無観客競馬で盛り上がりに欠ける競馬だが、明日は藤田菜七子がJRA通算100勝を達成し、沈んだ日本を盛り上げる。
菜七子の明日の騎乗は、福島競馬の5鞍だが、初っ端の1Rであっさり達成する可能が高い。レースは3歳未勝利戦ダート1150m、16頭立てで、菜七子は4枠7番のシルバージャックに騎乗する。昨年8月の新潟デビュー時から、菜七子が乗っている、いわゆるお手馬で、これまで6戦して2着3回、3着1回と惜しいレースが続いている。前走は4月11日の同条件のレースで、1番人気に推されたが、惜しくも3着と悔しい結果となった。今回はメンバーもかなり手薄で、普通に走れば勝てる。
もし、万が一、取りこぼしがあった場合も、今週はさらにチャンスがある。2レースの3歳未勝利戦芝1800mはシャトンに騎乗する。3走前の東京芝1800m戦で同タイムの2着と惜しい走りをしており、前で競馬をするだけに福島は合っている。興味深いのは、同レースで逃げそうな馬がこれまで菜七子のお手馬だったリメインオブザデイで、番手追走であっさり抜け出す可能性が高い。なんとしても菜七子を勝たせようという競馬サークルの意気込みさえ感じる。
ここでコケたら、またダメかと気落ちしそうだが、今週はなんとしても勝たせたいという悲痛なまでの競馬サークルの執念を感じるのが最終12Rエールステークスだ。3勝クラス芝2000mの特別戦で、菜七子が騎乗するのは6歳牝馬ナルハヤ。過去7戦は3、3、3、2、2、1、3、1着と好調を持続しており、特に年が明けてからの3戦が1、3、1とさらに調子を上げ、勢いはメンバー中トップといってもいい。6歳牝馬で成長する馬もなかなかいないが、好調の要因は昨年から菜七子が一貫して手綱を取ってきたことに尽きる。前走こそ、落馬負傷で浜中に手替わりしたが、それでも逃げ切った。昇級戦でも菜七子で気分良く逃げたら、押し切る可能性はある。同型のウインガナドルとの兼ね合いが鍵となるが、吉田隼人があっさりハナを譲ると見た。馬主が陣内孝則というあたりも、いかにもお祝いムードが漂う。
1Rであっさり達成も悪くないが、最後の最後に100勝達成というドラマも見てみたい気がする。