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伊豆の長八美術館~其の一 in 静岡県松崎町

2018年11月01日 08時00分00秒 | 日本の伝統・芸能・技の美

昨日参拝した「浄感寺」とは目と鼻の先にある、入江長八の作品約50点を展示した「伊豆の長八美術館」。公式HPに「長八美術館の生みの親『石山修武氏』この町との出会いを「奇跡的な出会い」と話し、伊豆松崎出身の入江長八という鏝と漆喰の名人職人を知り、建築家として伝統の左官技術のすばらしさを一般の人に知ってもらいたい。 その心が松崎町活性化事業と共鳴し、長八美術館が誕生した。」とあります。

全国から腕に覚えのある左官職人たちが伝統の技を競って作り上げたという白くモダンな外観。監修にあたったのは、そのモダン&奇抜な建築で数々の賞を受賞した建築家『石山修武氏』。中央エントランスの両側に伸びる壁の仕上げは、耐久性の高さで知られる「土佐漆喰」を使用。

建物の前庭に造られたハスの噴水は、淡路の瓦職人『山田脩二氏』の作品。

エントランスの天井には、昭和を代表する左官職人『手塚忠四郎氏』の「花を持った天女」。 真っ白い世界の中で、天女の体が生み出す陰影はどこまでも神秘的。

いよいよ憧れの伊豆の長八の鏝絵と対面できる・・二人ともまるで憧れのスターにでも会うようなドキドキ感で胸が一杯。

一般的に鏝絵というと、蔵の扉とか壁など、建物の外観を装飾する目的のものが主流ですが、その鏝絵に日本画の技法を取り入れ、一つの芸術品にまで昇華させたのが『伊豆の長八』。「富嶽旅愁」の繊細で緻密な日本画が、実は鏝絵ですと言われて、そうなのかと思いながら見ても、にわかには信じがたい程。

「黄金に染まる霊峰富士」。金泥をあしらった富士山を包み込む光も黄金色に輝き、まさに霊峰の名に相応しく・・。 ルーペで見ると、確かに漆喰の盛り上がりがわかる・・緻密という言葉でも足りない・・表現する言葉が浮かばない。(ルーペは受付で貸し出ししてくれます)

掛け軸に描かれた「青不動明王」は、長八:七十四歳の時、精魂を傾けて描いた作品と云われています。実際はもっとたくさんの神仏・人物が描かれているのですが、映りこんだ光が邪魔をして白くぼやけてしまい、部分的な紹介となります。

不動明王の最上位にある青不動に詣でる母子。揃えた青の着物は明王への帰依の証・・・・

大数珠回しを見守るのは不動明王に仕える童子なのか・・

白いハス花のうてなに立つのは「白衣観音」。もちろんこれも、漆喰で描かれた鏝絵です。

天岩戸開きで大活躍をした『天鈿女命(あまのうずめ)』。目を合わせた瞬間に自然と頬が緩んで笑顔になれる・・・そんな眼差しに出迎えられます。「古事記:岩戸開き」の記述に【胸乳をあらわにし】の場面。ちなみに天鈿女様は神楽・芸能、さらにストリ(二文字自粛)の祖神とされています(^^;)

「黄鶴楼(こうかくろう)」。おそらく『李白(りはく)』の詩の一節を題材とした漆喰鏝絵かなと・・・ふとそう感じただけで確証は全くありません(笑)。

まだまだたくさんの作品が展示されているのですが、写真に残せたのは十数点のみ。 当然ですが、どの作品もガラスケースに収蔵されており、そこに館内の灯りが写りこみ画像で見るにはかなり無理が・・。 とはいえ、これだけの作品の撮影がOKだと言う事に対して、何をおいても感謝しかありません。たとえ光の反射に邪魔されようが、目を細めないと判らないピンボケだろうが、実際にその作品を見てきた私たちには、ぼやけた画像の向こうに鮮やかな姿が見えるのです。

明日は、そんな保存画像から、まともに見える数少ない残りの画像を紹介しようと思います。

訪問日:2011年11月9日

 


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