかった言い訳にならない」としている。

  また、報告書では政府が「想定外の現象」という言葉で福島原発事故を表現している点について、自己責任を軽視しようとするものと批判している。

  日本政府は、原発事故が発生してから、情報をすぐに市民に公開せず、内部責任を明らかにしなかったことが直接危機対応に影響したと指摘。ついで、災害救助の過程においても、日本政府の中枢部門、原子力安全保安院、東京電力で情報共有が十分に行われなかったことが事態の拡大を招いたと厳しく批判した。

  原発事故が発生してから、政府は逃げの姿勢で、原子炉が深刻な状況にあることを認めず、危機情報の市民への公表を遅らせた。そのほかにも、放射能が拡散してから、政府が適時、放射能の影響が及ぶ地域へ情報を公開しなかったことで、緊急避難が必要だった地域住民が放射能の影響を受けることになった。

  情報公開の遅滞以外にも、事故原因・検証委員会は、日本の原子力管理機構と原子力エネルギー産業発展機構が同じ部門に属していることが、原発事故対応に影響したと批判している。

 数百人の政府担当者、関係者にリサーチ

  「事故原因・検証委員会」は東京大学名誉教授の畑村洋太郎氏を委員長として、6月から福島原発事故を調査してきた。この調査委員会は2012年に当時の首相だった菅直人氏への質疑を予定しており、12年夏の最終報告提出をめざして、引き続き調査を行う。12月16日までに、委員会は東京電力の管理職、内閣構成員、そのほかの政府職員など456人にリサーチを行った。

  日本政府が犯した4つの過失
  ●過失1
  放射能漏れ事故防止の大局観に欠け、事前の準備を怠った。

  ●過失2
  「想定外の現象」という言葉で原発事故を表現し、責任を軽減しようとした。

  ●過失3
  原発事故発生後、すぐに情報を公開せず、悪影響を残した。

  ●過失4
  原子力管理機構と原子力エネルギー産業発展機構を同じ部門に所属させたことで、対応に影響を与えた。


  菅直人氏の被災地視察が多大な混乱を招いた。

  独立調査委員会の報告書では、当時の首相であった菅直人氏の責任も直接追及している。
3月11日に大震災が発生してから、菅氏は夜7時03分になってやっと、「放射能緊急状態」を宣言している。
しかも午後5時42分には、当時の経済産業大臣であった海江田万里氏が直接、東京電力から報告を受け、緊急に首相官邸に出向き緊急事態宣言を要求していたにもかかわらず、菅氏が6時すぎに野党の会議に参加しなければならなかったという理由で宣言が1時間以上遅れた。

 報告書では、菅氏が12日にヘリコプターで被災地の視察に出向き、原発の緊急作業に関与したことに対し、当時、原発の現地では菅氏がこのような切迫している状況下で視察に来ることに懸念を示していたことを明かしている。原発の所長であった吉田昌氏の当時の談話として、「大勢の管理職に首相を接待させず、私一人で対応すればよかった」という証言を載せている。

  作業員の経験不足が被害を拡大

  報告書は原発の運営会社の東京電力について、1号機ユニットで水素爆発が発生したとき、全作業員に緊急冷却装置の操作経験がなかったことを明かしている。

  緊急冷却装置の操作ミスにより、原発の技術者は適時、原子炉に注水できず、危機対応が4時間遅滞した。当時の技術者がこの緊急冷却装置が正常に運転しているものと思い、システムの警報シグナルに注意を払わなかったことで、原子炉のメルトダウンをもたらしたという。

  また2008年、当時の東京電力分析員が、福島周辺海域に15メートルを越える津波が発生する可能性があると認識していたが、東電の責任者はこれを参考数値に過ぎないとして、何も対応措置を研究しなかった。当時の日本の経済産業省・原子力安全保安院もこの評価報告書を受け取っていたが、東電に対してなにも対応措置の要求を行っていなかったことを明かしている。(編集担当:米原裕子)



●東日本大震災 原発事故中間報告/東電と国による「人災」暴く
      河北 2011年12月28日水曜日
 過酷事故への備えや、当然講じるべき対策をことごとく怠っていた。発生後の対応もお粗末の一語に尽きる。
東京電力と規制機関である経済産業省原子力安全・保安院とのなれ合いも、事故の一因となった。

 福島第1原発事故をめぐる政府の調査・検証委員会の中間報告。
安全神話を過信し、あぐらをかいてきたことのつけが、いかに大きかったかを指弾する内容と言える。
 事故後、「想定外の事象が起きた」との発言が繰り返されたことについては、たとえ発生確率が低くても「あり得ることは起こり得る」と考えるべきだったと厳しく批判した。
 決して事故を起こしてはならない原発を手掛ける関係者の災害、事故への心構え、対策があまりに不適切だったことに、驚きを禁じ得ない。ここまで不手際が重ならなければ、被害拡大を防げたのではないか。

 最終報告は来年夏で、今回は判断を先送りした事項もある。当時の閣僚の聴取を含め、どこまで真相を明らかにできるか。慎重に見極めていきたい。
 中間報告の要点の一つは、事故を未然に防止する機会はなかったかだ。東電が、政府の地震調査推進本部の見解に基づく2008年の試算で、最大15.7メートルの津波が起こるとの結果を得ていたことが重視された。

 この時、東電の担当者は防潮堤を造れば数百億円の費用と約4年の時間が必要だと指摘。幹部らは「そんな津波は実際には来ない」と断言したという。
 貞観津波の研究でも9.2メートルの津波が起こると評価され、09年に東電が保安院に説明。しかし、保安院側は対策工事を求めず、上司にも報告しなかった。

 08年の試算については、保安院が大震災直前のことし3月7日になって把握。「早く津波対策を検討し、報告書を出してほしい」と述べたものの、対策工事を求めることはなかった。
 東電は安全性の確保を第一に考えるべきなのに、経済性にこだわるあまり、津波による過酷事故への備えを放棄した。そう非難されても仕方あるまい。対策を指示すべき保安院も、自らの役割を全く果たさなかった。

 両者のなれ合い、原発を推進する経産省に規制機関の保安院があることの弊害が、最悪の事態を招いたのは間違いない。
 事故後、官邸と関係省庁、東電との情報共有が不十分だったことや、原子炉冷却作業で不手際が続いたことも指摘された。

 第1原発1号機では、原子炉冷却の最後の手段である非常用復水器を作動した経験がある運転員が1人もおらず、作動状況を正しく認識できなかった。
 これが1号機への海水注入を遅らせ、蒸気を放出して圧力を下げるベントに時間がかかった原因とされる。停止した装置が稼働していると誤認したことが燃料溶融を早めたことも分かった。あぜんとするばかりだ。
 十分起こり得る複合災害を「想定外」に追いやり、対策を怠ったことが招いた事故。
「人災」だったことは誰の目にも明らかだ。これでは原発維持を肯定することなど到底、できない。

●東日本大震災:福島第1原発事故 東電「事実一部異なる」 政府事故調の中間報告に反論
         毎日新聞 2011年12月28日 
 東京電力福島第1原発事故で、政府の事故調査・検証委員会の中間報告に対し東電は27日、事実認定が一部異なるなどと反論した。

 報告で(原子炉の冷却機能が失われる)15メートルを超える想定津波の試算があったにもかかわらず、過酷事故対策に活用しなかったと批判されたことに対し、松本純一原子力・立地本部長代理は同日の記者会見で「試算は十分な科学的合理性がなかった」と主張。「3月11日以前に想定した過酷事故については、自主的に対策に取り組んでいる。国や(内閣府)原子力安全委員会も不十分と言わなかった」と述べた。

 また、3号機の冷却装置「高圧注水系」(HPCI)を運転員が手動停止し、注水が途切れたことを「遺憾」と指摘されたことについては、「別の代替注水への切り替えが可能と判断したうえでの操作」と反論。1号機の冷却装置「非常用復水器」(IC)の仕組みを発電所幹部や東電本店が把握していなかったため、ICの停止に気付かず代替注水が遅れたとの指摘に対しては、「知識があったとしてもICの状況を知るのは困難だった」と強調した。【比嘉洋】

●東電 “「中間報告」は認識違う”
          NHK 12月27日 16時9分
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、政府の事故調査・検証委員会が公表した中間報告について、東京電力は、「真摯(しんし)に受け止める」としたものの、事前の津波対策や事故後の原子炉への対応に関する指摘や批判に対しては、認識の違いを主張しました。

政府の事故調査・検証委員会が、26日、公表した福島第一原発の事故の中間報告について、東京電力の松本純一本部長代理は会見で、「内容を真摯に受け止める。事実認定に大きなそごはない」と述べました。

一方で、中間報告で事前の津波対策について、「福島第一原発が10メートル前後の津波に襲われるおそれがあるという試算を3年前にしながら、対策を取らなかった」と指摘されたことに対し、松本本部長代理は「あくまで試算にすぎず、科学的な合理性があるかを調査しているところだった」と反論しました。

また中間報告では、事故後の1号機と3号機で、非常用の冷却装置への認識不足や情報共有の不備があり、原子炉の冷却の遅れにつながったと批判しています。
これに対して、松本本部長代理は「1号機では冷却装置の仕組みについて、社員の認識にばらつきがあったものの、電源が失われるなかで、運転状況を推定するのは困難だった。また、3号機では、現場と発電所長を含めた幹部が、冷却装置が止まればポンプでの注水に切り替えると事前に情報を共有していた」と改めて説明し、認識の違いを主張しました。

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
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 概要版 
中 間 報 告(概要)
平成23年12月26日
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
目 次
1 はじめに 1
2 事故の概要 1
3 事故発生後の政府諸機関の対応の問題点 2
(1)原子力災害現地対策本部の問題点 2
(2)原子力災害対策本部の問題点 3
(3)残された課題 4
4 福島第一原発における事故後の対応に関する問題点 4
(1)1 号機のIC の作動状態の誤認 4
(2)3 号機代替注水に関する不手際 5
(3)1 号機及び3 号機の原子炉建屋における爆発との関係 6
5 被害の拡大を防止する対策の問題点 6
(1)初期モニタリングに関わる問題 6
(2)SPEEDI 活用上の問題点 7
(3)住民避難の意思決定と現場の混乱をめぐる問題 8
(4)国民・国際社会への情報提供に関わる問題 9
(5)その他の被害の拡大を防止する対策についての考察 9
6 不適切であった事前の津波・シビアアクシデント対策 10
(1)不適切であった津波・シビアアクシデント対策 10
(2)東京電力の自然災害対策の問題点 12
7 なぜ津波・シビアアクシデント対策は十分なものではなかったのか 13
8 原子力安全規制機関の在り方 14
9 小括 15
10 おわりに 16
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
● 2011.12.26 中間報告

     ★Ⅶ これまでの調査・検証から判明した問題点の考察と提言
10 おわりに
・・・福島第一原発で平成23 年3 月11 日に深刻な原子力災害が発生した直後、
関係者から、「想定外の事象が起こった。」との発言が相次いだ。「想定外」
とは、「このような事象が起こることを考えていなかった。」との意味であ
ろう。しかし、多くの国民はこの言葉を聞いたとき、「考えていなかった。」
という意味だけではなく、「想定できないことが起こったのだから仕方がな
い。自分たちには責任がない。」という意味を持つ発言と受け取り、責任逃
れの発言だとの印象を持った。当事者たちは「想定外」というが、このよ
うな厳しい状況を想定することが関係者の責務であったはずだ、と考えた
のである。

「想定」と「想定外」とは一体どのような含意を持った言葉だろうか。「想
定する」とは、考える範囲と考えない範囲を決め、境界を設定することで
ある。人間は物事を考えるとき、考える範囲を決めないときちんとものを
考えることができない。そこで、物事を考えようとするとき、どの範囲ま
でを考えることにするかという境界を設定する。この境界を決めた後は、
その境界の内部について詳細に考えを進め、考えを作り上げていく。


それでは、境界はどのようにして設定されるのであろうか。境界は様々
な制約条件の影響を受けて定まる。経済的な制約はもとより、社会的制約、
歴史的制約、地域的制約等の様々な制約があり、その制約を満たすように
境界が設定されていく。これらの制約は、明示的に示されているものばか
りではない。どこにも文言として明示はされていない、関係者間の暗黙の
前提という形をとる制約も存在するということに注意が必要である。

一方、境界の外側については「考えない」と決めたことになるので、考
えなくなる。いったん想定が行われると、どのような制約の下にその境界
が作られたのかが消えてしまう。ことが起こった後で見えるのは、この想
定と想定外との境界だけである。境界がどのようにして決まったかを明ら
かにしなければ、事故原因の真の要因の摘出はできない。


今回の事故では、例えば非常に大きな津波が来るとか、長時間に及ぶ全
交流電源の喪失ということは十分に確率が低いことと考えられ、想定外の
事柄と扱われた。そのことを無責任と感じた国民は多いが、大事なことは、
なぜ「想定外」ということが起こったかである。


原子力発電は本質的にエネルギー密度が高く、一たび失敗や事故が起こ
ると、かつて人間が経験したことがないような大災害に発展し得る危険性
がある。しかし、そのことを口にすることは難しく、関係者は、人間が制
御できない可能性がある技術であることを、国民に明らかにせずに物事を
考えようとした。それが端的に表れているのが「原子力は安全である。」と
いう言葉である。一旦原子力は安全であると言ったときから、原子力の危
険な部分についてどのような危険があり、事態がどのように進行するか、
またそれにどのような対処をすればよいか、などについて考えるのが難し
くなる。
「想定外」ということが起こった背景に、このような事情があった
ことは否定できない。

何かを計画、立案、実行するとき、想定なしにこれらを行うことはでき
ない。したがって、想定すること自体は必ずやらなければならない。しか
し、それと同時に、想定以外のことがあり得ることを認識すべきである。
たとえどんなに発生の確率が低い事象であっても、「あり得ることは起こ
る。」と考えるべきである。

発生確率が低いからといって、無視していいわ
けではない。起こり得ることを考えず、現実にそれが起こったときに、確
率が低かったから仕方がないと考えるのは適切な対応ではない。確率が低
い場合でも、もし起きたら取り返しのつかない事態が起きる場合には、そ
のような事態にならない対応を考えるべきである。今回の事故は、我々に
対して、「想定外」の事柄にどのように対応すべきかについて重要な教訓を
示している。

今回の原子力災害は、まだ終わってはいない。現在も、長期間にわたる
避難生活を強いられ、あるいは、放射能汚染による被害に苦しんでいる多
くの人々がいる。被ばくによる健康への不安、空気・土壌・水の汚染への
不安、食の安全への不安を抱いている多くの人々がいる。こうしたことを
銘記しながら、平成24 年夏頃に予定している最終報告に向けて、当委員会
は更に調査・検証を続けていく。



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年の瀬のギリギリに野田政権は、国民に爆弾をぶつけてきた印象。「武器輸出三原則の緩和、事実上の大転換」。辺野古評価書の提出の強行。消費税問題もあって、民主党の解体が進む。自民党政権よりはずっといいけど⇒◆野田政権 崩壊始まる⇒http://t.co/XvSeNDp9
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