tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

為替レートとゴルフのハンディ

2009年02月06日 16時12分00秒 | 経済
為替レートとゴルフのハンディ
 最近の株価は全くさえませんが、アナリストとかストラテジストといった方々の解説を聞いていると、「今日の相場には円高が重石になっていますね・・・・」などと言う発言がよく聞かれます。確かに円高が進んだ日は株式市況は重苦しい雰囲気になるようです。

日本は、以前から輸出立国といわれ、人間以外に資源のない日本だから、原材料を輸入して、加工して輸出してその付加価値で飯を食わなければならないんだよと説明されてきましたが、基本はまさにその通りでしょう。

 であって見れば、外貨建てで日本の コストも物価も割高になり、国際競争が不利になる円高は、日本経済にとっては大きな問題です。

 ところが、円高になって大変だというと、たいていこうした反論があります。
「円高は、円の価値が高くなることだから、いわば日本の評価が高くなるわけで、結構なことではないですか。」
 確かに円高になれば、輸入品は安くなり、海外旅行をしても円が高くて幅が利きます。

 しかし本当に日本の経済力が強くなってその分円高になったのならいいのですが、実力は上がらないのに円だけ高くなったらどうでしょうか。丁度実力は上がらないのに、ハンディだけ上げられたゴルファーのようなことになります。

 プラザ合意の時は、$1=¥240が2年間で$1=¥120になったのですから、ハンディ24の人がハンディ12にあげられたようなものです。もともとハンディ20ぐらいの実力でしたからよく優勝していたのかもしれませんが、12になったら、とてもダメです。一生懸命練習して、何とかハンディ12($1=¥120)でやれるようになるまでに十数年、2002年ごろまでかかりました。

 現状の$1=¥90は昨年夏から20円の円高です。円の本当の価値に基づいて、円高、円安 を適切に判断して、多少は政策にも反映できるような理論と能力を、政府も金融当局も、学者も、評論家も、確り持つことが望まれているような気がします。