スタグフレーションを避けよう
春闘真っ只中で、担当する方々は、労働側も経営側も、種々苦労されていらっしゃると思います。賢明な日本の労使のことですから、おそらく誤った判断はされないと思いますが、老婆心か杞憂か、などと思いながら、つい書いてしまいました。
2009年度の日本経済の実質経済成長率はマイナスが予想されています。予想幅は、政府のゼロが最も楽観的で、日本銀行がマイナス2パーセント、その他多くのシンクタンクなどの予測はマイナス3パーセントまであるようです。
2008年度の第3、第4四半期の落ち込みがきついので、2009年度のマイナス幅はマイナスの下駄を履くことになり、低いところからさらに落ちるという意味で、下げ幅は小さくても、実態は数字より悪いといったことも起こりえます。
そうした中での賃金決定です。連合は、「ベア要求」と言う振りかぶった刀が何となく下ろせずにいるようですが、さいわい、日本の労使交渉は企業別です。企業の実態の良くわかった労使の交渉ということで、企業に過重な負担はかけないような結果になることを願いますが、日本経済と整合的な賃金決定ということになると、マイナス成長ですから、総額人件費(国民所得統計でいえば雇用者報酬)はマイナスにならなければなりません。
そうならないとどうなるかですが、こういう時に発生するのが「スタグフレーション 」です。不況の中(経済が縮小する中)で経済の主要なコストである人件費が上昇しますと。賃金コストプッシュが発生しますから、それはインフレ圧力になります。しかし、不況ですから容易に価格は上げられません。
結局、賃金コストプッシュの一部は価格上昇(インフレ)で吸収し、一部は利益の圧縮(減益)で吸収する、ということになります。これこそが「スタグフレーション(不況下の物価上昇)」です。
この物価上昇をまた翌年の賃上げに反映しようということなると、スタグフレーションはますます深化することになります。
第1次オイルショック後の教訓で、第2次オイルショックは立派に乗り切った日本の労使です。今回も立派に乗り切って欲しいと願うや切です。
春闘真っ只中で、担当する方々は、労働側も経営側も、種々苦労されていらっしゃると思います。賢明な日本の労使のことですから、おそらく誤った判断はされないと思いますが、老婆心か杞憂か、などと思いながら、つい書いてしまいました。
2009年度の日本経済の実質経済成長率はマイナスが予想されています。予想幅は、政府のゼロが最も楽観的で、日本銀行がマイナス2パーセント、その他多くのシンクタンクなどの予測はマイナス3パーセントまであるようです。
2008年度の第3、第4四半期の落ち込みがきついので、2009年度のマイナス幅はマイナスの下駄を履くことになり、低いところからさらに落ちるという意味で、下げ幅は小さくても、実態は数字より悪いといったことも起こりえます。
そうした中での賃金決定です。連合は、「ベア要求」と言う振りかぶった刀が何となく下ろせずにいるようですが、さいわい、日本の労使交渉は企業別です。企業の実態の良くわかった労使の交渉ということで、企業に過重な負担はかけないような結果になることを願いますが、日本経済と整合的な賃金決定ということになると、マイナス成長ですから、総額人件費(国民所得統計でいえば雇用者報酬)はマイナスにならなければなりません。
そうならないとどうなるかですが、こういう時に発生するのが「スタグフレーション 」です。不況の中(経済が縮小する中)で経済の主要なコストである人件費が上昇しますと。賃金コストプッシュが発生しますから、それはインフレ圧力になります。しかし、不況ですから容易に価格は上げられません。
結局、賃金コストプッシュの一部は価格上昇(インフレ)で吸収し、一部は利益の圧縮(減益)で吸収する、ということになります。これこそが「スタグフレーション(不況下の物価上昇)」です。
この物価上昇をまた翌年の賃上げに反映しようということなると、スタグフレーションはますます深化することになります。
第1次オイルショック後の教訓で、第2次オイルショックは立派に乗り切った日本の労使です。今回も立派に乗り切って欲しいと願うや切です。