非正規雇用問題に思う-2
今回の、いわゆる「派遣切り」などの雇用問題の発生の背後には、日本の社会や経営が、この十数年の間にアメリカからの影響を強く受け、「長期的視野に立った人間中心の経営」から「収益重視の短期的視点の経営」に、特に大手企業を中心に傾斜してきたことがあるように思われてなりません。
アメリカ型の経営では、日本の企業も社会も救われないでしょう。しかし、アメリカで学んだ経営者や学者も多くなり、安易なアメリカ方式が雇用問題でもまかり通ったのでしょうか。やはり日本は、日本の文化と伝統に根ざした日本的経営の良さを、国内でも海外でも地道に実践していくべきではないかと思うのです。
現在起こっている非正規雇用の問題については、従来の日本的なアプローチを考えれば、いわゆる「3方1両損」でみなが納得し、結果的には最も前向きといった形が選択されてきていたのではないでしょうか。現に中小企業では、そうした企業は少なくないようです。
先ず経営者は、雇用が最も大事だと社内外に明言することで、企業の基本スタンスを従業員にも社会にも明らかにするべきでしょう。「雇用の安定は企業の社会的責任」と言うのは、従来の日本企業の不変の立場だったはずです。
正規従業員(の組合)は、業績の低下を認識し、十分経営と話し合った上で、 適切な順序を踏み、時限的な(場合によっては制度改定による)一人当たり人件費の削減( ワークシェアリングなども含む)を受け入れるべきでしょう。 長期不況の中での正規従業員の雇用と賃金の安定は、非正規従業員増加のお蔭だったことも理解すべきでしょう。
非正規従業員は、常に 職能の向上や生活の安定への努力を怠らず、こうした不況期には、ある程度の労働時間短縮なども受け入れ、企業全体と共に、不況期に耐える努力をするべきでしょう。帰る所があるのであれば、帰る事を考えるのも選択肢かもしれません。
これは日本的な「人件費の変動費化」です。そして、これらによって総額人件費が、企業の耐え忍べる範囲まで削減できれば、無理な雇用削減は避けられることになります。
かつて日本企業はこうした努力を積み上げてきました。今、改めて、日本の企業における、労使関係の知恵が試されているのです。
今回の、いわゆる「派遣切り」などの雇用問題の発生の背後には、日本の社会や経営が、この十数年の間にアメリカからの影響を強く受け、「長期的視野に立った人間中心の経営」から「収益重視の短期的視点の経営」に、特に大手企業を中心に傾斜してきたことがあるように思われてなりません。
アメリカ型の経営では、日本の企業も社会も救われないでしょう。しかし、アメリカで学んだ経営者や学者も多くなり、安易なアメリカ方式が雇用問題でもまかり通ったのでしょうか。やはり日本は、日本の文化と伝統に根ざした日本的経営の良さを、国内でも海外でも地道に実践していくべきではないかと思うのです。
現在起こっている非正規雇用の問題については、従来の日本的なアプローチを考えれば、いわゆる「3方1両損」でみなが納得し、結果的には最も前向きといった形が選択されてきていたのではないでしょうか。現に中小企業では、そうした企業は少なくないようです。
先ず経営者は、雇用が最も大事だと社内外に明言することで、企業の基本スタンスを従業員にも社会にも明らかにするべきでしょう。「雇用の安定は企業の社会的責任」と言うのは、従来の日本企業の不変の立場だったはずです。
正規従業員(の組合)は、業績の低下を認識し、十分経営と話し合った上で、 適切な順序を踏み、時限的な(場合によっては制度改定による)一人当たり人件費の削減( ワークシェアリングなども含む)を受け入れるべきでしょう。 長期不況の中での正規従業員の雇用と賃金の安定は、非正規従業員増加のお蔭だったことも理解すべきでしょう。
非正規従業員は、常に 職能の向上や生活の安定への努力を怠らず、こうした不況期には、ある程度の労働時間短縮なども受け入れ、企業全体と共に、不況期に耐える努力をするべきでしょう。帰る所があるのであれば、帰る事を考えるのも選択肢かもしれません。
これは日本的な「人件費の変動費化」です。そして、これらによって総額人件費が、企業の耐え忍べる範囲まで削減できれば、無理な雇用削減は避けられることになります。
かつて日本企業はこうした努力を積み上げてきました。今、改めて、日本の企業における、労使関係の知恵が試されているのです。