ウチは今18歳息子の受験の色に染まっている。
自分のときのことを、昨日のことのように思い出す。
いまだに夢の中で「明日試験なのにできてない!」って何度も焦る。
今実際にそのような体験をしているのが息子であり
息子の気持ちがこちらに伝わってきて、こちらまで同調してしまうのが苦しい。
大学に行かなくてもしあわせな満足感を得るひとはたくさんいる。
いるんだけど、若い当事者はそんなことを話しても聞いていなくて
目先の、数ヶ月、数週間先のことだけしか頭に入らない。
自分もそうだった。。。
こちらまで気持ちを揺さぶられていては、家の中すべてが不安定になってしまう。
そんなときふんわりした毛糸、好きな色を合わせた毛糸たちに触って
ひと針ひと針編んでいくと頭の中が真っ白になって
もしかしたらこれが「禅」?
などと悟ったような気持ちになってくる。なんて心地いい時間。
毛糸はひと昔セーターか何かだったようで、ラーメンみたいに縮れているものが多い。
それをくるくる丸め直すのも、いい作業。
途中で染めるのもいい作業。
このカゴの中にあるグレーの毛糸は、もともと薄い単調な灰色だったものを
栗の渋皮煮ででた煮汁で染めたもの(鉄媒染)。
少しでも自然の色が入るだけで雰囲気がちがう。
三色の靴下は裏山に落ちていたら、枯葉にまぎれて見つけられないかも。
春になったら土を耕して、タネを蒔いて、芽が出るのを見る。
そうすると受験とか不安とかは、もっと大きい何かに包み込まれていく。
早く春になーれー。
こんな気持ちなのでしょうか。
私は親になって子どもの巣立ちは初めての経験で
心配が次から次へと頭に湧いてきて、寝ていてもふっと目を覚まします。
tenfingersさんも、こんな気持ちで息子さんを送り出されたのですね。
本人はさみしさよりも次のステップに出ていけることのワクワクがいっぱいで
それはそれで見ていて若木が春の雨を吸ってこれから伸びていこうとする様に似ていて
いいなあと思います。
こっそり私もついていって大学の講義とか受けたいな。。。
方向音痴なのです。高校もローカル鉄道1本で行けるところ
でした。大学入学後に引っ越した日、じゃあね、と街角で別れたら、自分の住まいと180度反対に歩き出したのにはびっくり。
運転免許の試験場は、駅までは行ってもそこから
現場までたどり着けなくて帰ってきて、後日しきりなおしました。
しかし今では世界中飛行機を乗り継いで一人で行けるようになったので、やれやれです。学会に親が付き添う
なんて、聞いたことが無いですものね。でも初めて一人で行くときには私が新幹線で息子のところに行って、
そこから空港まで一緒に行って、空港の中で迷子に
ならないように付き添って無事ゲートを通過する
息子を見送ったときは脱力しました。
宇宙に飛び立つようなお子さんを持った親御さんの
お気持ちはどんなでしょう。
大学まで新幹線や特急を乗り継ぎ
初めての土地で心細い思いをしながらテストを受けてきました。
ウチとしては交通費だけでもかなりの費用になるので
親はつきそわず、家で悶々と心配しながら帰宅を待っていましたが
本人は駅弁を買ったり、街の中で見ず知らずのおじさんから
「がんばれよ」と声かけてもらったりで
受かるかどうかは置いておいて、いい旅になったようです。
しかし親の心、子知らず・・・。
京都を目指していました。新幹線の駅に行ったら
旅行鞄を持ったお母さまと息子や娘という組み合わせの
心配そうな人たちが沢山いて、これは大変だ、こんなに
皆受験するのでは、受かるわけが無い!と絶望的な気持ちになりました。でも落ち着いて考えてみると、全員が同じ
大学を受ける訳は無くてみんな色々な大学に散るのよね
と思ったら、少し気分が良くなったのを思い出します。
関ケ原のあたりで雪が深くなり、何度も途中停車しながら
漸く着いた時には自分で新幹線を引っ張ったかのように
疲労しました。しばらくは受験の色々から抜け出せないかもだから、どうぞ気分転換しながら朗報を待ってください。
駅で、ボストンバッグをもった高校生を見かけると
みんながんばれ〜とココロの中でエールを送ってます。
このウイルスの大きな波の中、ストレスも大きいはず。
越えていってほしいです。
無事であっても無くても受かってもそうでなくても
受験の経験は尊いものです。