tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経常赤字過去最大

2012年03月09日 12時13分50秒 | 経済
経常赤字過去最大
 1月の経常収支が過去最大になったようです。

 「これで日本もアメリカをはじめとした世界主要国の経常赤字グループの仲間に入れえてもらえる」という風に行くかどうか分かりませんが、「日本は、どんなことになっても経常黒字の国だから、何かあったら、一寸、¥に逃避しておけば、差し当たって、それでいいんだよ」式の安易な認識に一石を投じたことになるかどうか、興味津々で見守っているといいうのが、本音の所でしょうか。

 ちょうど、日銀の投じた一石で、円安に振れた後で、またすこし円高に戻すかなといった感じになっていたところでしたが、今日あたりも、$1=¥86半ばあたりで止っているという状態ですから、このニュースは国際投機資本の動きにも何らかのインパクトは与えたのかも知れません。

 来年度の政府経済見通しでは、日本の経常黒字は、今年度実績見込みで9.9兆円、来年度の見込みが12.2兆円のですから、よほどGDPが落ち込むか、国民や政府が本気になって金を使わないと、GDPを使い切って、通年で経常赤などは考えられない、というのが常識的な見方でしょう。
 しかし、何はともあれ、単月でも、突如、過去最大の経常赤字というのはニュース性があります。

 そんな中で、最近の現政権、特に野田総理の発言の中では、「やります、やります、政府が負担しますという発言が良く聞かれます。どんどん金を使い、GDPを使い切ってみせるというのも、一度思い切ってやってみたらいいのではないでしょうか。その分はGDPが増えて、景気が良くなるのですから。

 そしてさらに、それで円高が阻止できれば、日本復活のカギを握る技術開発と製造業のモノづくり能力が、円高に押しつぶされることなく、正常に力を発揮できる環境が、少しは近づいてくる可能性が、出てきます。

 今回の突然の「経常赤字報道」は、政府の発言の仕方、マスコミの報道の仕方も含めて、日本経済の動きに対して、国際資本市場がどう反応するかを読みとるうえで、何らかの参考になりうるはずだと思います。
 そういう意味も含めて、為替の動きを、十分に注意深く観察を続けることが大事なのではないでしょうか。