日本企業の付加価値の現状を見てみましょう
テーマに掲げてありますように、このブログの基本テーマは「付加価値」です。我々日本人は日本経済の付加価値つまりGDP(正確にはGNP)で暮らしています。
GDP=国内総生産:国内で生み出した付加価値:国境線で定義
GNP=国民総生産:日本人(日本企業)が生み出した付加価値:国籍で定義
という事になっています。
経済学的には、国内の雇用はGDPに強くかかわり、国民生活はGNPに依存しています。(外国で日本企業(人)が稼いだ分も、日本の国民所得ですから)
ところで、両方とも「G」が付きますが、これは、おおまかにいえば減価償却が含まれているということで(この分は生活費には使えません)、日本語では「粗」の意味です「純」にする(減価償却を差し引く)と、「国民所得」ということになって、日本人はこれで生活しているのです。
定義はここまでで、国民所得のもとは純付加価値ですから、ここで日本企業の純付加価値の動きを見てみました。(ここでは「製造業」の数字をとっています。
日本の国民所得は400兆円で、法人企業製造業(財務省「法人企業統計」)の付加価値は80兆円ですから、比率としてはそれほど大きくありませんが、モノづくり日本の基幹産業の動きを代表するという意味では最も大事な部分でしょう。
統計は平成29年度(1917年度)まで発表になっていますので、この10年間ということになりますが、ざっと動きを見てみます。この表は、「法人企業統計年報」当該ページをそのまま映したものです。
まず、上の表に至る準備として財務省「法人企業統計」で製造業の売上高と付加価値について見ておきます。
2008年度の製造業法人企業の売上高445兆円、2017年度の同売上高406兆円で、付加価値は74兆円と83兆円ですから、売り上げは減っていて、付加価値は増えています。付加価値率は16.6%から20.4%に改善していますから結構ですが、さてその付加価値の分配を見ると上表の如くです。
役員給与は年収1億円以上の経営者が400人を超えたなどといわれますが、全体では減っています。役員の数が減ったり、統計には中小企業なども全部入っているっことも関連するのでしょう。
従業員給与も減っています。賞与はこの3年増えています。福利厚生費は削られています。合計の人件費は59兆円から57兆円に微減です。労働分配率は、70.7%から68.6%に下がっています。
一方、資本費の方を見ますと、金利負担は半分近くまで減り、賃借料も大幅減です。ゼロ金利が企業経営を大きく助けています。租税公課も上下はありますが減少です。
これらの効果も相まって、営業純益が大幅増という結果が見えて来ます。
ただし、2008年度はリーマンショックの年ですのでその影響の勘案は必要でしょう。
次回、増加した利益の行方、利益処分の中身についてみてみたいと思います。
テーマに掲げてありますように、このブログの基本テーマは「付加価値」です。我々日本人は日本経済の付加価値つまりGDP(正確にはGNP)で暮らしています。
GDP=国内総生産:国内で生み出した付加価値:国境線で定義
GNP=国民総生産:日本人(日本企業)が生み出した付加価値:国籍で定義
という事になっています。
経済学的には、国内の雇用はGDPに強くかかわり、国民生活はGNPに依存しています。(外国で日本企業(人)が稼いだ分も、日本の国民所得ですから)
ところで、両方とも「G」が付きますが、これは、おおまかにいえば減価償却が含まれているということで(この分は生活費には使えません)、日本語では「粗」の意味です「純」にする(減価償却を差し引く)と、「国民所得」ということになって、日本人はこれで生活しているのです。
定義はここまでで、国民所得のもとは純付加価値ですから、ここで日本企業の純付加価値の動きを見てみました。(ここでは「製造業」の数字をとっています。
日本の国民所得は400兆円で、法人企業製造業(財務省「法人企業統計」)の付加価値は80兆円ですから、比率としてはそれほど大きくありませんが、モノづくり日本の基幹産業の動きを代表するという意味では最も大事な部分でしょう。
統計は平成29年度(1917年度)まで発表になっていますので、この10年間ということになりますが、ざっと動きを見てみます。この表は、「法人企業統計年報」当該ページをそのまま映したものです。
まず、上の表に至る準備として財務省「法人企業統計」で製造業の売上高と付加価値について見ておきます。
2008年度の製造業法人企業の売上高445兆円、2017年度の同売上高406兆円で、付加価値は74兆円と83兆円ですから、売り上げは減っていて、付加価値は増えています。付加価値率は16.6%から20.4%に改善していますから結構ですが、さてその付加価値の分配を見ると上表の如くです。
役員給与は年収1億円以上の経営者が400人を超えたなどといわれますが、全体では減っています。役員の数が減ったり、統計には中小企業なども全部入っているっことも関連するのでしょう。
従業員給与も減っています。賞与はこの3年増えています。福利厚生費は削られています。合計の人件費は59兆円から57兆円に微減です。労働分配率は、70.7%から68.6%に下がっています。
一方、資本費の方を見ますと、金利負担は半分近くまで減り、賃借料も大幅減です。ゼロ金利が企業経営を大きく助けています。租税公課も上下はありますが減少です。
これらの効果も相まって、営業純益が大幅増という結果が見えて来ます。
ただし、2008年度はリーマンショックの年ですのでその影響の勘案は必要でしょう。
次回、増加した利益の行方、利益処分の中身についてみてみたいと思います。