夏になると葛はそこらへんに蔓をのばし、その繁殖力をこれでもかー!というくらいに
見せつけて、暑苦しいったらない。
ひと昔はこの葛のつよい繊維を利用して、葛布を作っていたらしい。いったいいつごろなのか。
利用されていたのは綿などが出回り出す前の、ほんの短い期間だったみたい。
一度作ってみたいねと昨年友人たちのあいだで話が出て。
そして今年、実際やってみることになりました。
まずはテストとして1kgだけ採取。
葉っぱを落として鍋でグツグツ煮る。
刈り取っておいた草の上に寝かし
ビニールシートで雨露をしのぎ、発酵させる。
ツルの芯や表皮がとろけてそれを水で洗い流しながらしごいてみると
こんなしろい繊維がのこる。
葛を刈り、葉を落とし、茹でて・・・の一連の作業は単純なんだけど
きっとわたしが知らないところでもっと深いはずで。
でもわからないなりにやってることが、すごく楽しい。
陶器をずっと作ってきたけれど、こういう作業から離れたとこにいた。
この楽しさになんで近づかなかったかな。
さてこの繊維をどうするか?!試行錯誤はつづく。
実は軽くて艶があって、信じられないぐらい美しい
布ですね。カーテンなどにしたら、天国のようだと
思います。
紙をつくる工房なども地方に旅行すると行くのですが、
煮たり洗ったり、繊維を取り出すまでにはとても
ご苦労があるのですね。こういう植物が旺盛な生命力
で、繁殖しているのも嬉しいし、又それを繊維にして
織るということを考えたいにしえの人たちにも
どういう経緯でそれを知ったのか、教えて欲しいですね。
こちらに行けばワークショップもあるようなんですが
わからないなりに失敗もしながら、作業自体をまず楽しんで〜と思ってます。
でもその歴史は知りたい!
友だちが「別冊太陽 日本の自然布」という本を貸してくれました。これがすばらしい本で、各地の自然布のなりたちと、行程、作品が載ってました。tenfingersさんお好きだと思いますよ(廃版なんですが!)
しかしこういう作業を子どもとやるといいなあと思いました。安く出回る衣料品の山、ほんとはこんなに大変な行程があるんだって知ると、また違ったものが見えてきますよね、きっと。
供給するには大変なご苦労があるのだと思います。
個人の窓辺を飾るぐらいならともかく、
後世に葛布という名を残すぐらいまで
極めるのは大変だったと思います。
廃版だって、Amazonにあれば、読んでみたいですよ。
我が家の子供たちはあまりこういう話で刺激すると
興奮し過ぎるので、(今はもう大人なので、でも、ちょっと
心配?)私はひそかにこの種のことは楽しんでいました。
でも内容がすごいので、できれば再版してほしいです。
こういう作業はやっぱりみんな好きなんですね!
ニンゲンのカラダにきっと一番しっくりくる仕事なんじゃないかしら。いい疲れが来ますよね〜