チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

「山のお肉のフルコース」著・有馬邦明

2014年12月09日 | 読む見る聴く&思う

 

 読んだ本をブログで紹介するのをたまーにする、年一度くらい。

今回はうちが通う図書館に、わたしが初めて「この本買って下さい」と

リクエストして購入してもらった本。初めての購入希望!

 

  

有馬邦明・著「山のお肉のフルコース」うつくしい本なのです。

 

最初この本はふつうのレシピ本かと思ってた。

だって帯がこうなんだもん。

 

見出しにあるような「クマの脂のアイスクリーム」や「シカのテリーヌ」の作り方が載ってるんだと。

 

たしかにその行程はシンプルに書いてはあるけど、読んでみるとこの本はそれだけではなく

有馬シェフのジビエへの使い方、山の動物たちを撃つ猟師さんたちのこと、

ジビエを扱うことで考えるようになったこと、ひいては食べるいただくということについて、

までが綴ってあるエッセイなのだった。

 

 

「passo a passo」に持ち込まれる食材は、その土地で猟師さんに丁寧に射止められ、

正しい処置を施されたものばかり。

猟師さんたちが猟で発揮するプロの五感を、有馬シェフも調理に際し駆使する、プロの五感を。

それがこの本に現れている。

脂の溶けるようすを見、熱を感じ、煮込んでいく際の香りの変化を感じ取り、

皮を剥いでいくその感覚、そして生きていたときの姿に思いを馳せる。

 

うつくしいものは、おいしいんだ。

 

 

このひとが山に来てくれたらどんなんだろう??ふと思う。

山からの恵みをあますところなく使い尽くし、さらにそれが美味しいのだから!

技術ってすごいなあ。こういうのが技術っていうんだな。

有馬シェフ、イタリアの修業先でのはなし。

「イノシシ、車ではねちゃったんだけど、料理してくれんかな」なんて持ち込みがあったり

野うさぎの持ち込みがあったらしい。そこのあなた、持ち込みたいと思うでしょう、ねっ!

 

東濃地区だけでなく全国の山間地に住む方々に読んでほしいなあ~と思う一冊。