大橋家住宅での森田恵子さんの山本周五郎『初蕾』の朗読、心から酔いしれた
「ごらんなさい、この梅にはまた蕾がふくらみかけていますよ、去年の花の散ったことは忘れたように、どの枝も初めて花を咲かせるような新しさで、活き活きと蕾をふくらませています」。
倉敷にある築215年の国指定重要文化財の大橋家住宅の静かな佇まいの和室に、森田恵子さんの凛とした声が拡がってゆく。75分、まさに息すらもしないかのように、その朗読に引き込まれた。昨日はそんな素敵な時間を過ごした。
その催しは、「第7回朗読ラボ&ラブ ~山本周五郎『初蕾』~ 朗読・森田恵子」。これまで何度か森田恵子さんの朗読は楽しませてもらっているが、昨日は格別に感動し心から酔いしれた。
特別展「山本遺太郎 坂本明子 吉田研一 詩人3人展」、開幕が待ち遠しい
吉備路文学館で4月1日から開幕する特別展「山本遺太郎 坂本明子 吉田研一 詩人3人展」、これは待望久しい企画だ。岡山を代表した文化人であった山本遺太郎さん、しかし没後山本遺太郎さんという「岡山の文化界の巨人」とも言うべき方について、これまでその業績・功績をまとめたものが少なかった。
ただ演劇については、赤木愼平さんが、土曜劇場を中心にまとめているものがある。今回の特別展では、山本遺太郎さんの詩人としての側面を取り上げ、かつ私もご縁をいただいていた詩人・坂本明子さんも含めた特別展。ワクワクしながら、その開幕を待っている。
ところで、吉備路文学館の「鬱金桜茶会」が4月19日(土)に開かれる。これまた楽しみ。
「紙本・書籍保存修復士」の存在と、東日本大震災の被災地の活動を知った
映画「おくりびと」の大ヒットで、一躍知られた存在となった「納棺師」。東日本大震災での復元納棺師・笹原 留似子さんの、その後著書で知った。
そして堀米薫著『思い出をレスキューせよ! “被災地をつなぐ”被災地の紙本・書籍保存修復士』を読んで、「紙本・書籍保存修復士」なる存在を初めて知った。同時に、「製本家」である金野聡子さんの東日本大震災の被災地の活動も初めて知り感動した。
洗浄した写真は446,795枚。全ての写真を、関係者に返却することを目指して取り組まれ、ナント400,711枚が返却されているとのこと。写真の修復作業もスゴイが、ほぼ90%に達する返却率もスゴイ。
この世界、知らないことだらけ。様々な文化に接して、様々なことを学べる。それはいくつになっても、嬉しいこと。