tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本は貴重な財産を失おうとしているのではないか

2019年08月14日 23時23分02秒 | 国際関係
日本は貴重な財産を失おうとしているのではないか
 日本は戦後74年、営々と努力して新しい財産を積み上げてきました。
財産といっても、金銭ではありません。日本は、世界にとって「人畜無害の国」という評価です。

 もちろん、「人畜無害」だけではたいした財産にならないのかもしれませんが、その上に、日本は「役に立ってくれる国」という評価も加わってきていました。
 害がなくて益はあるという国でしたら、何処からも歓迎されるのは当然でしょう。

 実はまだその境地に十分には達していないようですが、少なくとも、そういう国であろうとしているという日本の意図は、世界でもかなり認識されてきているように思われます。

 日本自体、第二次世界大戦で、世界に大変迷惑をかけ、自らも大きな痛手を受けて「もうこんな馬鹿バカしいことはやめた」と世界の平和を願い、まずは自ら戦争をしないと宣言したのです。

 こうした立場で国際関係を持てば、だれもが安心してお付き合いをしてくれるのです。アジアや中近東、アフリカなどの多くの国が、安心して日本とお付き合いをしてくれる背景にはこうした日本の明確な立場があるからだといっていいでしょう。

 これこそが真に貴重な、日本の財産です。企業でも相手に損をさせてでも儲けようという所より、お互いに利益になるように協力しましょうちう所の方が信用されるのは当然です。

 アメリカなども、トランプさんが「アメリカ・ファースト」と言い出してから、次第に「安心してつきあえない国」になってきています。
 アメリカは経済力(金融力?)も、軍事力も抜群ですから、それでも何とか通していますが、日本が「ジャパン・ファースト」等と言ったら、たちどころに相手にされなくなるでしょう。

 日本は、時間をかけ努力して積み上げてきたこの貴重な財産を決して手放してはならないのです。
 あらゆる機会に「やっぱり日本の言う事の方がまともで良く解る」と世界中から思われなければならないのです。

 ところが今、日本は、どういう訳か、世界唯一の被爆国なのに、核兵器についての態度がはっきりしなかったり、せっかく平和憲法があるのに改憲の方針を打ち出したりで、世界のところどころから「あれまた日本は昔に戻るの?」等と勘繰られたりしているようです。

 戦争を体験し、戦後は営々と経済の再建と、新しいイメージづくりに努力してきた人たちから見ると、最近の日本は、何か大変勿体ことをやりそうなことになっていて、どうにも心配だという事ではないでしょうか。
 折しも明日は「終戦の日」です。