8月22日に全国公開された映画「南極料理人」、岡山市では上映なし
先日大学病院に診察に行った際に、時間待ちに見つけて買った本が、『面白南極料理人 名人誕生』(新潮文庫)だ。8月22日から全国公開されてる、堺雅人主演の映画「南極料理人」の原作本だと思って購入した。この本は、読んでとても面白い。
ただ、この「南極料理人」はシリーズで、既に『面白南極料理人』、『面白南極料理人 笑う食卓』と出版されているようで、今回は書き下ろしで三作目だと思われる。著者の西村淳さんはたくさんの著書も出版されているが、元海上保安庁の職員(今年退職)だが、「南極料理人」などという職名はないとのことだ。
さて映画「南極料理人」は、「8月22日から全国公開」と書いたが、岡山県内では現在は上映されていない。岡山市には、メルパグルーブ(ジョリー東宝含む)が5スクリーン、シネマクレールが2スクリーン、そして東宝岡南が10スクリーンあるが、それでも映画「南極料理人」は、上映されない。わずかに、倉敷の「ムービックス倉敷」で、ずいぶんと先の9月26日から上映の予定となっているのみである。
ここに、日本映画の現実があると思う。日本で制作された全ての映画が公開されるわけではない。いわゆる「お蔵入り」も少なくない。加えて、公開される全ての映画を全ての都市で見られるわけではない。今シネマクレールでロング上映されている想田和弘監督作品の「精神」は、想田監督の地元山梨でも上映される予定はないと聞く。
「映画」は、日本の大切な文化の一つであると考える。なのに、映画館のない市町村がほとんどである。映画館があっても、日本映画の場合には、東京・大阪などの大都市は別にすると、県都ですら上映率は、50%に達しないと言われ、地方では極めて低い現実がある。なんとかならないものだろうか。「映画は映画館で見る」、そのことで日本の文化である「映画」を、とりわけ日本映画を育てていきたいものである。
せっかくの大好きな食べ物を題材とした映画「南極料理人」が、見られない現実に直面して、少しだけ考え込んだ次第だ。