米、EU、経済立て直しに必要なこと:実体経済1
第二次大戦の結果を通じ、豊かになるためには植民地を持つという考え方が、一転、一国の領土の中で、確り働けばいくらでも豊かになれるという方向に変わったようです。
1960年代、このことが現実に、エアハルトのドイツ、高度成長期の日本の実績を通じて明らかに実証されました。経済成長の経済はGDP、GDPのDはDomestic、つまり国土内でということです。
領土を広げることはないのです。技術開発と勤勉な労働、さらに自由貿易があれば経済はいくらでも成長します。これは世界中に経済成長至上主義を広めたようです。戦争で領土拡大よりも国内で毎年経済成長、素晴らしい時代が来たということでしょう。
しかしこれにも落とし穴はありました。GDP拡大の可能性が現実になると、一部の国は、成長を先取りして将来の成長を担保に、実力に比に過大な支出(国民生活)をするようになりました。
今起こっている実体経済の問題は、基本的には殆ど全てがこれです。
通常これが起きるプロセスというのは、国民が、生産性(実質)上昇以上の賃金引上げを要求するところから始まります。結果は自家製インフレ です。通常、輸入インフレが賃金コストプッシュインフレに転嫁されたりして起こります。強力な労働運動、安易な賃金のエスカレータ条項などがこれを加速します。
時に、レーガン改革やサッチャー改革などがブレーキを掛けますが、南米諸国のように経済が破綻するまで続くこともあります。国際競争がありますから賃上げがインフレでカバーしきれず、労働分配率が上昇、企業利潤が減少して、スタグフレーション という結果になります。
企業利潤が落ちると企業は、よりコストの安い国に投資を移し、国内では投資・雇用が減り、雇用確保のための労働時間短縮は労働コストを一層高め、スタグフレーションを促進します。スタグフレーションによる状況の一層悪化で、政権担当者は国民に迎合し、ケインズ政策、金融緩和を行います。国債発行は経常赤字につながり「双子の赤字」 になり借金国に転落します。
そこでもう1つの対策が考えられます。固定相場制のもとではインフレ国は国際競争力を失います。1971年アメリカがニクソンショックでドルの切り下げを行いました。変動相場制になった後は、皆様ご存じのとおりです。 ―以下次回―
第二次大戦の結果を通じ、豊かになるためには植民地を持つという考え方が、一転、一国の領土の中で、確り働けばいくらでも豊かになれるという方向に変わったようです。
1960年代、このことが現実に、エアハルトのドイツ、高度成長期の日本の実績を通じて明らかに実証されました。経済成長の経済はGDP、GDPのDはDomestic、つまり国土内でということです。
領土を広げることはないのです。技術開発と勤勉な労働、さらに自由貿易があれば経済はいくらでも成長します。これは世界中に経済成長至上主義を広めたようです。戦争で領土拡大よりも国内で毎年経済成長、素晴らしい時代が来たということでしょう。
しかしこれにも落とし穴はありました。GDP拡大の可能性が現実になると、一部の国は、成長を先取りして将来の成長を担保に、実力に比に過大な支出(国民生活)をするようになりました。
今起こっている実体経済の問題は、基本的には殆ど全てがこれです。
通常これが起きるプロセスというのは、国民が、生産性(実質)上昇以上の賃金引上げを要求するところから始まります。結果は自家製インフレ です。通常、輸入インフレが賃金コストプッシュインフレに転嫁されたりして起こります。強力な労働運動、安易な賃金のエスカレータ条項などがこれを加速します。
時に、レーガン改革やサッチャー改革などがブレーキを掛けますが、南米諸国のように経済が破綻するまで続くこともあります。国際競争がありますから賃上げがインフレでカバーしきれず、労働分配率が上昇、企業利潤が減少して、スタグフレーション という結果になります。
企業利潤が落ちると企業は、よりコストの安い国に投資を移し、国内では投資・雇用が減り、雇用確保のための労働時間短縮は労働コストを一層高め、スタグフレーションを促進します。スタグフレーションによる状況の一層悪化で、政権担当者は国民に迎合し、ケインズ政策、金融緩和を行います。国債発行は経常赤字につながり「双子の赤字」 になり借金国に転落します。
そこでもう1つの対策が考えられます。固定相場制のもとではインフレ国は国際競争力を失います。1971年アメリカがニクソンショックでドルの切り下げを行いました。変動相場制になった後は、皆様ご存じのとおりです。 ―以下次回―