NHKテレビ「呼吸器を外して下さい 柳田邦男と患者が紡ぐ命の対話」
今日、岡山でも東京でも、桜の開花が発表された。今日訪れた東公民館の桜も開花していた。とても暖かい一日だった。しかし、明日からは木曜日くらいまで雨が続く。「晴れの国 岡山」でも、三月は雨の日が多い。
さて、昨晩のNHKスペシャル「呼吸器を外して下さい 柳田邦男と患者が紡ぐ命の対話」は、実に衝撃的であった。「ALS 閉じ込め症候群」の患者さんが書いた一枚の要望書を巡っての番組だった。
「ALS」=ALSは、日本語で筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)と呼ばれる神経の病気で、難病の一つに指定されています。
筋肉の動きを支配する脊髄の運動ニューロン(運動神経細胞)が侵されるため、からだが動かしにくくなったり、筋肉がやせ細ってきます。現在、日本には平成20年度の統計で約8,300人の患者さんがいます。
閉じ込め症候群 locked-in syndrome
意識障害はないが、運動機能が完全に麻痺した状態をいう。脳底動脈血栓症による脳幹梗塞で、随意運動の遠心路 が障害されたものである。 眼球運動は維持されており、眼開閉により意思疎通が可能である。
僅かに動くこめかみの動きを、家族がパソコンで言葉に変えることで意思表示が可能なある患者さんが、書いた一枚の要望書。それは、「自分で意志表示ができない状態になったら、人工呼吸器を外してください」というものだ。
番組では、二男が自ら命を絶った経験を持つ作家・柳田邦男が、その「閉じ込め症候群」で、意識はハッキリしているのに、目を開けることも話すこともできない患者さんが書いた要望書を巡って、患者さんやご家族と紡ぐ命の対話を映像で伝えていく。
番組では同じ病気の患者さんが、「呼吸器をつけて生きるのが後ろめたいとなる社会になってしまう心配がある。私は天寿まで生きる」と語られた。
私は、ドキリとした。かねてから「延命治療は不要、人工呼吸器の装着も不要」と家族に言ってきた。だから、「天寿まで生きる」との発言に衝撃を受けた。どんな状況であれ、それを引き受けて生きる覚悟を感じた。
人それぞれに人生の終わり方があるが、私はどういう終末を迎えるのだろうか。人生の終わり方を考えるのではなく、どう生きるかを考える必要があると、番組を見てそんなことを考えさせられた。