車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

般若寺のコスモス in 奈良市般若寺町

2023年04月21日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・奈良県

奈良坂を登りきった奈良市般若寺町に位置する「真言律宗寺院:法性山 般若寺(はんにゃじ)」。重要文化財指定の『文殊菩薩』を本尊とします。通称、コスモス寺の名で知られ、公式HPには「日本最古のコスモス名所」とあります。

どこも同じかもしれませんが特に古都と呼ばれる地域の寺社には、重文級の建物が驚くほど多く現存します。ここ般若寺も例外で無く、入母屋造・本瓦葺きの「楼門」は重文を飛び越えて「国宝」の指定。

記事の最初に紹介した画像の中央に見えているのは、重要文化財の「十三重石宝塔」。建長5年(1253)頃、南宋から来日した石工『伊行末(いのゆきすえ)』により建立されたもので、日本の代表的な石塔とされています。

「十三重石宝塔」の横に残る「石造相輪」

またその息子『伊行吉(いのゆきよし)』によって建立された石塔婆も、「考古資料」として、重要文化財に指定されています。

歴史の重みを受け止めてきた古都の寺院と、秋の風情を優しく包み込むコスモスの取り合わせ。こんな風景を目の当たりにすると、地獄の渋滞を必死で抜けて此処まで来た苦労が報われます(笑)

、その核となる本堂は寛文7年(1667)『妙寂院高任・妙光院高栄』が勧進して再建。屋根は入母屋造りで外陣は吹き放しとする古様の形式を残しており、奈良県指定文化財。

また、『大塔宮・護良親王』が唐櫃に隠れ危難を逃れられたと伝えられる切妻造の「一切経蔵」は、鎌倉再興期の建立とみられ、重要文化財の指定を受けています。

ふうわりと風に揺れるコスモスを見ていると、通りの向こうでじりじりと進む観光バスの列もどこか別の世界のように思えるほど・・・・本当に此処は静かで時間がゆっくりと流れています。

本堂を背景に、「かんまん石」の上におわすのは「不動明王像」

「西国三十三所観音石仏」は、元禄15年(1702)山城国北稲八間の寺島氏が病気平癒の御礼にと奉納したもの。

コスモスの向こう側で穏やかに佇む石仏たち・・その何ともいえない優しさに触れていると、亡くしてしまった大切な人の顔が重なって、不意に涙ぐみそうになります。

この道を真っ直ぐ進んだら何処に行くのだろう・・。

梵字が彫り込まれた「藤原頼長公供養塔」。崇徳上皇に仕え、保元の乱の謀主とされた人物だそうです。

一石五輪塔」「板碑石仏」等々・・・

地蔵様や供養塔が建ち並ぶコスモスの通路。仲良く並んだ供養塔はいつからここに在るのでしょうか? 偶然写り込んだ不思議な光はどこから?

しばしのまどろみに羽を休める蝶々

境内の全ての建物を包み込んで風に揺れるコスモス。

何所を切り取っても絵になる美しさは、私達のような素人がシャッターを押してもそれなりに「様」になります(*^^*)

次々と訪れる参拝者や観光客で、コスモスの通路も混雑し始めました。 でも・・・確か拝観受付の所に注意がありましたよね。「三脚の使用は禁止!」って。綺麗な写真を撮りたい気持ちは理解できますが、マナーを守らないと、綺麗な花が泣きますよ。

御詠歌【 み仏の めぐみもふかき般若台  ももの願いを かなえたまわむ  】

訪問日:2005年10月1日

 


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2 コメント

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Unknown (まかろん)
2023-04-21 20:45:59
>「日本最古のコスモスの名所」

なんとまぁ。
コスモスの名所に最古とか考えたことがありませんでした。

さすが奈良。👏

こうしてお寺と一緒に見ると、
明るいコスモスがなにやら不穏に見えます。

なにか語るような、なにか不吉を秘めているような・・。
そういう雰囲気の花は彼岸花だけかと思っていました。

いやはや、意外でした。

不吉、なんて言ってしまって気を悪くしないでくださいね。
そう見えたってだけです。


昨日の返信で優しい言葉をありがとうございます😊
お医者通いはいかがでしたか?

のんびり週末を過ごされますように🙏✨
返信する
Unknown (tibineko)
2023-04-22 01:20:38
コスモスに不穏を感じる
まかろんさんらしい視点かもしれないと思いました。
一枚の写真(絵)から見えてくる景色
その時々に見せる景色は
その時々の人の心に左右されるものだと思います。

今日は愛しい愛猫の命日でした。
お線香の香り・・白檀よりも鮪の香りの方が良かったかななんて
おバカな事を考えていました。
一年・・長かったのか
あっと言う間だったのか
写真に語り掛けても返事はないのですけどね・・

気が付いたらいつの間にか、もう昨日になっていました。
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